第3話「八人の許婚」
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「というわけで、一人で勝手にギャラスと戦闘を始めたマサトにお仕置きタイムっちゃ!」
場所は変わってここは俺達が住む屋敷。
戸ノ上山の麓の川沿いに建てられたその屋敷は、ビランテ災害の時に被害を受けた土地を俺達の両親達が買い取った場所で、野球が出来るくらいに広い庭があって、その中に屋敷の隣を流れる川から引き込んだ水で作られた池、さらにはその池を眺めるような形で作られた露天風呂まであるというだけでも常識外れなのだが、屋敷もかなり大きく、よく漫画やアニメなんかに出て来るお貴族様の屋敷を思い浮かべて貰うといい。
そんなとんでも屋敷に、【魔法戦姫マジピュリー部隊】の十人全員が住んでいる。
この土地と屋敷を購入した俺達の両親達は、元々“ダブルナイン”で魔法師として働いていたり、それこそ先代の【マジピュリー部隊】のメンバーだったりでかなりのお金を稼いでいて、俺達だけのためにこの土地と屋敷を購入し、自分達は世界各地の〈魔界〉となった土地の近くに居を移し、その周辺地域に住む人々の安全を守るために戦ったり、〈魔界〉に住む魔人達との交渉などを行ったりしている。
で、そんな広い屋敷には個室は勿論、大人数で集まれる部屋もいくつかあり、さらには全員で入っても余るくらいの広さの大浴場まである。
その大浴場にて、水着に着替えさせられた俺は、同じく水着に着替えた妹と幼馴染四人に囲まれていた。
この場にいるのは、俺以外には赤いビキニ姿のユウト、桃色のビキニ姿のマミ、白いフリルの付いたワンピース水着のマリ、黒いビキニ姿のマチ、そして青のビキニと腰にパレオを巻いたフレンダだ。
皆巨乳なだけあってビキニから零れんばかりに溢れ出るおっぱいが眩しい…!
唯一ワンピース水着のマリにしても、水着の可愛らしさとはアンバランスに胸元の布地を押し上げるおっぱいの大きさからは色気を感じ、独特の魅力を醸し出していた。
「お、お仕置きって…、水着で大浴場に集まって何するつもりなん…?」
俺が尋ねると、発起人であるユウトが赤いビキニから零れ落ちそうな程に大きなおっぱいをぶるん!と揺らしながらこう答えた。
「水着で風呂場に集まって男女がすることと言えば決まっとっちゃろ!ズバリ!我慢対決っちゃ!!」
「我慢対決…?」
俺が疑問符を浮かべていると、俺の背中にその豊満なおっぱいを押し付けながらマミが答えた。
「そう♥私達のおっぱい天国にどんだけマサトが耐えられるか、って言うね♥」
「ふぉおお…っ!?」
ぽにょん♪と俺の背中に沈み込むマミのおっぱいに、俺の股間は早くも臨戦態勢となる。
「あははは!マサトってば、もう大っきくしてんじゃん!まだ対決始まってもないのに!」
俺の股間を指差しながら笑い声をあげるフレンダ。
「そ、そんなんしゃーねぇっちゃろ!?お前らのおっぱいに耐えられる男なんてこの世に存在するわけねぇんやから!!」
「うふふ♪そう言ってくれるんは嬉しいけど、私達がこんなことするんはマサト君に対してだけやけんね?」
そう言いながら今度はマリが俺の正面から抱きついてきた。
「くぉおお…っ!?ま、マリ!?」
背中に伝わるのと同じ感触のおっぱいが今度は正面から押し寄せてきて、俺はおっぱいとおっぱいに挟まれることになる…!
