表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/40

第十二話




2018 2/24

戦いが終わり、一時地下は封印されることとなった。というのも、負傷者の体調に不調をきたした者が多数でたからだ。まだ完全に地下を制圧できたとは言い難く、また地下に散乱している”屍人”の死骸を如何にかする問題もある。

しかし遺跡調査を進めるには完全に地下を制圧する必要があるため、今日は休息に時間を使って明日動ける人で再び地下へと向うことになる。

今は戦後処理として、負傷者の治療と武具の手入れが行われ、私はヴァイシャについて負傷者の治療を手伝っている。

殆どの治療においてはヴァイシャがテキパキとやってしまったため、簡単な手伝いしか出来なかったが。

最後の負傷者であるグレイは右肩を噛まれており、深くは無いが”屍人”のつけられた傷は破傷風等を導く可能性があるためかなり危険だ。

ヴァイシャが適切に治療をして私が包帯を巻く。

何時も足に包帯巻いているから巻くのは慣れたものだ。


「これで応急処置は終了です。グレイさん、大丈夫ですか?」

「ああ、すまねぇな。腕は動くから明日も問題無いだろうよ。二人は怪我が無さそうでよかった」

「ヴィーには私が付いてるからね」


私が胸を張って言うと、グレイは笑って左手を私の頭に置いてわしゃわしゃと撫でる。グレイの手は長く戦いに身を置いてきたせいなのか肉が不自然に盛り上がってたり、指が少し歪に曲がってたりと怪我の痕が多い。宿でいろいろと傭兵や武芸者たちから武勇伝を聞いてきたが、グレイにはどんな武勇伝があるのか少し気になってきた。また時間があったら聞いてみよう。


「ねぇねぇ、私の戦いぶりはどうだった?」

「俺は傍目に見た限りだが、凄まじいものだったよ。見る奴によっては恐怖を覚えるほどにはな」

「むぐぐっ、だ、大丈夫だよねヴィー?」

「かっこよかったですよ」


昂ぶりに任せて少しはめを外したけど、怖がらせるほどでは無いはずだ。ヴァイシャに縋りついて尋ねてみると、ヴァイシャは慰めるように頭を撫でてくれる。

今思い返すと他の負傷者を治療中、私の事を分からない物を見るような目で見られた時あったけど、そんなこと無いよね?


「まあ、相手が”屍人”だから余計にリイナに恐怖を覚えやすいんだろうな。それよりもだ、お前達は休まんのか?あと三、四時間くらいで夜が明けるぞ」

「あ・・・」


そういえば深夜だった。そう言われるとだんだんと眠くなってくる。疲労も一斉に来る。


「そうですね、そろそろ休みましょうか。では、私達は失礼します」


ヴァイシャが治療に使った道具をまとめ、救護テントから撤収する準備を進めていると、シャーナがやって来た。


「あら、二人ともまだ居たの?早く休むようにしなさいね」

「荷物を纏めたらすぐに休みます。シャーナさんはどうしたんですか?」

「私はグレイさんの怪我の具合を身に来たのと、打ち合わせの内容を伝えに来たのよ。テントは一緒だし、すぐに話しは終わるから私の話しが終わってからでもよければ、一緒にテントに向かう?」

「それならよろしくお願いします。こう暗いとテントに着くまでに迷いそうですし、リイナも半分眠っているようですから」


既に私はうつらうつらと眠りかけており、シャーナとヴァイシャの話しは聞こえてはいるが、内容はあまり理解できない。そろそろ立ってるのもきつくなり、ふらふらしているとヴァイシャに背負われる。


「・・・こうして見ると、さっきの暴れぶりが嘘のようね」

「わ・・・私は、怖くないよ」


シャーナの言葉を聞いて反射的に返したところで限界が来て、ヴァイシャの背中で眠りに落ちた。




正午に目が覚め、何時もより遅い目覚めに驚きながらも、今日は休むように言われているためヴァイシャと一緒にゆっくりと過ごすことにした。シャーナが居ない間に二人で魔法の練習をしたり、髪を梳いてもらったり、ヴァイシャの髪を弄ったり、時々気晴らしに空気を吸いにテントから出るくらいで、後はテントで過ごしていると、ヴァジュラがシャーナとグレイを連れてテントにやって来た。


