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終末の太陽  作者: 大窟凱人


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8/10

サンタさんからのプレゼント

 サンタさんにお願いするクリスマスプレゼントは毎年決まってるんだ。それはね。ママ。


 ママは、ずっと前に病気で死んじゃったの。会えなくて寂しいから四年前、紙に書いてパパが飾り付けしたクリスマスツリーにぶら下げたんだ。


 そしたら、次の日の朝、ママがうちにいたんだ。


「メリークリスマス! すいちゃん!」


 わたしはママに抱きついた。ママの匂いがする。うれしい。ママ大好き。


 パパはびっくりしてた。


 ママにずっとうちにいて。もう病気にならないでってお願いしたら、


「ごめんね、すいちゃん。一か月くらいしかいられないんだ」


 ってさびしそうにいったの。


「ママ、そんな顔しないで」




 ママは言ったとおり、一月二十五日の夜までいて、わたしは思いっきり甘えた。


 たーくさん遊んでもらった。毎日一緒に寝て、本も読んでもらった。


 最初はへんな顔をしてたパパもちょっとずつ受け入れるようになって、思い出になった。ママと一緒に撮った写真にママが映らなかったことがちょっと残念だけど。


 だから毎年クリスマスにはママをお願いする。


 とーってもいい子にして、勉強もクラブ活動もがんばったから、毎年ママは来てくれた。


 でも、中学生になった年のクリスマスからは、来てくれなくなっちゃった。


 パパに聞いたら、


「もう子供じゃなくなったからかもね……」


 って言ってた。


 なにそれ。じゃあもうママと会えないじゃん。そんなのいや。もっとママと一緒にいたかった。


 反抗期も相まって、私は家にこもった。


 それからも毎年サンタさんにお願いしたけど、やっぱりママは来ない。


 悲しみに暮れていたらある日、ひらめいたの。


 私がつくればいいじゃん。


 私はその日から高性能アンドロイドをつくる研究に没頭した。


 高校はもちろん、アンドロイドやロボティクスが学べる工学系へ。


 勉強に次ぐ勉強、研究に次ぐ研究。すべてをそこに注いだ。


 おかげで、東京大学に入学。返済なしの奨学金も下りた。


 その後何年も研究を重ねつつ、自宅の地下に作ったラボでママは完成した。


「ママ!」


「ス……イ……ちゃん……ひさし……ぶり」


 なにこいつ! ママじゃない!


 私は近くにあった鉄の棒でそいつを殴り倒した。


 にせものにせものにせもの!


 ママはこんなに気味悪くない!


 不気味の谷を越えてやるんだ!




 それからもずっと、私は研究を重ねて、大企業とも契約を結んで新型のアンドロイドを開発し続けた。


 世間的には十分ってレベルの人間味を帯びてきたけど、私的にはまだまだ。


 そして今日、


 もう何千体もつくってきた新型のママが完成した。


 起動ボタンを押す。


「すいちゃん。会いたかったわ」


 新型ママは優しい、自然な笑顔で言った。けど。


「うん、違うわ」


 私はママを電気棒で突き刺して、壊した。


 ママ。早く会いたいよ。

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