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アルテリア魔法学校で最下位合格した男の話  作者: 霧雨
第一章 入学編

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#62 個性的な錬金

深空先生は、颯爽と教壇の前に立つと、

白衣の袖をまくりながらウインクしてきた。


「錬金術は“変換”の芸術。

 そして!芸術に必要なのは、勇気と――少しのスリルです!」


いや、スリルは要らない。


先生は机の上に、金属片・水晶片・薬草の入った器を並べた。


「まずはデモンストレーション。

 初心者向けの“属性石生成”をご覧あれ!」


手際よく指を組み、魔力を流し込む。


蒼い光が金属片を包み――

ギュゥゥゥンッ……!


……が、直後。


ボンッ!!!!!


青紫の煙が教壇から噴き上がった。


「げほっ、げほっ……!

 おかしいですね、昨日は成功したのに……!」


貴満が淡々と呟く。


「先生……昨日やって成功したからと言って今日も成功するとは限りません」


「そう!それこそが錬金の醍醐味っ!」


いや違うと思う。


先生は煙の中で親指を立てた。


「みんなもやってみましょう!

 Don’t be afraid!! 失敗は……爆発です!」


(励まし文句に“爆発”使う教師、初めて見た)


こうして、実習がスタートした。


―――


昴が金属片に手をかざすと、赤い燐光が広がる。


「よし……集中して……」


火の魔力が金属に吸い込まれ、

徐々に朱色の石が形成されていく。


「……できた!」


先生が感嘆の声を漏らす。


「Beautiful! さすが学年2位!」


昴は照れ笑いしながらも、どこか得意げだった。


―――


理紅虎はフェンリルの幻影をまとわせるように、柔らかい風を流し込む。


「ゆっくり……自然のままに」


風が石を撫でるように形を整え、

淡い緑の属性石が完成した。


「自然と調和した……これは見事な風属性ですね」


理紅虎は照れて、フェンリルの幻が尻尾を揺らす。


―――


貴満は小さな呪符のようなメモを読みながら、真剣に魔力を流した。


「温度変化を一定に……比率を……」


慎重な作業の結果、澄んだ水色の石が完成。


鉄駔が隣で感銘を受けていた。


「慈恩寺……やはり賢者だ」


「いや、そんな大層な……」


―――


鉄駔は無言で金属片を握りしめた。


「……」


「……いや鉄駔、お前それ握りつぶしてな――」


ゴッ……!


握力だけで金属片が変形していた。


そこから、鉄の輝きを帯びた石がじわじわ生まれる。


「……俺は人間だ」


「いや、だから知ってるって……!」


先生は目を輝かせた。


「This is wild…!その“力任せの安定感”、逆に芸術です!」


理解不能な誉め言葉だった。


―――


朝はキラキラした笑顔で魔力を放つ。


「光属性って……やっぱ華があるよな! ほらっ!」


光が金属片を包むと、

七色に反射するような煌めきの石ができ上がった。


「さすが人気者。属性石までアイドルみたいね」


碧が微笑む。


「やめろよ照れるって!」


―――


碧は他の人とは少し違う“魔法音楽”の要領で、指先でリズムを刻むように魔力を流す。


水音のような流れに合わせて、

青紫の石が静かに形成された。


芸術的すぎる仕上がりに、先生が本気で拍手した。


「Perfect!これは宝生の血統ですね!」


碧は照れながらも、誇らしげだった。


―――


明日香は黙って金属片を見つめ、

小さく息を吐くと――


「……凍れ」


冷気が触れた瞬間、金属は霜に覆われ、

中から淡い氷青色の石が浮かび上がる。


完成した石は、どこか寂しげで、

けれど美しい輝きを秘めていた。


「……まあ、これくらい普通よ」


昴が見とれているのを見て、

明日香はそっぽを向いた。


―――



さて、俺の番だ。


金属片を手に取り、魔力を流そうとした瞬間――

周囲の空気がピリッと揺れた。


(おっと……時間魔法は、下手すると全部“巻き戻る”か……?)


慎重に、石が“あるべき形”に落ち着く未来へ向けて

少しだけ時間を加速させる。


すると、


コッ……


金属が未来へ進んだ姿として、

淡く銀色の“時水晶”のような石が現れた。


静かで、どこか不思議な輝き。


深空先生が一段と目を輝かせる。


「天竜くん……!

 これは……これは……!!」


(……褒められる?)


「まったく意味が分かりません!!最高です!!」


褒められたのか分からん。


でも、教室の空気は一気に沸き立った。


―――


◆授業の締めに


先生は黒板の前で大きく両手を広げた。


「みんな!

 今日の出来は simply amazing!!

 このクラス、絶対に“化けます”!!!」


青紫の髪を揺らしながら、満面の笑み。


「次回は……“簡易ゴーレム制作”です!」


(爆発の未来しか見えない)


だが、

不思議とワクワクしている自分がいた。

六大魔法名家


5.宝生(ほうしょう)家

魔法芸術の第一人者を先祖に持つ一家。六大魔法名家の中でも最も金持ちの一家。占い術も得意な家系であり、災厄を余地し、未然に防ぐために欠かせない存在となっている。

担当:財政・文化

父 宝生(ほうしょう) 大耶(だいや)

適性 光

母 宝生(ほうしょう) 翠(みどり)

適性 風

長女 宝生(ほうしょう) 碧(あおい)

適性

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