「二人とも話しがある。ここでは話せないからついて来い」

「?はーい」

「分かりました」


唐突な事だが、ここで話せないと言う事は秘密の話しなのだろう。

特にやることがあるわけでもなく、断る理由は無いので素直にヴァジュラ達について行く。


ヴァジュラについて行ってたどり着いたのは遺跡地上部の過去に集会所に使われていたという場所。

まわりには人の気配が無く、ここに居るのは私達だけである。

ヴァジュラは少し声を潜めて話しだす。


「明日のために先程偵察を送ったが、厄介な事が分かった。地下には既に動く”屍人”は見られなかったが、最初多くの”屍人”が居た場所の最奥に、四体の巨人が発見された」

「巨人?」


巨人は昨日言葉だけ聞いた。確かシャナンが言ってたけど、巨人は”屍人”の一種だったはず。


「巨人とは多数の”屍人”が繋がりあってできた醜悪な化け物だ。この巨人は異常な再生能力を持ち、力も強い。巨人一体を倒すのに百人必要といわれる」

「そうなると戦力が足りませんね」

「そうだ、戦力が足りん。そのためお前達二人に巨人を一体相手取ってもらいたい」


なんという無茶振り。


「えと、巨人ってとっても強いんだよね?それを私達二人に?」

「いや、シャーナの分隊も二人に協力する。第四部隊で巨人を一体相手取れ。だが、魔法士としての姿は見せるな。シャーナもグレイも既に二人が魔法士であることは伝えてあるから、二人以外に見られるな」

「な、なにそれ・・・って、戦力足りるの?巨人一体で百人に相当するんでしょ?こっちは戦える人百人に満たないじゃない。そもそも魔法士としての姿を見せるなってどう言う事さ。無茶苦茶じゃない!?」

「巨人三体を倒す方法はある。だが、三体までだ。明日動かせるのはせいぜい百人、三体倒した上で一体相手取ることは可能だが、ほぼ不可能だ。だから、少ない戦力を割いて、その戦力で一体の巨人を倒す必要がある。お前達が魔法士であるかどうか見られないようにするには、ザッシュから貰った魔道具でも使えばいい。リイナが貰っているはずだろう。できるか、ヴァイシャ」

「分かりました、やりましょう」

「え、ヴィー!?」


巨人という聞くだけでもとっても強そうな相手に、たった十人で相手しなければならないというのにヴァイシャは了承してしまった。その上魔法士であることを隠せって・・・あ、そういうことか。いや、魔法士を隠す方法はあるけど巨人と戦って無傷で確実に勝つ方法は無い。

ヴァイシャの体を揺さぶって抗議すると、ヴァイシャは困ったように言う。


「お義父さんは無理な事はしない性質ですから、私達で十分巨人を倒せると考えているのでしょう。そうでなければもっと別の手段を講じるはずです。そうしないという事は倒せるのでしょう?」

「ああ、過剰戦力なくらいだ」

「お義父さんもこういってることですし、魔法の力を制限しなければ私もかなり強いですから大丈夫です。リイナはザッシュさんから頂いたあの魔道具を使って、私の魔法を見せなければ大丈夫です。私の事、信じられませんか?」

「え、いや、でもぉ・・・」


”屍人”は思ってたよりも弱かった。周りも強くないとは言ってたけど、今回の巨人は強いらしい。しかも結構なものだそうだ。ヴィーの実力ははっきり言ってよく分からない。私の実力も全力で戦ってないからいまいちよく分からない。ヴァイシャはヴァジュラが過剰戦力と言うくらいだからかなり強いんだろうけども、何が起こるかわからない以上無理は良くない。どうしよ・・・戦う前から無理だというのも・・・勝算があるみたいだし。