「マリの言う通りっちゃん。私達のおっぱいはマサトだけの物♥そして、マサトは私だけの旦那様♥」
マミの甘い言葉が耳元で紡がれ、俺は全身に電気が走ったような感覚に背中をびくびくとさせた。
現在の日本では重婚が許されている。
それは超少子化の影響で人口が激減した上に、初期の科学兵器で魔人達と戦っていた際は主に男子が戦場に出て行き、そして戦場で散っていったために、男子の数が女子の数に比べて激減していた。
それ故の重婚制度、一夫多妻を積極的に認める制度である。
所謂ハーレムというやつで、十人以上のハーレムを抱える男性も世の中にはいるそうだが、その場合の多くは魔法師としての優秀な血統目当てだったり、資産家としての金目当てだったりがほとんどだ。
そして俺の場合も、黒霧家という優秀な魔法師としての血統(残念ながら俺自身は魔法師では無いが…)とその保有資産(黒霧家は魔法師の仕事とは関係無く、祖父の代からかなりの資産家だった)という後ろ盾があって、すでに八人の許婚がいる。
つまりは現在の【マジピュリー部隊】に所属している妹以外の女子八人がその許婚というわけだが、その中でも特にここにいる四人の幼馴染達、マミとマリとユウトとフレンダは何故か俺にガチ恋している。
それ故に、時折こんな風に俺に対して(マチも一緒になって)性的なちょっかいをかけてくる。
幸いというべきか、現時点では俺達はまだ準成人なので、直接的な行為まではされていないが、しかしある意味でそれは生殺しとも言えるわけで…
「あーもう!さっきからズリぃっちゃんっ!!オレだってマサトにおっぱい触ってもらいたいっちゃけんっ!!」
「おっと、ボクのおっぱいだって忘れないでよね〜♪」
俺の右腕をユウトのおっぱいが、左腕をフレンダのおっぱいが挟み込んでくる。
「ちょっ…、まっ、待ってくれ!?これ、我慢対決って勝敗はどうやって決めると!?」
前後左右をおっぱいに囲まれた俺はもうすでに我慢の限界なわけだが、どうすれば俺の負けになるんだ!?
「そんなの、お兄ちゃんが射精したら負けに決まっとーやん♪」
トドメとばかりにマチがそのおっぱいで俺の顔を挟み込んでくる。
「むぐぅっ!?!?」
実の妹とはいえ、おっぱいはおっぱい!
その気持ち良さに俺の股間のダムは決壊してしまうのだった…
*
その後も、たっぷりとおっぱいによる罰ゲームを受けた俺は、皆に囲まれながら広い湯船に浸かっていた。
その際も、本来はマナー違反ではあるが皆水着を着用したまま入っている。
男女の裸同士の付き合いは成人してから、という部分だけは皆徹底しているのだ。
「にしても、なんで一人でギャラス三体も相手に戦おうとしたと?」
湯船で落ち着いたところでマミがそう口にした。
「そうっちゃん!いくら下級クラスの魔獣であるギャラスやからって、魔法師やないマサト君が一人で三体も同時に相手にするのは無謀過ぎるっちゃ!」
マミの双子の妹であるマリもかなりの剣幕(だが怒った顔もまた天使級にカワイイ!)でそう続けた。
「いや…、あの場に偶然居合わせたけん、皆が来るまでは時間を稼がんとって思ったっちゃん、本当に申し訳無い…」
俺は幼馴染達に心配をかけた申し訳無さから、素直に謝罪した。
「確かに無茶したことは許せんっちゃけど、マサトのそういう所、オレは好きだぜ!」
「曲がりなりにもボク達が惚れた男だからね〜、マサトは♪」
ユウトとフレンダにそう言われて、俺は少し複雑な思いで苦笑いを浮かべた。
そんな俺の表情を見て、双子の妹のマチがため息をつきながらこう言った。
「どうせお兄ちゃんのことやから、少しでも魔法少女に相応しい男になろうとして無茶したっちゃろ?」
「ギクッ!?」
「…どうやら図星みたいやね」
「な〜に〜?まーだそんなこと気にしとったとー?」
