ある女性研究者の研究結果
時刻は午後十二時二十三分。予想の時間まであと七分。天気は晴れ。私の計算が正しければ、あと七分で二つの世界は一つになる。私は今家族が待つであろう家に向かって歩いている。まぁ、この世界で買ってある家ではないので、私の計算が間違っていればそんな家は現れてくれないことになるけど。あちらとこちらの世界の高度やらなんやら計算して、世界が繋がったあとどこに何が現れるのか、統合されるのかはある程度予測できてる。でもあくまでただの予想、結果であり、答えは世界が繋がってからでないと照らし合わせられない。でも一縷の望みをかけて私はあの人たちがいるはずの家に向かう。もう、一週間前から結論をだしていた。ここまで待ち遠しく、時間の感覚が長かった一週間は今までになかった。私一人で自分の世界で研究するようになってからほとんど力を入れてこなかった化粧も、今日だけは気合いを入れて少しでも綺麗に見えるようにした。髪もきちっと整えたし、服も少し上品に見えるようにした。白衣とズボン以外を着たのはいつぶりだろう。見た目に気を遣ったのは十数年振りだ。もういい歳なのに、年甲斐もなくはしゃいでいる。それがおかしくてさっきから笑いが止まらない。
「あら」
手元の時計を見ると予想の時間まであと残り五十八秒。心拍数が上がる。家の予想地点にはたどり着いた。ここだけの話、こっそり雨の日に家の場所を何度も確認しに来ているから間違うはずがない。
「っし……」
柄にもなくガッツポーズをする。待ち望んだ我が家だ。私の予想は当たっていた。はやる鼓動を押さえ、ゆっくりとドアに近づく。別れたときに渡されていた合鍵を恐る恐る差す。ガチャッと鍵が開く音がした。一度深呼吸をしてゆっくりと扉を開く。ドアを開けると目を丸くして、手に持っていたものを落とし、今にも腰が抜けそうになっているあの人がいた。
「ただいま、あなた」
「……おかえり――」




