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転生死神  作者: 稲葉小僧
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第四話 まずはコンビで怨霊退治、再始動!

この第4話から、別の話と絡み合っております(笑)

次回は田無が絶海の孤島へと行く話です。


俺の名は、田無敏夫(たなし としお)

俺には霊能力……というか、悪霊や怨霊の霊体を物理的・直接的に殴って蹴って、無理矢理に昇天させることができる。

どうやら、この能力(ちから)は生まれつきのものらしく、生まれてすぐに、赤ん坊の俺に近寄ってきた厄介な悪霊を、むんずと掴んで昇天させたらしい。

これは、俺の小さな頃からの知り合いである小さいが歴史ある神社の宮司さんに聞いたこと(ちなみに宮司さんには霊魂が見える。かなり強力な悪霊でも祓えるとは、当の宮司さんから聞いた)だが、俺には憶えがない。


でもって、最初は俺一人で、会社の裏仕事(表の仕事は技術サービス。サーバーやクライアント端末の設置やアップデート、入れ替え案件を担当)も兼任していたのだが、とある事情で、俺にアシスタントがつくことになった。

通常は部長以上につく秘書とは違い、俺の仕事をサポートする役目を持ち、長期出張になると自動的にアシスタントが同行することになった(短期出張だと、そもそも裏の仕事じゃない場合が多いので)


アシスタントの名前は、蒼月香織(そうげつ かおり)さん。

とある事情で霊的障害を持っていたが、俺のアイデアと能力を使って、霊的障害は彼女の守護霊へパワーアップして、生半可な悪霊ごときは全て消滅させるくらいの力強さがある動物守護霊になっている。

さらに、一体でも強力なその守護霊が、彼女には数体、憑いている。

実際、集団で襲ってくる悪霊集団でさえ、彼女が現場へ入っていくだけで次々と消滅、昇天していくのは確認している。


ちなみに、悪霊や幽霊が見える能力も、俺達二人は持っている。

実際には、蒼月さんは動物守護霊は見えるようだが、悪霊クラスの強力な霊ははっきり見えても、幽霊とかの弱い霊はぼんやりとしか見えないようだ。

俺は?

俺には、霊魂なら全て見える。

俺の前世って何だったんだろうな?

霊が見えて、その霊を殴ったり蹴ったりして成仏させるというのは、かなり特殊な力だと思うんだが。


前回のデータサーバセンターの怨霊物件を解消させたことで、俺の名前が(裏の世界ではあるが)かなり知れ渡ったらしく、総務部には、その霊障と重ねたサーバーやクライアント端末の入れ替え作業案件が、一気に倍どころじゃない数で増えてしまい、そのせいで営業も、俺達のサービス技術課にも、かなりの仕事量が回ってくる。

それは嬉しいが、どの仕事にも裏の事情があるとなると、必然的に俺にほとんどの案件や物件が覆いかぶさってくる。

さすがに俺一人じゃ全ての案件や物件を回せないので他の社員に振ることになるんだが問題は、俺以外に、表の物件や案件依頼に9割方付随してる裏の仕事は担当できないことだ。


だから、今現在、俺は大きな案件ばかりの担当になり、てんてこまいの忙しさ。

大きな案件ばかりだから、必然的にアシスタントの蒼月さんが着き、仕事自体はかなり速く終了させることが可能になる。

しかし、依頼案件の件数が……なので、俺も蒼月さんも、一年近く、現場から現場への渡り鳥生活をおくる。


「ふぅ……蒼月さん、ようやく連続出張生活も終わるよ。お疲れ様」


「こちらこそ、お疲れ様です、田無さん。でも、改めて、今回の連続現場作業で、田無さんのお力を見直しましたよ。私の動物守護霊たちでは太刀打ちできないような怨霊の類ですら、田無さんの腕で消滅・昇天していくのを見て、私も惚れ直しましたわ」


いつもの蒼月さんの軽口だからと分かってる俺だから良いものの、最後のセリフは軟派な男からコロッと行きかねない。

褒めてくれるのは嬉しいんだが……


「蒼月さん、そう言ってくれるのは嬉しいが、実は俺だって無敵じゃない」


「え?あれだけの怨霊を祓い・消滅させる力があるのに、無敵じゃない?」


蒼月さんが、意外だ、嘘でしょ?という意味を言外に込めて聞いてくる。

これが、本当なんだよなぁ……


「俺の力も及ばない存在だってある。悪霊や怨霊までなら、俺の力が及ぶが……これが、神だと別問題だ」


「神様?そんな物騒な神様って、いましたっけ?」


蒼月さん、忘れてるんだろうけど……


「怨霊から、さらに進化した祟り神になると、俺の力が及ばないのもある。一例上げると、平将門公とか、菅原道真公だとか。超有名所だと、崇徳天皇とかね」


そう、神様として祀られてしまうと、その霊格の高さ故か、俺の力が及ばないということになる。

そういう祟り神には、めったに遭遇しないし、そもそも祀られてるので、そうそう災いをなすこともないので楽なんだが。


と、そのときには、そう思っていたんだよ。

俺は、祟り神など、古代の人間ばかりだと勘違いしていた……

そのしっぺ返しを、痛烈に感じることになるのは、もう少し経ってからだ。


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