うむむ・・・最悪ヴァイシャを優先すればいいか。最優先はヴァイシャの安全、他の人の死傷は目を瞑ろう。


「・・・わかった。やるよ」

「決まりだな。此方は準備を進める、シャーナ、リイナ、ヴァイシャは体調を整えておけ」

「分かったわ。テントに戻りましょうか二人とも」


シャーナに連れられて私達二人はテントに戻る。テントではシャーナから使える魔法の属性と種類を聞かれ、素直に答えた。ここで初めて聞いた事だが、ヴァイシャは火属性の定型魔法十二種を全て扱えるらしい。つまり火属性に関して言えば上級までの魔法が使えるという事だ。下級は対人、中級は対城、上級は戦術級の規模の魔法なので、上級魔法で一息にやっつけてしまえるから過剰戦力なのだろうか?

特にその後は何事もなくご飯も食べて、近くの川で水浴びしたりと僅かに残ってた疲労を取ることにして、戦いに備える。


翌日早朝、私達は整列していた。数は昨日の三分の二、約百人。半数は”屍人”との戦いでほぼ無傷だった、魔道部隊。もう半数は、グレイやヴァジュラの部隊の中で軽傷の者で形成されている。先日の戦いでヴァジュラが率いてきたザッシュの私兵達は約半数が負傷している。幸いなのは重傷者は多く出たが、死者は出なかったことだろう。この連合部隊をヴァジュラが直接指揮する。

私達の前にヴァジュラが立つ。


「全員揃っているようだな。これから遺跡内にいる巨人共の討伐に向う。事前に渡した荷物は乱暴に扱うと中の物が壊れる恐れるがある、遺跡内部では気をつけろ。では、行くぞ」


ヴァジュラは全員を見渡し確認すると、先頭に立って地下へと入っていく。ヴァジュラの後に続いて私達も地下へと降りていく。


地下に降り立つと、ボロボロの陣地と捨て置かれた”屍人”達がそのままとなっており、昨日の戦いの名残がある。相変わらず強い腐臭の漂う地下を進み、巨人が居るという奥へと向う。


戦いの時に築いた土塁を崩すと土塁に凭れ掛かっていた”屍人”達の体が仲間の上に重なっていく。彼らの死を恐れない戦い振りは改めて思い返し、目の前の様を見るとあまりに狂気に満ちている。ありえない。だが、”屍人”よりも狂気に満ち、醜悪な存在が土塁の先に見えてしまった。

手と足がそれぞれ四、五体の”屍人”で、胴体は約十体分の”屍人”だろうか。頭部は無いが、三十近い数の顔が巨人の肩や腰、胸、腹、さまざまな場所にある。それぞれの”屍人”の体は完全に融合しており、まさに人という体ではあるが、これを決して人とは呼びたくない。そんな醜悪で悪夢と言ってもいい存在だ。

私達が近づくと、巨人の体にある複数の顔から悲鳴と絶叫が溢れ出して、此方へと走ってくる。


『キィイイイイイアアアアアアアアアアアァ』

「各自、担当する巨人を惹き付けて分かれろ!」


ヴァジュラの指示で、各部隊が魔法で巨人の注意を引き、巨人達を分断する。


「私達は皆から大きく距離を取るわよ!」


シャーナは一番遠い巨人に魔法を放ち、その巨人の注意を引く。私達はシャーナと同じように魔法を放ち、巨人の注意を引きながら他の部隊から離れるように移動していく。事前に決めたことだが、巨人はヴァイシャの高威力魔法で仕留める。そのためヴァイシャを守るように、私はヴァイシャから離れないように、そしてヴァイシャが狙われないように気をつけて魔法を放つ。