「そんな無茶せんでもマサト君は私達に相応しい男の子なんやから!」
「そうっちゃん!つーか、それでマサトに万が一のことがあったりしたら、オレら一生未亡人になるんやけんな?」
「ボクらまだ結婚してないから厳密には未亡人ではないけどねー」
そんな風に言ってくれる幼馴染の魔法少女達。
そう、彼女達は俺の遺伝子が目当てではなく、本気で俺の事を想ってくれていて、許婚という立場を心の底から受け入れてくれている。
だからこそ逆に、無力な俺は申し訳無く思い、なんとか彼女達の役に立ちたいと日頃から思っており、今回もその思いから少し無茶をしてしまった。
「マサトはそんなこと気にせんでいいっちゃん!」
「そうっちゃ!オレらにとってマサトはいてくれるだけで心強いんやから!」
「ユウちゃんの言う通り、マサト君がおるけん、私達は頑張れるとよ?」
「ボク達、マサトとエッチするまでは死ねないからねー」
「エ…ッ!?ちょちょ、フレンダ、おまっ、」
「あははは!確かにフレちゃんの言う通りっちゃ!私達はマサトとエッチしてマサトの子供を産むために、絶対に帰って来んといけんって思って毎回戦っとーけんね!」
「ま…、マミちゃんまで…っ!そんなエッチとか…!」
「フレちゃんもマミちゃんも露骨過ぎ。でも私だってお兄ちゃんの妹として、お兄ちゃんには危ないことしてもらいたくないっちゃん。勿論、私も無茶はせんって約束するけん、お兄ちゃんも約束してね?」
「ああ…、分かったよ」
俺がいるから皆が無茶せずに、無事に生きて帰って来ることを目標に戦えている。
そういうことならば、俺が無茶して取り返しの付かないことになってしまうのは本末転倒とも言える。
そう頭では理解していても、感情的にはなかなか納得出来ずにいると、突然俺の目の前がマミのおっぱいで覆われた。
「むぎゅぅ!?」
「もー!硬くなり過ぎっ!硬くするんはおチ◯ポだけで十分っちゃ!」
「おやおやー?さっきあんだけボク達のおっぱいで発散したのに、まだ出したりなかったー?」
「あー!もう、マミちゃんもフレちゃんも!これ以上やっちゃうとマサト君、干からびちゃうよ!?」
「いいじゃねぇか!変なことは考えず、オレ達のおっぱいだけ考えて楽になれるようしちゃろーぜ!」
「はぁ…、本当お兄ちゃんモテモテやねー、羨ましいくらい」
「むっ…、むぎゅうううっ!?」
こうして俺は再びたくさんのおっぱいに囲まれて気持ち良くも苦しい地獄を味わうのだった……
*
大浴場で散々な目に遭った後、幼馴染達を大浴場に残して、一足早く大浴場を後にした俺はリビングへと向かった。
このリビングは十人全員が集まって過ごしてもなお余裕がある程の広さがある。
部屋の中央には大きなテーブルとそのテーブル周りに三人掛けソファが一つと二人掛けソファが二つんでいて、それとは別に壁際に四人掛けのソファが四つ程並び、一番奥の壁には大画面のテレビがはめ込まれている。
「お、マサトはんおかえり〜♪
どやった?幼馴染達のおっぱいは気持ち良かったか〜?…って、そのヘロヘロの顔見れば聞くまでもないか」
リビングに入るや否や、テーブルの前にある三人掛けソファに座っていたサキにそう話しかけられた。
「あははは…、それはまぁ…、」
「もうサキちゃんってば、マサト君困っとーやん?ねぇ、マサト君?」
サキの問にどう答えたらいいか迷っていると、サキの隣に座っていたレンカが助け舟を出してくれた。
サキとレンカの二人は幼馴染だが、俺達とは〈ダブルナイン〉に入ってから知り合った。
親同士は同じ〈ダブルナイン〉所属の魔法師として昔からの知り合い同士だったらしく、その関係から俺達は出会う前から許婚の関係は決められていた。
「んな今頃困ることなんてあらへんやん?ウチらの仲なんやし、マサトはんがおっぱい好きなんと同じくらいマミはん達がマサトはんのこと好きなんも周知の事実やないか」
