13,勝負はトランプ
次の回で第三王子の婚約者編はおわります。
「勝負はトランプよ!種目はポーカー。良いかしら?」
「かしこまりました」まあ、ポーカーくらいだったら…………。
私の余裕ぶりにイザベラ様は少し、引いていた。
………………………………………………五分後……………………………………………………
「イザベラ様、私の勝ちですね」
見事に私が勝った。
私はシャーロット様がいない事からさっさと終わらせた。
ああ、私はすぐにシャーロット様の元へ帰りますね。
が、
「もう一度勝負よ!!!」もう一度勝負を挑まれた……。
流石に断ることはできまい………。
………………………………………三十分後………………………………………………
「私の勝ちですね」
見事に私が圧勝した。
シャーロット様に私は早く会いたいのだから、その為なら何だってしてやる。フフフフフ。
「っ!!!!きっとイカサマしているんだわ!!!!白状しなさい」
何故……と言うか人をイカサマ呼ばわりって…………。
それにイザベラの言葉は説得力がないな。
「その言葉、そっくりそのままイザベラ様にお返し致します」トランプを持ったまま答えた。
「なっ!?何ですって!!この私を侮辱するなんて…!!!」どうやら図星のようだ。
私はシャーロット様の専属メイドとしてイカサマなど絶対にあり得ない。操られてもやらないね。
私は正々堂々が性分ですから。
「っ!!何で…何で勝てないのよ……!わたくしは全てを持っているのに……!!」突然、イザベラは地面に蹲るまずくまる。
「……イザベラ様は、何を持っているのですか?」私はイザベラに問う。
「何って…財力…全てを持ってる……お金さえあれば、私は何だってできる……のよ!」
「……私は何も、お金が全てではないと思います」
「どういう事よ……」項垂れるイザベラに私は続ける。
「お金では買えないものだってありますよ。確かにお金は生きるために必要なものですが、買えないものもある。一つ目は誰かとの友情や愛情。誰かの絆はお金では買えない代物よ。例えその絆が買えたとしても、それは本物の絆ではない。
二つ目は何かの勝負で勝って、その勝利の理由がお金だったら?それは本当の勝利なのかしら?」
「…………」
「それにその貴方の偉いは何故偉いの?」
「だって私は公爵家の令嬢だもの」
「じゃあ、何故貴方は公爵家の令嬢なの?」
「え?」私の鋭い問いに、イザベラは黙る。
「……それは…………」しどろもどろになるイザベラ。
「それは、貴方の両親が偉いだけであって、貴女が偉いのでは無いのでは?勿論、イザベラ様はそこご令嬢なのだから、少なからず地位はあるけれど」私、少し言いすぎだった気がする。
「………っ……そうね………そうよね………私は何もできない…」涙ながらに言う。
「何もできないわけではないと思います。イザベラ様にしかできない事、出来る才能があると思います。これは飽くまで私個人の意見ですが………」
「私に才能なんて無いわよ……何をやってもこなせない………」
「例え才能が無くとも、作れば良いと思います。きっと、大変だと思いますが、もし完成できれば手に入れられる才能は二つですよ」私は人差し指と中指を立てて言う。
「二つ……?」
「はい。一つ目は努力して手に入れた才能。二つ目は努力」
「努力………」
「才能を得られる為には辛い努力必要です。かなりの人は、途中で諦めるか、やる前に終わってしまう事が多いですから」
「…でも、そんなの私にはできない……」
「最初から出来ないなんて言っていたら、出来るものも出来ませんよ?それに、イザベラ様さえよければサポートしますし、まあ、役に立つか分かりませんけどね」
「ずっと、私は…使用人なんて道具だと思ってたわ」
大体の貴族はそんな感じだもの。シャーロット様が例外なだけ。
「私はもう、最低な令嬢ね。今まで皆に最低な行為を………」
「なら、ちゃんと謝ることだと思います。信頼は堕ちたとしても、本当に罪悪感を感じているのなら、ゆっくりと謝ることが良いと思います」
「………そうねっ………貴方の言う通り。………手伝ってくれるかしら」
少し、意外な言葉だった。
「勿論」私は蹲っていたイザベラに手を出し、イザベラは手を取る。
「…ありがとう」少し、素っ気ないがお礼を言う。
「どおいたしまして」
「それと私、負けたくなくて、イカサマしてたわ。ごめんなさい」
「知ってますよ」私は即答える。
「即答!?」
「それと、わたくし、不安でしたの」
「不安?」
「もし、わたくしが公爵家の令嬢ではなかったら、どうなっていたか………と思い、いつの間にか下の者にあんな態度で振る舞っていた………きっと………きっと、私は偉いのだと…信じて………」
「そんなことはないと思う。きっと、信頼している大切な友達は裏切らないと思う。こんなの、憶測でしかないけど……きっと!」どうかその友達がヘンリーの様な友達では有りません様に。
「じゃあっ!その友達は、貴方でも良いかしら」
「…!勿論です。イザベラ様。私はセレスティア・デイサンズ。どうぞ、セレスとお呼びください」
「ええ!よろしくね、セレス!」私達は二人仲良く笑いあって、手を握った。私、公爵令嬢と何してるんだ!?
最後まで見て頂いてありがとうございました。