巨人の歩幅は巨体の割りに小さく、走るといってもかなり遅い。無茶苦茶な体型だからだろう。また、魔法を受けると身を守るためか手を交差させて走るのを止めるため、実際のところ逃げるのは容易い。それでも、攻撃を受けた先から肉が盛り上がり、すぐに傷が塞がっていくのは見ていて気持ちの良いものではない。巨人は純粋に戦闘力が高いというよりも醜悪で狂気的であるため、精神が参る。


「此処まで来れば十分巻き添えにならないでしょう。魔法が出来るまで私を守ってください」


一体の巨人をチマチマ魔法で刺激しつつ移動し、他の部隊から大分離れた所でヴァイシャが魔法の発動に移る。同時に私も懐から手鏡の形をした魔道具を取り出して発動を始める。

この魔道具の効果は、魔道具の持ち主の思い浮かべたものを他の者に見せるらしい。早い話し、他の人に幻覚を見せる。これで他の人には頑張ったら倒せた、みたいな結果をみせるとしよう。


「全員、各自カバーできる範囲の距離で攻撃を始めなさい!」

『グゥウウウウウギィィイイイアアアアアアアアアァ』


巨人は私達の魔法攻撃を受けて防御体制に移る。だが、攻撃を加えるたびに複数の顔から絶叫が溢れ、私達の集中を乱し、守りながらも無茶苦茶に手を振り私達に攻撃をしてくる。距離を取ってるから当たりはしてないけど、巨人の腕が振るわれるたびに突風が吹き荒れるため、あの腕に当たったら流石の私でも死んでしまいそうな威力があるようだ。他の人は言うまでもない。

私の魔道具の影響が多少あるのか、度々おじさん達の攻撃の手が緩む時がある。そのせいで巨人がじょじょにヴァイシャへと近づいている。魔道具を使いながら、魔法を放ち続けるのは流石に集中が続かない。時間を稼ぐべく、魔法による攻撃を止めて直接攻撃へ移る。

背中の剣を抜き、巨人の懐に入り込むと、膝についている顔を潰す。魔法で攻撃していた時に気づいたのだが、顔に魔法が当たると巨人は怯む。ダメージはあまり与えられないが、怯んで動きが止まるのだ。


『ギャアアアアアアアアアァ』

「わふっ」


味方の魔法をかわしつつ、魔道具を維持し、確実に顔を潰して時間を稼いでいく。顔を潰していくたびに、全ての顔から悲鳴が上がり、怯みそうになるが気合で耐えて潰しまわる。


「出来ました!離れてくださいリイナ!」


五つの顔を潰し、シャーナ達の魔法攻撃に晒され巨人が身動きが取れなくなった隙に、ヴァイシャが魔法を完成させて声を上げる。

私は巨人の最頂点まで走り昇り、そこから跳躍する。六メートル位の高さがあったためヴァイシャの近くに飛び降り、衝撃は上手く転がって逃した。

巨人は攻撃が収まり、動き出そうとするが、それよりも早くにヴァイシャが魔法を発動させる。

ヴァイシャの周りから炎が渦巻き、その炎が蛇のように地面を三方向から伝い、巨人に絡みつく。絡みついた炎は巨人を燃やし、燃やすだけで無く鎖のように巨人を縛り、蛇のように絞め殺さんとする。


