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第17話_永久循環(パーペチュアル・ループ)

俺は左腕の黒いリストバンド――

デバイス『天輪円環テトラ・リング』に触れた。


その瞬間、デバイスから赤黒い光が溢れ、

幾重もの魔力の輪が、俺の腕から全身へ包み込む。


変身と同時に黒髪から、紅黒メッシュに変わる。


「制限を解放する…テトラ…」

「第一解放――【始源の環】(オリジン・リング)


カチリ、と。

世界の歯車が噛み合うような音が響いた。


天輪円環の特性――

永久循環パーペチュアル・ループ』が起動する。


放出された魔力は霧散せず、円環状の軌道を描いて俺の元へ還る。

一巡するたび、その密度は倍加していく。


魔力が高まり、黒目が鮮やかな緑目…翠瞳へ変貌する。

挿絵(By みてみん)


空気が、歪んだ。


(久しぶりだな……解放まで使うのは。)


魔獣が、こちらに気づく。


キメラ型。

狼の体躯に、蛇の尾。背には不完全な翼。

口元から、紫色の魔力が漏れ出していた。


俺の魔力の高まりを察知したのか、

キメラは本能的な恐怖に毛を逆立てる。


魔獣が吠えた。

衝撃波が走り、地面と空気が同時に震えた。


「――来い。」


魔獣が跳躍した。

巨体が宙を舞い、一直線に俺へ突進してくる。


俺は、一歩踏み出す。


循環する魔力が空間を固定し、

アスファルトが重圧に耐えきれず、同心円状に陥没した。


キメラが絶望的な咆哮を上げ、死に物狂いで飛びかかる。


円環が回転する。


俺の周囲に展開する『円環魔法陣』から、

魔力が前方で“刃”として固定された。


「……《Assault. Edge sharpened.》」


不可視の斬撃。


キメラの前脚が、空中で弾け飛んだ。


「――――!!」


悲鳴とともに、魔獣は地面へ叩きつけられる。


それでも、残った脚で立ち上がる。

口内に、魔力が集束していく。


ブレス――魔力砲。


「……撃たせるか。」


右腕を突き出す。


円環が、二重、三重に展開された。


《Magus. Target locked.》


次の瞬間。


紫の閃光が放たれるより先に、

魔獣の頭部が、消えた。


音もなく。

胴体だけが、遅れて崩れ落ちる。


悲鳴すら許されない、圧倒的な蹂躙。

再生も、抵抗も、断末魔すら意味をなさない。


「…………」


(終わり、か。)


魔力の残滓が、空気へ溶けていく。


(これ以上、ここに魔力を残すと――)


背後から、別の気配。


(……来たな。)


魔力反応。

アリスだ。


俺は即座に円環を収束させる。


《Standby.》


黒いリストバンド型デバイスへと戻る。


俺は身を潜めた。


数秒後。


「……ここ……?」


アリスの声。


倒れた魔獣の残骸を見て、息を呑む気配が伝わる。

周囲を警戒する、張りつめた魔力。


(……アリス。)


(戦わせずに済んだな。)


魔獣の残骸は四散して消える。


しばらく周囲を探っていた彼女は、

やがて魔力反応が消えたことを確認し、小さく呟いた。


「……誰かが、倒した……?」


その声には、困惑と、わずかな安堵が混じっていた。

挿絵(By みてみん)


(それでいい。)


(俺は、物語の表に立たなくていい。)


(アリスが“魔法少女アリス”として戦う未来を、

 壊さなければ――それでいい。)


物陰から、彼女が去るのを見届ける。


俺は、もう一度、魔獣が消えた場所へ視線を向けた。


「……原作より、世界が早く壊れ始めてるな。」


制服の襟を整え、

何事もなかったかのように、街へと溶け込んでいった。

生成AI:主人公の瞳、良い感じに変えておきました!

作者( ゜Д゜):はぁ~!?

オコジョ:翠の瞳…まさか…

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