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絆合体!マジピュリー戦記〜魔法騎士な俺と魔法少女な幼馴染達との絆で繋がるハーレム英雄譚〜  作者: 藤本零二
第一章〜魔法少女と魔法騎士〜

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第10話「奇襲」


 福岡市の方で負傷したマサトが治療を受けていた頃、〈ダブルナイン〉の本部がある北九州市門司(もじ)区の大里(だいり)桃山町(ももやまちょう)では事件が起きていた。



『北九州市門司(もじ)大里(だいり)桃山町(ももやまちょう)地区に〈魔界軍〉のキメラ魔人兵団の魔人達が多数出現っ!!【魔法戦姫(まほうせんき)マジピュリー部隊】、出動願いますっ!!』



 普段は人通りの比較的少ない、山を中心とした自然溢れる町並みが地獄絵図と化していた。



『ケケケケケケーーッ!!』


『キキィーッ!!キキィーーッ!!』


『グケゲゲケケケゲゲッ!!』



 見た目に統一感の無いキメラ魔人達が街路樹や周囲の建物などを手当たり次第に破壊しながら侵攻してくる。



「なっ!?まさか撤退したばかりのこのタイミングで…っ!?」



 報告を受けた緑川瑠璃(るり)は、一瞬どうすべきか悩んだ。

 魔法少女(マジピュリー)達はつい数時間前に【クラリス団】の【幹部】達を相手に手痛い敗北を喫して帰還したばかりだ。

 傷は大方癒えたとはいえ、仲間であり幼馴染でもある五人の守護騎士(ガーディアン)達を失った心の傷はまだ癒えているとは到底言えない状態だ。


 そんな状況で、彼女達に出動を命じていいものなのだろうか…?

 今ここで魔法少女(マジピュリー)達まで失ってしまうような最悪の事態になってしまったら福岡の平和は……、



「オレ達は大丈夫だ、瑠璃(るり)姐さん!」



 瑠璃(るり)逡巡(しゅんじゅん)していると、マジピュリーレッドに変身し、すでに待機していたユウトがそう声をかけた。

 そんなレッドの背後には、同じように変身して待機していたマジピュリーホワイト、マジピュリーピンク、マジピュリーブルー、マジピュリーブラックがいた。

 彼女達の表情からは、覚悟を決めた強い意志を感じられた。



「レッド…、だけど……、いえ、分かりました」



 瑠璃(るり)は言いかけた言葉を飲み込み、【魔法戦姫(まほうせんき)マジピュリー部隊】の隊長として、彼女達に命令を下した。



「【マジピュリー部隊】出動して下さいっ!目標はキメラ魔人兵団の鎮圧!その手段は問いません!皆さん、全力で事に当たって下さいっ!!」


「「「「「了解っ!!」」」」」



 瑠璃(るり)の命令を受けた魔法少女(マジピュリー)達五人は、町中で暴れるキメラ魔人兵団達を鎮圧すべく、現場へと向かうのだった。





 手当てを終えたばかりで、未だ本調子とは言えない状態の魔法少女(マジピュリー)達ではあったが、これまでとは気迫が全く違った。



「おりゃぁあああああっ!!『ファイアパンチ』っ!!」


『グギャアァアアアアアアアッ!?!?』



 レッドの一撃をくらったガマカエルのような見た目をしたキメラ魔人は、後方にいた数体のキメラ魔人を巻き込みながら吹き飛ばされていく。



「おらぁっ!次っ!!」



 鬼気迫る表情のレッドに、先程の攻撃に巻き込まれなかったキメラ魔人達は一瞬恐怖の表情を浮かべるも、魔法少女(マジピュリー)を捕らえた際に出る褒美に釣られ、無謀にも突っ込んで行く。



 そんなキメラ魔人達をレッドがたった一人で次々に返り討ちにしていく一方で、ブルーとブラックはコンビで戦っていた。



「『アクアウィップ』っ!!」


『グギャギャッ!?』


『グォオオッ!?』



 ブルーが両手で操る水の鞭で、狼頭のキメラ魔人と、下半身が馬のような四本脚(いわゆるミノタウロスのような見た目)のキメラ魔人の動きを封じると、ブルーの後方にて銃型のマギアデバイスを構えたブラックが右目に装着された照準器(スコープ)を覗き込みながら、マギアデバイスのトリガーを引いた。



「『サンダーショット』っ!!」



 マギアデバイスの銃口から放たれた『サンダーショット』は、途中で二つに分かれ、その後ブルーの『アクアウィップ』に捕縛されていた二人のキメラ魔人の頭部に直撃し、二人の魔人は気絶した。