「そ…、それはそうやろーけど、そんな急に皆のおっぱいが気持ち良かったかって聞かれても答えに困るやんねぇ、マサト君?」
「まぁ、確かにその通りやけど…」
「ま、ま!とりあえずここに座りーや!幼馴染達と何してたんか詳しい話聞かせてもらおうやないの!」
そう言いながら、サキがソファの端により、俺をサキとレンカの間の席に手招きするので、俺は断るのも失礼かと思いそこに座った。
と、それとほぼ同じタイミングで、リビングに残りの二人、メイド服を着たユイとユウキが両手に飲み物の入ったコップを持って入って来た。
「あっ!!マサトさん戻って来てたんですね!!」
「ち…っ!」
常に語尾に「!」が二つは付いていそうな程に元気なのがユイで、俺に対して舌打ちをしたのがユウキだ。
ユウキとは〈ダブルナイン〉に入ってから知り合ったメンバーで、サキ達と同様に親同士の繋がりで出会う前から許婚の関係にあった。
ユイに関してはまた特殊な事情から同じ家で兄妹のように育った間柄で、その関係から許婚となったのだが、その話はまたいずれ。
ユイがテーブルに飲み物を並べながらこう言った。
「マサトさんの分の飲み物も用意しますけど、何飲みたいですか!?」
こういう仕事は本来メイドの仕事なのだが、世話好きなユイは時々こうしてメイドの仕事を率先してやってくれる。
メイド服に関しては完全に趣味で、所謂コスプレだ。
…にしても、ユイのバストサイズは99で、メイド服のサイズが合っていないのか元々そういうデザインなのか、胸元が大きく開いていて大層エロい…!
思わずユイの胸元に視線が言ってしまいそうになるのを必死に堪えながら、こう答えた。
「あ…、ああ!いや俺はいいよ、今はそこまで喉乾いてないし」
「そっか、ならさっさと自分の部屋に帰れ」
ユイと同じようにメイド服を着たユウキは俺のことが嫌いらしくてそんな風につっけんどんな態度をみせる。
「相変わらずやなユウキはんは〜…
そないにマサトはんのこと嫌わんでもええやろに」
「そうですよ!!マサトさんカッコいいじゃないですか!!」
一方のユイは、俺の幼馴染達程ではないが俺に好意的な態度をみせてくれている。
「コイツがカッコいい?ユイ、お前眼科か脳神経外科に行った方がいいぞ?」
これに関してはユウキに賛成だ。
正直、俺は俺自身のことをそこまでカッコいいとは思っていない、むしろ声も少しボーイソプラノ寄りで、アニメなら女性声優が演じる少年声といった感じの、とても男らしいとは言えないタイプの男子だ。
むしろカッコいいと言うなら目の前のユウキの方だろう。
シュッとした顔立ちに腰まで伸びたロングヘア、そしてバストサイズ100というグラマラスボディでありながら、男勝りなサッパリとした性格と口調から主に女性からモテているそうだ。
そして、そんなユウキのメイド服もその胸元は中身が見えてしまいそうな程に大きく開いている。
「つーかこっち見んなよ、マサト!アタイの胸を見ていいのはユウトだけだっ!!」
俺の視線に気付いたユウキが、ゴミ親の仇を見るような目で俺を睨みつけながら、胸元を隠した。
そう、ユウキは俺のことが嫌いな代わりに、俺の幼馴染で再従兄妹であるユウトのことが好きなのだ。
なので、このメイド服もユウトに見せて自身をアピールするためにわざわざ着たものだろう。
男子の数が減ったことで一夫多妻が認められているのと同様に、女性同士の同性婚も(積極的に推奨はされていないが)認められており、女性同士でも子供を作れる技術もある程度確立されてきてはいるが、コスト的な問題から一般に普及するにはまだ程遠い段階だ。
だから、ユウキとしてはユウトと結婚したいが、ユウトの方は俺のハーレムに入る気満々なので、ユウキはユウトと一緒にいるために渋々俺の許婚という立場を受け入れている、という感じだ。
