↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
終末の太陽  作者: 大窟凱人


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
8/9

あいつの正体

 ありえねえ。ありえねえぞこんなの。なんでこうなった。

 つい最近まで俺がこいつをいじめてたってのに。

 なんで今は俺が殴られてんだ?


「ぐは」


 みぞおちに一発。顔は避けてるな。器用なこった。

 仲間だったこいつらまで裏切ってサクと一緒に俺をイジメだした。


「今日はこのくらいにしとくよ。でも、まだもう少しお仕置きが必要だね」


 サクたちはそういって帰っていった。



 ズキズキ痛む腹や脇にムカつきながら、俺は家路を歩き、考える。

 どう考えもおかしいだろ。あんなガリガリの弱虫が、一気に強くなってケンカでこの俺をねじ伏せやがった。しかもどんなに殴ってもビクともしない。殴った感触もおかしかった。

 絶対なにかある。


 俺は進路を変え、サクの野郎の帰り道に先回りした。


「いたな……」


 サクを見つけた。おおよその住所は知ってる。

 しばらくついていき、あいつの家までついた。けっこうでかい。


 あいつが玄関を開けて中に入るのを見届けてから、俺は忍び込めるところを探した。

 

「お」


 すると、家の裏手に大きなプレハブがあった。家と同じくらいのでかさで、外壁は黒塗り。ちょっとした工場みたいだ。


 家の中にはあいつらがいるはずだからまずはここを調べる。


 ドアは不用心にも開いていたから、そこから忍び込んだ。


 中には、車やバイクがあった。父親の趣味か?


 ジャリ。


 なにか、動く音がした。足音か。やば。


 俺は逃げ、ドアノブに手をかける。だけど。


「開かねえ!」


「誰かいるの?」


「あ、すみません間違え……」


 俺は声の主に苦しい言い訳をしつつ振り返る。


「は?」


 そこにいたのは、サクだった。

 さっき家に入ったんじゃ? いつの間に?


「不法侵入だよ。山本君」


 大人の男の声がした。

 天然パーマで眼鏡をかけたひげ面のおっさんがいた。


「まったく、学校でもしょうがない子だが、ここまでくるとはね。サク。つれておいで」


「うん。父さん」


 俺はサクに首の後ろを掴まれ、子猫みたいに持ち上げられた。なんて力だ。やっぱおかしい。


 ガガガ。


 突然、床が開き始めた。サクの父親がスマホみたいなものをつかってる。


 少しすると、地下へ続く階段が現れた。車やバイクのガレージというのはカモフラージュだった。


 俺はサクに運ばれ、地下へと降りた。



 地下室は研究室といった感じの場所。無機質な金属の壁にはいろんなコードが張り巡らされている。


 そして、大きな扉の目の前にたどり着いた。サクの父親はそこを開く。


「ひ」


 思わず俺は声を上げた。


 そこには無数の大きな人形がずらっと並んで立っていた。すべて目をつぶって、服は着てなくて、頭の中の機械がむき出しで、管で繋がれている。そして、サクの姿をしていた。


「サクはね。自殺したんだ」


「……え?」


「君のせいでね。家で首を吊ったんだよ。私はそれが受け入れられなくてね。サクをつくったんだ。ここにあるのはすべてサクのアンドロイドだよ」


 何を言っている?


「私は元々そういう研究をしていてね。サクが長い間休んだ時期があっただろう? その間に仕上げたのさ」


 じゃあ、今俺の首根っこを掴んでいるのも。学校で俺をいじめてきたのも。


「やっぱりそうだ! あいつが俺より強いだなんてありえない! インチキしやがったな!」


 思わず口走ってしまった。


「君はほんとうに救われないね。状況を読めない知能も絶望的だ」


「は? おい、なにするつもりだよ」


「ここで調教してやろう。安心したまえ。いずれはそうしようと考えていたところだ。君の分のアンドロイドは用意してある。念のために君の両親の分も。実生活には支障はないよ。君がいなくなっても、誰も気づくことはない。私の寿命が尽きるまで苦痛を味わい続けるといい」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。