 ブラックはマギアデバイスと任意で装着した照準器(スコープ)により、同時に複数の敵に狙いをつけ、一発の魔法で複数の敵を攻撃することが可能だ。

 ただし、一発の時よりも与える威力は落ちるが、元々マギアデバイスを通すことで一発の魔法の威力が上がっているため、二分割程度ならば普通に魔法を放つのと同じ程度の威力なので、複数の敵を同時に相手にする場合には、このモードの方が効率は増すというわけだ。



「ナイス!ブラック!」


「油断しないで!次来るよ、ブルー!」


「オッケー!『アクアウィップ』っ!!」



 ブルーは『飛行』魔法で空を舞うように飛びながら水の鞭をまるで新体操のリボンのごとく操りながら、次々に襲い来るキメラ魔人達を捕らえては、ブラックが確実に狙い撃って戦闘不能にしていく。

 相手が戦闘能力に特化した分知性がほとんど失われ、ほぼ本能のみで動くよう改造されたキメラ魔人達だからこそ、綺麗にハマった二人のコンビネーション攻撃だ。



 そして、コンビネーション攻撃という意味ではまさに一心同体の攻防を繰り広げているのが、双子の姉妹であるホワイトとピンクだ。

 二人は杖型のマギアデバイスを右手に持ち、背中合わせになって襲い来るキメラ魔人達を迎え撃っていた。



「『サンダーショット』!」


「『ファイアアロー』!」



 近付く敵に、確実に一撃を当てながら、互いの死角をカバーし合う。

 またそれだけではなく、



『ガメガメーッ!!』


「っ!」



 ピンクの目の前に亀のような見た目で、全身をヌルヌルとした粘液で覆ったキメラ魔人が現れた時、ピンクは咄嗟にホワイトの背中を左肘でトン!と優しく叩く。

 その合図で理解したホワイトはピンクが回転するのに合わせて、即座に回転し、前後を入れ替わった。

 そうすることで、亀のようなキメラ魔人と向き合うことになったホワイトは、亀のキバが届く前に魔法を放った。



「『サンダーアロー』っ!」


『ガメガメーッシュ!?』



 全身を粘液で覆ったそのキメラ魔人には、炎の魔法は効き辛いが雷の魔法は効果抜群だった。

 故に、炎の魔法を扱うピンクは雷の魔法を扱うホワイトに場所を入れ替えるよう合図を出し、それを受けたホワイトはピンクの動きに合わせて流れるように位置を入れ替わったのだ。

 まさに双子姉妹だからこそのコンビネーション、最低限の合図で互いの考えが分かる、まさに阿吽(あうん)の呼吸。



「やぁあああああっ!!」


「はぁあああああっ!!」



 魔法少女(マジピュリー)達の気合の入った攻撃に、数十体いたキメラ魔人兵達は次々とその数を減らしていった。



「おらぁああああっ!!いるんだろ、ゲドリアーナっ!!こそこそ隠れてねぇで出て来いっ!!」



 レッドが目の前のキメラ魔人を殴り飛ばしながら、彼らのボスである【幹部】魔人、ゲドリアーナの名を叫ぶ。



『ウヒョヒョヒョヒョヒョッ!!』



 すると、キメラ魔人達の集団のいる遥か後方から不気味な笑い声が響いてくる。



『そんなにオレっちに会いたいなんて光栄だぜぇ、マジピュリーレッドッ!!そんなにオレっちのおっぱい奴隷になりたかったのかー!?』



 青い(うろこ)のような皮膚で覆われた鬼のような見た目のキメラ魔人ゲドリアーナが、二人のキメラ魔人に守られるようにしてその姿を現した。



「誰がてめぇなんかの…っ!!ユウキを返しやがれっ!!」



 襲い来るキメラ魔人を右足で蹴り飛ばしたレッドは、その勢いで空高く飛び上がり、右手に炎の魔力を(まと)わせながらゲドリアーナに向かって攻撃しようとしたが、



『おっと!そう焦るなって!』



 ゲドリアーナは背後に隠していた少女を引きずり出し、自身の目の前に突き出した。



「うぐっ!?」


「なっ!?ユウキっ!?」



 ゲドリアーナが目の前に突き出した少女の姿を見て、レッドは攻撃を止め、空中で動きを止めた。

 その少女、ユウキは一糸(まと)わぬ姿で後ろ手に拘束されているだけでなく、胸を強調するように全身に縄が巻かれ、股間を隠すように一本の縄が通されていた。



「ユウキ…、その姿は…っ!?」



 だが、レッドがユウキの姿に驚いたのはその(あや)しい縄化粧だけでなく、彼女の頭から生えた獣の耳とお尻から生えた尻尾、そして両腕の肘から先と両足の膝から下を覆う獣皮だった。