『グギィイイイイイイイガァアイギィヤアアアアアアアアアァ・・・』


巨人は絶叫を上げ、体がだんだんと炭化していく。

シャーナを除いて、シャーナの分隊の皆は私の魔道具で都合のいい結果を見せる。


巨人の絶叫が止み、体が崩れ始めたところで炎は消え、残ったのは灰と大きな魔石だった。

魔道具も私が魔力を供給を終えると、壊れてしまった。


     ◇     ◇     ◇


なぜかリイナがベッドを占領して本を読んでいるから、これから寒くなる事を見越してリイナとヴァイシャのためにセーターを編んでいると、何気なく気になった事があった。


「そういえばリイナ、故郷に連絡を取らなくていいのか?」

「連絡?どうやって?」

「どうやってと言われても、普通に手紙を手数料と共に行商人に渡せばいいでしょ」


リイナはきょとんとして何か考え出すと、ポンと手を打つ。気づいてなかったようだ。


「そういえばその手があったね。でも、状況が分からないしなぁ」

「北の状況は此処まで伝わってこないしね」


リイナの故郷であるブランシュ王国と今いる場所ではかなり距離がある。たとえ手紙を託したとしても一月は掛かるだろう。


「うーん・・・少し様子見てから手紙を出そうかな。向こうから探しに来るかもしれないし、今はヴィー達と一緒に居たいし、のんびりするよ」


確かリイナの実家は子爵家だから、確かにそのうちリイナを探しには来るだろう。それにしても亜人が貴族をやっているのは珍しい話だ。

いつの間にかリイナが此方の顔を覗き込んでいる。


「そういえばシャナンって何の亜人なの?」

「俺か?俺は雪女っていう亜人だ」

「雪女、ゆきめ・・・なんか寒さに強そうだね」

「強いよ。元々極寒の地で生きている亜人だしね」


中央山脈の中でも常に氷点下、常に吹雪が吹雪く土地で生まれ育った。普通の人間では一週間も生きていられない程の場所だ。


「シャナンは別に私みたいに遭難した結果でヴィー達と一緒に居るわけじゃないでしょ?どうして一緒にいるの?」

「それは・・・故郷に居づらいから、かな」

「どうして?」


リイナは興味を持ったのか、ぐいぐいと聞いてくる。別に話してもいいことだけど、もう少し遠慮してもらいたいとも思う。でもリイナは聞かれたくない雰囲気を醸し出していれば聞き出さないから、あの階下で酔いつぶれる事が多い傭兵達と上手く付き合えるのだろう。


「俺が女の子として育てられてたから。周りが、家族が俺を騙してたから、恐くなったから、かな」

「女の子として?」


雪女という種族はあまり男が生まれない。自分が故郷で過ごしていたときは周りは全員女。父親の顔は知らないし、他の同年代の子も父親の顔は知らないだろう。男という者は時々訪れたが、大人によって大きな小屋に連れてかれた。訪れてたときにだけ男というものの素顔を見ただけで、まったく知らない。


「ヴァジュラとヴァイシャが訪れて、その時に初めて俺が男であると教えられた。だから、母親や周りに聞いた。そうしたら俺が男であると教えてくれた。だけど俺は女の子として育てられた、男っていうのが何か分からない。だから恐くなった。だから離れて、ヴァジュラ達について行ったんだ」

「なるほどー」


女の子として育てられたのに、周りは男と言う。でも男というものが何なのか知らない。大きくなったら、大人たちに訪れる男達みたいに連れてかれるのかと思ったら故郷に居られないと思った。周りが敵に見えた。


「でも、シャナンってどう見ても女の子だよね?においも女の子のものだし・・・」

「周りが俺を男というから、俺は男なんだろう。俺は男女の違いがどういうのか良く分からないけど」


正直、ヴァジュラ達について行って、口調を男であるヴァジュラみたいに真似て、世界には男がたくさん居るってことは分かったけど、同じく女もたくさんいる。姿は似た様なものだし、男には女みたいな男がいるし、その逆もいる。世界は広がったけど、男女に違いは今でもまったく分からない。


「うーん・・・まああんまり深く考えなくていいと思うけどなぁ。男女の違いって力の強さ、いやでも、亜人がいるこの世界であまり力の強さで区別はできないか。詳しい違いをいえば、保健体育の話しになるし・・・」

「保健体育?」

「な、なんでもないよ?あれだよ、男女の違いなんて今考えなくてもいいんだよ。成長しないと性差は表れないものだし」

「なんで知ってるんだ?俺がいろんな人に聞いてみてもあまり教えてくれなかったし、意味分からなかったんだけど・・・」

「だって私、前世は男だもん」

「は?」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