第一話 黒猫さん
よろしくお願いします
父は幼い頃から僕に厳しかった
テストは満点しか認めず、やりたくなかった武道も無理やりやらされた
そう、僕はいわゆる名門家だ。代々伝わる武道の名家"櫻井家"に生まれた
父と反りが合わず、逃げ出して今は一人暮らしをしている
「なぁ千葉流!今日寄り道しようぜ!」
クラスメイトの颯空が走り寄ってくる
目が輝いていて大型犬みたいだなぁ、ちょっと可愛いかも
そう思っていると小さな手が颯空の裾をを引っ張った
「ん?あ、四葉!どうした?なんかあったか?」
「今日…一緒に帰る約束…」
「やっべ忘れてた!ごめん四葉!」
「…大丈夫」
ちょっと拗ねた表情をしている、颯空と四葉は幼馴染みらしい
兄妹の会話を見てるみたいで微笑ましいな
「ごめんって!拗ねんなよぉ〜」
「先約があるみたいだし、僕はこれで」
「おう!またな〜!」
「櫻井先輩…また明日…」
そんなこんなで、二人と別れた
兄弟とか幼馴染みっていいなぁ、ちょっと憧れるかも
僕も寄り添ってくれる人とか本音を言える人に出会ってみたいな
そんなことを考えると誰かとぶつかってしまった
「あ、すみません」
「…ってぇなぁ、肩骨折しちまったよ」
「大丈夫か?兄貴」
「大丈夫じゃねぇな、病院に行かねぇと治んねぇかもな」
「えっと…失礼を承知ですが、軽くぶつかっただけでは骨折しn」
不良の腕が勢いよく壁に突く、いわゆる壁ドンをされてしまった
はぁ…穏便に済ませだったのにな、話し合いで解決できるといいけど
「はぁ?お前自分の立場分かってんのか?」
「いえ、そういう訳では無いんですけど…」
「とりあえず、治療費と慰謝料合わせて5000万。払ってもらわねぇとなぁ?」
「そんなお金もってないです…」
「じゃあ今持ってる金、全部よこせ」
こんな漫画みたいな脅しする人初めて見た…
ってそんなこと考えてる場合じゃないな…うーん、どう対処しよう
この人たち話聞く気なさそうだし、最終手段使うしかないかな
いや、それはこの人達が手を出してき手からにしよう…
生徒会副会長がそんなことをしてはいけないからね、とはいえどうしたものか
「さっきから黙りやがって、聞いてんのか?」
「兄貴、金持ってないならアレやろうぜ」
「あぁそうだな、やるかサンドバッグ」
「はぁ…お金は持ってないですし、サンドバッグになるつもりもありません」
「ア"ァ"ン?生意気言ってんじゃねえぞクソガキがよぉ!」
不良が殴りかかろうとしたその時、僕の視界の端に影が現れた
その影は走り出し、こちらに向かって高く飛ぶ
不良が気づいた時にはもう遅く、その影が不良を蹴りあげた
「…え?」
その影は、黒髪のポニーテールに緑色のインナー
そして水色の瞳をした可愛らしい容姿をした女の子だった
この女の子がさっきの不良を倒した…?頭が追いつかない…
「兄貴!?テメェ、何しやがる!」
「なんかギャーギャー騒いでうるせぇから来て見りゃ、なにダセェことしてんだよ」
「ダセェだと…!?舐めやがって…このクソアマァ!」
僕が唖然としている内にその女の子はもう1人の不良の腕を掴み投げ飛ばす
「グァッ!?」
「クッソ…ってマジかよ、お前…黒猫じゃねぇか…!?」
「ど、どうか…どうかお慈悲をォォォォォォォォォォォ!!!」
不良たちは女の子に恐怖し、逃げ出してしまった
逃げていった不良たちを女の子は見送り、ため息を着いてこちらを見る
「…お前、なんで強いのに抵抗しようとしなかった」
「え、あ、えっと…え?」
心配するとか大丈夫?って聞く訳でもなく一言がそれなんだ…?
確かにある程度の護身技は身につけてるけど…だとしてもなんで分かったんだろ?
考えていると「おい」とジト目で女の子がこちらを見ていた
「あ、ごめんなさい…えっと僕、戦うことは好きじゃなくて…」
「…そうか」
「助けてくれてありがとう、僕は櫻井千葉流だよ。君は?」
「…優輝、神谷優輝だ。」
「制服を見る限り僕と同じ高校かな?何年生?」
「1年だ…」
「へぇ、ちょっと意外かも。2年生か3年生かと思った!神谷さん、なにかお礼させて貰えないかな?」
「別にいらない。あと呼び捨てでいい」
「うーん、君が言うならそうするけど…初対面なのにいいの?」
「いいんだよ、さん付けとかなんかむず痒いし」
「そっかぁ、でもお礼はしたいかな。連絡先交換しない?」
そう言うと、優輝は警戒した目つきになる
嫌がってるのかな?女の子にこういうことは無粋だったかな…
そう思っていたら何を思ったのか、優輝はスマホを取り出す
「え?良いの?」
「お前が先に行ってきたんだろうが」
「警戒しちゃったから嫌なのかと…」
「別に嫌がってねぇよ、ただお前が何か企んでないか様子を見ただけだ」
「なるほど、そういうことね。じゃあ改めて、これからよろしくね。優輝」
千葉流は優輝に手を差し伸べる、優輝はしばらくその手を見つめる
そして優輝はやっと千葉流の手を取り、軽く握る
「初めてだ…お前みたいな普通に俺に話しかけてくるヤツ…」
「そう?」
「そうだよ、お前みたいなやつ普通はいない。変な奴」
「アハハ…」
「まぁ、でも…悪くない…」
ツンデレってやつかな?猫みたいで可愛いなぁ、妹ができたみたい
「あ、今日用事があるんだった!お礼はまた今度でも大丈夫?」
「俺は別にいい、用事があるならさっさと行け」
「冷たいなぁ…まぁいいや、じゃあね優輝」
「おう…」
そうして千葉流と優輝は連絡先を交換し、後日改めて会うことになった
「僕の黒猫さんは今日も素直じゃない!」のご閲覧ありがとうございます
不定期とはなりますが今後の連載を予定しております
初めて小説を書いた為、誤字やよく分からないシーンがあると思います
その時は誤字報告等で教えてくださると幸いです、暖かい目で見守ってください
今後とも、「僕の黒猫さんは今日も素直じゃない!」をよろしくお願いします