『ウヒョヒョヒョッ!!どうだ、カワイイだろう?このおっぱい奴隷ちゃんはオレっちの好みに合わせて狼獣人(ウルフェン)のキメラ人間に改造したんだッ!!最高に似合ってるだろう!?』



 ゲドリアーナは自慢気に笑いながら、ユウキの背後からユウキの胸を両手で強く()みしだいた。



「んん…っ♥あはぁんっ♥♥」


「てめぇ…っ!!ユウキから離れろっ!!」



 目の前で大切な幼馴染を汚されるのを見せられたレッドが怒りの声を上げるが、ゲドリアーナはどこ吹く風とばかりに、ユウキの両胸をさらに激しく()みしだき、ねっちょりとした口調でこう続ける。



『ウヒョヒョヒョヒョ、ソイツは無理な話だ。もうコイツはオレっちのおっぱい奴隷(モノ)だ、コイツのおっぱいをどうしようがオレっちの勝手だ』


「ん…っ♥んんぅ…っ♥あんっ♥」


「この…っ、クソ野郎がぁああああっ!!」



 レッドは今にもゲドリアーナを殴り飛ばしてやりたかったが、ユウキを盾にされているせいで迂闊に攻撃出来ず、ギリギリと歯を食いしばるしかなかった。



『イヒヒヒヒッ!!な〜に、レッドもオレっちのおっぱい奴隷になっちまえば、コイツと一緒に可愛がってやるから、安心しなって!』


「だっ、誰がっ、」


『まぁ、レッドがオレっちのおっぱい奴隷(モノ)になりたくないってんなら無理強いはしないさ、その代わりに…、』



 ゲドリアーナがパチンッ!と指を鳴らすと、ゲドリアーナの背後の地面からボコボコボコッ!と太い四本の触手が生えてきた。

 その四本の触手には、レッド以外の四人の魔法少女(マジピュリー)が捕らえられていたのだ。



「なっ!?皆っ、いつの間に…っ!?」


『イヒヒヒヒヒッ!!オレっちにはありとあらゆる魔獣や獣人達の細胞が組み込まれている!そのおかげで、ソイツらが持ってた色んな特殊能力を持っているんだが、コレもその一つでね、おっぱいちゃん達を確実に捕らえるのに非常に役立つ能力なんだなぁ、これがッ!!』



 ゲドリアーナの特殊能力の一つに、少女を発情させ、動きを鈍らせる媚薬を体内で生成するというものがある。

 ゲドリアーナはその媚薬を気体状にして周囲一帯に少しずつ散布していたのだ。

 そうとは知らず媚薬の混じった空気を吸い続けていた魔法少女(マジピュリー)達は、徐々に媚薬の効果で動きが麻痺していき、とうとうゲドリアーナの触手に捕らわれてしまっていたのだ。



「うぅ…っ」


「はぁ…、はぁ…、はぁ…」


「んん…っ」


「こ…、のぉ…っ、はぁ…、はぁ…」



 触手に捕らわれた四人は身体をひねったりして必死に抵抗しようとするが、そうする度に発情した身体の敏感な部分が触手に触れ、余計に自らを苦しめる結果となってしまっていた。



「てめぇ…っ、皆を離…、あぐ…っ!?」



 四人を助けようとしたレッドだが、彼女にもまたゲドリアーナの媚薬の効果が現れ、『飛行』魔法を維持出来なくなったレッドはふらふらと地面に落ちていった。



『ウヒョヒョヒョヒョヒョッ!!あれだけ威勢の良かったレッドも、(メス)である以上はオレっちの媚薬の前には無力ってわけだッ!!』



 ゲドリアーナは両手で掴んだユウキの両胸から手を離すことなく、下卑(げび)た笑みを浮かべながらレッドに最後通牒を出した。



『さぁ、レッドッ!選ばせてやるッ!この四人を助けたければ、お前自らの意思でオレっちのおっぱい奴隷になることを誓えッ!誓わなければ、魔法少女(マジピュリー)全員がオレっちのおっぱい奴隷だッ!!』



 仲間を助けて自らの意思でゲドリアーナの奴隷となるか、仲間共々ゲドリアーナの奴隷となるか、レッドにとってはどちらも屈辱の選択肢でしかなかったが、考えるまでもなかった。