まぁ、ハーレムだからと言ってお互いに愛し合っているパターンの方が稀なため、別にユウキから嫌われていようが俺は構わない。
ただ多少傷付きはするが、だって男の子だもん……
「ちなみに、ウチはマサトはんのことそこそこ好きやで♪」
「わたしもマサト君のこと、そんなに嫌いやないとよ?」
「あたしも好きですよ!!マサトさんのこと!!」
「はは…、ありがとな、サキ、レンカ、それにユイも」
「つーか、血統と金だけが取り柄の弱ぇ男のクセに、なんでそんなにモテてんだよ!?」
「それは俺が聞きてぇよ!」
俺自身、何故幼馴染達を筆頭にユイやレンカ達からモテているのか(サキに関しては何処までが本気で何処からが冗談なのかが分かりにくいが…)分かっていない。
余程前世で徳を積んだ結果なのかもしれない。
「ちくしょう、お前さえいなけりゃ今頃アタイはユウトと…っ!」
「まぁまぁユウキさん、落ち着いて下さいっ!!マサトさんは優しい人ですから、きっとユウキさんもマサトさんのこと好きになれると思いますよっ!!」
「正しく優しい人と書いて優人はんやしな!」
「どうだかな。まぁ…、優しい男だってのは認めるが、それで惚れるかどうかはまた別問題だ。つーか、アタイはユウト一筋、」
そんな話をしていると、大浴場からあがったばかりのユウト達がリビングに入って来た。
「ふぃ〜、いい湯だったな〜」
「ユウトってばジジ臭いよ?」
「せめてババ臭いって言え」
「ユウトーっ!!」
ユウトの姿を認めるや否や、ユウキはユウトの元へとすっ飛んで行った。
「ユウト!どうだ?アタイのメイド服!!カワイイだろ!?」
「おおっ!ユウキのメイド姿めっちゃエロカワイイやんっ!!」
「へへ♥ユウトにエロカワイイって言われちゃった♥」
ユウトの前では乙女な可愛らしさを見せるユウキ。
「おー!イイね!ボクが男だったら間違いなくユウキのこと食べちゃってるYO!」
「やっば!!ユウキちゃんマジカワじゃんっ!!ヤバタニエーン!」
「マミちゃんなんで急にギャル語!?」
満面の笑みを浮かべて喜んでいるユウキには、フレンダ達の言葉が聞こえていないらしく、ずっとユウトの前でもじもじしている。
「ユウキちゃんのユウちゃん愛は相変わらずやね…」
俺の背後にやって来たマチがぼそっと呟く。
「お兄ちゃんも色々と大変やね〜」
「別に…、ユウキに関してはユウキの好きにしていいし、他の皆に関しても許婚ってのはあくまで親が決めたもんやし、俺以外に好きな人が現れたんなら、遠慮なくその人の元に行ってくれて構わないと思っとーよ」
「そんなこと言って、内心じゃおっぱいハーレムを手放したくないって思っとっちゃろ?」
「うぐ…っ!?」
マチの言う通り、おっぱい大好きな俺にとって、八人の許婚達は皆俺にとっての理想的なおっぱいハーレムで、出来ればこのおっぱいハーレムを失いたくはない…!
だけど、優秀な魔法師である両親や妹のマチとは違って、魔法師ですらない血筋と親の稼いだ金以外の何の取り柄も無い俺には、果たして彼女達を娶るだけの資格が有ると言えるのか?
そう思う自分がいるのも事実で、俺がマチに言った言葉も強がりなんかではなく本音であることも間違いない。
「そんな難しいこと考えんでいいっちゃん。マミちゃん達がお兄ちゃんのことを好いとーのは事実なんやし、お兄ちゃんから手放さん限りマミちゃん達がお兄ちゃんからはなれることはないと思うよ?
まぁ、サキちゃんに関してはよー分からんとこはあるけど……」
「ああ…、やっぱマチからしてもサキのことはよー分からんっちゃな…」
「ん?何や何や?兄妹してウチの悪口でも言っとるんか?」
「「いや、何も言っとらんよ?」」
「さよか?ならええけど」
とまぁ、これが俺達十人の関係性である。




