第三話 正体
「ジジイ、今帰った」
暗い中華料理屋の中で優輝の声が響く
「なぁにが…ジジイじゃこのバカ孫!」
「いって!何すんだクソジジイ!」
「なんの連絡もせずどこほっつき歩いてんだ!一言は連絡せんか!」
「なんで連絡しなくちゃならねぇんだよ!」
「ワシが心配するからに決まってんじゃろうがァ!」
「知らねぇよ!この孫バカが!」
しばらく口論し落ち着いた後、一緒にお茶を飲む2人
優輝の祖父は溜息をついて優輝に話しかける
「ったく…お主は報連相をしっかり学べ」
「ほうれん草?ってジジイが客に出してる料理か?」
「違うわ!とにかく、次からどこか出かける時は連絡しろ」
「分かったよ、めんどくさいな…」
「めんどくさくて良いんじゃ、連絡はそれくらい大切だからな」
「ふーん…」
「さ、分かったらもう寝ろ。それとも飯食うか?」
「寝る」
「いつも通りか、そのうち餓死しても知らんぞ」
「餓死しないように週に1回食ってるだろ」
「毎日食え!」
優輝はその言葉を無視して2階に上がっていく
自室のベッドに寝っ転がり考え事をしながら眠ってしまった
「友達…か…」
翌日、千葉流はいつも通り学校へ登校していた
周りの目、特に女子の注目の的になっている
下駄箱にはラブレターが何通か入っていた
「凄いですね櫻井くん、今日もラブレターですか?」
クラスメイトであり、同じ生徒会の会長である雲雀が話しかけてくる
「うん…全部断るとなると申し訳ないな…というか、雲雀も貰ってたじゃん。全員断るの?」
「まぁ、そうですね。今のところは恋愛に興味は無いので」
「雲雀っぽいね、一生独り身って感じがする」
「褒めてるんですか、それ?まぁいいです。ところで白鳥さんは?」
「颯空?今日も遅刻じゃないかな?」
「またですか、まったくあの人は…」
そんな話をしているとそうあが汗をかいて現れた
息切れをしているため、走ってきたのだろうとすぐに分かる
「間に合ったァァァァァァァァァ…」
「お?珍しい。颯空遅刻せずに来た」
「え?今何時?」
「まだ予鈴も鳴っていませんよ」
「あ〜だから皆歩いてたのか、家の時計壊れてたかもな〜」
颯空は納得した顔をして荷物を鞄から出す
そして1時限目の授業の教科書を準備し始めた
「そういえば櫻井くん、今日はやけに浮かれていますが。何かあったんですか?」
「そう?何も無いけどな〜」
「会長の勘は当たるからな、最近何あったか思い出してみろよ」
「最近?新しく友達はできたけど」
「それじゃねぇか、どんなやつなんだ?名前は?」
「強くて可愛いツンデレの女の子だよ。名前は…神谷優輝って子」
「あぁ…あの人ですか…」
雲雀が優輝の名前を聞いた瞬間眉に皺が寄る
どうやら何か知っているらしい、何か問題事でもあったのかな?
「会長なんか知ってんのか?」
「知ってるも何も有名な方ですよ、彼女」
「知らなかった…あの子そんなに有名なの?」
「不良界で名前を知らない人はいない"黒猫"と呼ばれている人です。」
「え!?あの子黒猫だったの!?」
「お前知らずに友達になってたのか?」
「黒猫って噂でしか聞いたこと無かったから姿の特徴とか知らなくて…」
「私も会ったことはありますが。先生から口止めされていたので櫻井くんに言ってなかったですし、しょうがないことです。」
「雲雀って優輝と会ったことあるんだ」
「えぇ、学校の校則などはちゃんと守る良い人でしたよ。喧嘩に関しては売られたら買ってるだけらしいです」
「良い奴なのか悪い奴なのか分かんねぇ〜、でもお前らが言うくらいだから良い奴ではあるんだろうな。今度紹介してくれよ!」
「僕は良いけど優輝がなぁ…まぁ聞くだけ聞いてみるよ」
予鈴が鳴りそれに気づいた3人は各自の席につく
教師がやってきて日直が朝の号令をかける
時間は過ぎ昼休み、千葉流は1年の教室がある1階へ来ていた
女子生徒達は千葉流を見て歓声をあげる。1人の女子生徒が近づいてきた
「副会長、1年の教室に何か御用ですか?」
「あー、用って程でもないんだけど…神谷さんって今日来てる?」
「え、神谷さんってあの黒猫の…?」
生徒全員がザワつく、黒猫ってそんなに有名なんだなぁ
そう思いながらも周りを見渡していると1人の女子生徒が駆け寄ってくる
「櫻井先輩…」
「あ、颯空の幼馴染みの…」
「春風四葉です…神谷さんなら…1組にいますよ…」
「ありがとう春風さん」
「いえ…」
手を振りながら1組の教室へ向かう教室を除くと優輝が窓辺を見ていた
「ゆーうき!」
「なんか騒がしいと思ったらお前か」
「アハハ…なんかごめんね」
「目立つが別にいい…で、何の用だ?」
「あ、そうだった!一緒にお昼ご飯食べないかな?」
「別にいいけど、弁当もってねぇぞ」
「じゃあ食堂行こうか」
「食堂?そんなとこあったのか…」
千葉流は苦笑いをしながら優輝に手を差し伸べる
そして2人で食堂へと向かった
「僕の黒猫さんは今日も素直じゃない!」のご閲覧ありがとうございます
不定期とはなりますが今後の連載を予定しております
今後とも、「僕の黒猫さんは今日も素直じゃない!」をよろしくお願いします




