表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/88

第八十六話 ラプラス

「宿命……。そうか……、分かった……。ねえ、アイリス。新世界を作ろうか」


 突然出てきた“新世界創造”という言葉にアイリスはキョトンとしていた。おそらく、今更新世界を作ったところで……、なんて思っているのだろう。だが、気づいてしまった以上このままの世界で事を進められないのだ。


「新世界?どういう事?」

「それを説明するには一先ず“ラプラス”同士の争いを停止させないと……」

「停止させた瞬間、世界から記憶を消すつもりじゃないでしょうね?」

「ライナがいる以上そんな真似はできないよ」

「……分かった。君を信じるよ」


 すると、ラプラス同士の争いが終わり即座にアイリスの体は修復された。これでもう、俺がアイリスを凌ぐ手段は無い。だが、これでいい。今度は一緒に歩むのだから……。


「ありがとう、アイリス……」

「アイリス!死んじゃうかと思ったよ……!」

「リルが停戦をしなければ死んでたわね……。ねえ、気が変わった理由を教えてよ」

「宿命、運命……。それって誰が定めたんだと思う?」

「え……、そりゃ神様じゃ……。いや、今の私たちは事実上の神様……。じゃあ……!」

「そう、いるんだよ。俺たちよりも上位の存在が。けれど、そんな序列なんてラプラスを持ってすれば簡単に書き換えられるはずだった……」

「そんな……。やっぱり上位の存在には干渉出来ないんだ……」

「いや、俺達に干渉出来るんだから俺達が干渉出来ない道理は無い。ただ、上位の存在の数が問題だった……。世界は無限に存在するのは知っているね?」

「ええ……。あ、そうか!そうなると私たちみたいな存在も無数に存在することになる。そして、それを管理する存在もまた……」

「だから無限に高次元の存在がある以上、ラプラスでも手に負えないんだ。だから、世界を高次元の存在が干渉できないよう世界を作り直す」

「だから、新世界か……」

「今の俺達は良くも悪くも本当に俺達自身で導き出した答えじゃ無い。誰かのシナリオ通りに考え、動いているだけに過ぎないと思うんだ」


 だが、この時点で大きな矛盾が生じている。高次元の存在から離れるという決断、これを高次元の存在が許すとは思えない。とはいえ、俺達はこうして存在している。一体、高次元の存在は何を考えているのだろうか?まさか……ね?


「ねえ、リル。私がリルと出会ったのも好きになったのも愛し合ったのも私の本心じゃないってこと?」

「今の俺には分からない。けれど、世界が運命から解放されてなお、俺のことを愛してくれていたら……」

「ふーん。あ、そうだ侍達はどうなるんだろう?ライナもそうだけどスキルの力が通じないんじゃない?」


 言われてみればそうだ、“ラプラス”はスキルなんだから世界の書き換えの範囲外になってしまう。


「“ラプラス”解決策は?」

「侍では無く世界の法則を書き換えるだけなので、そもそも問題ありません。ですが、書き換えの際の重大な問題点としては二度と元の世界には戻れません」

「つまり、旧世界。俺が異世界転生する前の世界か……」

「やり残したことがあれば今のうちです」

「じゃあ、“ラプラス”原子核の修復頼むよ。それと、向こうの世界に行ったら俺の今の世界での記憶とスキルは全て消しておいてくれ。普通の人間として暮らしたいから……」

「分かりました。では、死ぬ寸前になったら全て復元いたしましょう」

「ありがとう」


 そうして、アイリスとライナに一瞬の別れを告げて旧世界に戻った……。


 ここで多くは語らないが、恋こそしなかったものの普通の学生として青春を過ごし、社会人として会社に捧げ、最後は余生をのんびり過ごした……。なんて、普通の人生が俺に送れるわけがない。なんたって、俺は特異点なのだから。


 もう一度言うが俺に異世界転生後の記憶はない。だが、俺はどうもスキルに引き寄せられる運命らしい。


 俺は生き返った後、色々あり東大一類に合格して、ある一人の天才と出会った。名を澤木 恭介。そいつは常に魔法が使いたいと嘆いていた。ただ、それだけのために貞操を守り続けるほどに……。


 そんな奴と俺が出会うのは必然と言っても過言ではないだろう。そいつと俺は童貞同士の事もあり息があった。


 それから、魔法について考え続けて三十年後……。俺達は魔法学の権威となっていた。そう、魔法の実用化に成功したのだ。それからの人類の発展は目を見張るものがあった。


 そしてさらに、魔法が発明されて更に二十年後……。とうとうスキルの発明までこぎ着けた。そして、スキルはより発展していき神に近しい力を手にした人類はとうとう“ラプラス”の発明に到達。だが、同時に原子核崩壊問題に直面した……。


 そうなれば異世界転生するしかない。だから、俺は“ノア”を建造した。そう、俺がね……。


 あいつはその前に俺を庇ってスキル反対派に殺されてしまった。世界の全てを俺に託して……。


 それから、俺は五人の特異点達を“ノア”へと送り、俺もまた後を追おうとしたところで全てが蘇った。


「いかがでしたか?旧世界は」

「普通の人生を送れるなんて思っていたんだけどね。まさか、全ての元凶が俺だったなんて……」

「そりゃあ、あなたはこの物語の主人公ですから」

「それもそっか……」


 そして、俺は“ノア”へと帰還した。


「リルにとっては久しぶりかな?過去も未来も同時に存在する“ノア”にいる私たちにとっては一瞬だけれどね」

「何だか不思議な感覚だ……。さて、それじゃあ新世界を作ろうか」

「ええ……」


 高次元の存在から干渉されないという事、それは自分達の世界が如何なる事象からも解き放たれるという事でもある。縛りがなくなった以上世界は混沌を極めるだろう。だが、それでいい。良くも悪くもこれからの物語は俺たちの手に委ねられることになるのだから……。


「ありがとう……。愛しき特異点たちよ……。紡がれた想いは世界を自由へと導いた……。これから幾多の試練が待ち受けるだろう……。だが、希望を抱き進み続けるのならば……。如何なる困難も超えていけるはずだ……、何度でも……。 愛を込めて 」


「面白かった」


「続きが気になる、読みたい!」


と思ったら


下にある☆☆☆☆☆から作品の応援をお願いします。


面白かったら☆5つ、つまらなかったら☆1つ、正直に感じた気持ちで大丈夫です!


ブックマークもしていただけると本当に嬉しいです。


今まで読んでいただき本当にありがとうございました。


処女作であるこの作品を最後まで書き上げることが出来たのも応援してくださった皆様のおかげです。


改めて本当にありがとうございました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