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第三十六話 継承

 フェンリルは先程よりは遅いものの高速の連撃を繰り出した。それに、加えてどうやら波動も扱えるらしくこちらの動きを全て読んで攻撃してくるので防ぐのも容易ではない。だが、攻撃を当てられないわけではない。ので、俺はシヴァでフェンリルの頭を消し飛ばした……。


 フェンリルの頭を消し飛ばした後、フェンリルの体を異空間に収納して再び時空間魔法でダンジョン最深部に戻った。地獄の門を出ると、ダビデさんが神器を持って待っていてくれた。


「これは神器「八咫鏡」。万物を反射する鏡だ。さて、これから君には俺の記憶と初代と俺のスキルを継承してもらう。さあ、触れてごらん……。」


 八咫鏡の鏡に触れると「模眼」の能力の時と同じようにスキルの情報を即座に理解できた。どうやら初代のスキルは「創造者」。手に触れたモノの性質、形状を自由自在に操ることが出来るそうだ。


 そして、二代目のスキルは「六道」。六道のスキルはそれぞれ六つの道に合わせた性質を持ち、それぞれを同時に使用することも可能だそうだ。一つ目は天道、足に触れた空間の中の重力を自由自在に操れる能力。二つ目は人間道、足に触れたモノの大きさを変化させる能力。三つ目は修羅道、足を外部から破壊や変化、操作出来なくなる能力。四つ目は畜生道、足に触れた意志を持つ生命体の能力を一つ取り入れることが出来る能力。五つ目は餓鬼道、足に触れたモノの分身を作る能力。六つ目は地獄道、足に触れたモノをマグマに変化させて自由自在に操ることが出来る能力。


 そして次に、俺の脳内に二代目の記憶が流れた。


 二代目の最初の記憶は荒れ狂う業火の中から始まった。人々の怒号と悲鳴、鳴り響く金属音から戦争中だということが分かった。


「ダビデ!何ボーっとしているんだ、早く逃げないと戦火に巻き込まれるぞ!」


 金髪の青い目をした二代目の父は子供の頃の二代目をせかした。死ぬまいと必死に走って、走って走り続けた。何とか逃げ切りひとまず森の中で野宿をした。


「父さん、これからどうすればいい?もう、母さんも兄さんも姉さんも……。」

「生きてくれ。三人の分まで……。」


 そう誓った翌朝、山を越えたところにある父の実家で匿ってもらう事になった。ここの村は戦略的重要区域らしく、王国の騎士団が駐屯していた。そのため、周囲の避難民が安全の確保のため集まっていた。


 匿ってもらってから数日経ったある日、村の住民と避難民は騎士団に避難経路説明を受けるため丘の上に集められた。そして、その丘の上には騎士団長とその直属部隊がいた。すると、騎士団長が話し始めた。


「お集まりいただきありがとうございます。それでは、今から国のために死んでください。」

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