「わ…、分かった。オレがアンタの奴隷になってやる…、だから、皆は離してくれ…っ!!」


『ウヒョヒョヒョヒョヒョッ!!だったら!変身を解いてオレっちの前で服を脱いでもらおうかぁ!?』


「く…っ、そ、その前に皆を離してくれ!」


『皆を離すのはお前がオレっちに忠誠を誓い、正式なおっぱい奴隷となってからだ。逆らうなら、』


「わ、分かった!服脱げばいいっちゃろ!?」



 レッドは言われるがままに変身を解除し、着ていた変身前の私服をゆっくりと脱いでいった。



「れ、レッド…っ!あぁんっ♥」


「はぁ…、はぁ…、レッド…っ!んんっ♥」



 目の前で全裸になっていくユウトの姿を見ながら、ユウキや四人の魔法少女(マジピュリー)達はなんとか止めさせようともがくが、無駄な抵抗でしかなかった。

 今やこの場の支配権は完全にゲドリアーナのものであり、ゲドリアーナに逆らえば、この場にいる全員が問答無用でゲドリアーナの奴隷とさせられることだろう。

 ゲドリアーナもそれが分かっているからこそ、あえて屈辱的なやり方でユウト(レッド)を我が物とし、そして残った魔法少女(マジピュリー)達もまた自らのモノにしようと考えていた。



(ウヒョヒョヒョッ!!これだけのおっぱい奴隷が手に入れば、オレっちはもう【クラリス団】にいる理由も無い!〈魔界軍〉を引退して、おっぱい奴隷ちゃん達のおっぱいに囲まれて幸せおっぱいな余生を送るんだいッ!!)



 出世や名声などより、自らの欲望に素直なゲドリアーナがそのように考えている前で、ユウトは最後に着ていた布、パンツを脱ぎ終えると、右手で胸を、左手で股間を隠しながら真っ直ぐに立ち上がった。



「ほら!脱いでやったぞ!!これで満足か!?」


『イヒヒヒヒッ!!いいぞぉッ!!実に素晴らしいッ!!ではそのままオレっちへの忠誠の儀を行ってもらおうか!』


「な…、何をすればいいんだ?」


『まずは全裸土下座をして「オレっちのおっぱい奴隷にさせて下さい」と懇願し、その後でオレっちの()()()()に忠誠のキスをしてもらう!』



 そう言いながらゲドリアーナは自分自身の大きく膨れ上がった男の象徴を指差した。

 それを見て、何をすべきか理解したユウトは顔を真っ赤にしながら大声をあげた。



「な…っ!?そ、そんなことっ!!」


『出来ないなら、この四人を無理矢理犯しおっぱい奴隷にした後で、お前も同じように無理矢理犯すだけだ。オレっちとしてはどっちでもいいんだけどな?イヒヒヒヒッ!』


「く…っ!!」



 ユウトは、歯を食いしばり目から涙を(こぼ)しながら地面に(ひざまず)き土下座をして、屈辱的な口上を述べた。



「げ…、ゲドリアーナ様、オ…、わ、私を、ゲドリアーナ様の…、奴隷に、」


『ただの奴隷でなくおっぱい奴隷だ!お前の価値はまさにそのおっぱいにこそあるのだから、おっぱいを使った奉仕をするためのおっぱい奴隷として可愛がってやると言っているのだ!』


「くぅ…っ!?お…、おっぱい奴隷に…、して下さい…っ」


『ウヒョヒョヒョヒョヒョッ!!おっぱいちゃんにそこまで言われちゃ、オレっちとしては断る理由は無いよなぁッ!!よし!マジピュリーレッド!お前もオレっちのおっぱい奴隷第2号として可愛がってやるッ!!』


「あ…、ありがとう、ございます…っ」



 必死にその屈辱的な仕打ちに耐えるユウトの元に、ゲドリアーナは抱いていたユウキを隣のキメラ魔人に預けてから近付いていく。



『イヒヒヒヒッ!!では、忠誠の証をオレっちに示してもらおうかッ!』



 ゲドリアーナは全裸土下座を続けるユウトを見下ろしながら、自らの隆起した股間をユウトの頭上に掲げる。

 すると、分厚い鎧で覆われていた性器が、まるで(さなぎ)が羽化するかのように中心から割れていき、一回り程大きくなったグロテスクな見た目の性器がビクビクと脈打ちながら姿を現した。



『さぁッ!顔を上げて、オレっちの()()()()に忠誠のキスをするんだッ!!』


「くぅ…っ!!」



 ユウトが顔を上げると、目の前にゲドリアーナのグロテスクな性器が目の前にあった。

 ソレを目にした瞬間、脳裏に想い人の顔が走馬灯の如く(よぎ)った。



「ま…、さとぉ…っ」



 せめて初めてはマサトに捧げたかった…、ユウトはそう思いながらゲドリアーナの性器に口を近付けようとした、その時。



 バチバチバチィッ!!



 突如、彼らの周囲に無数の雷が落ちたのだ。



「きゃあっ!?」


「うひゃっ!?」


「うひぃっ!?」


「きゃっ!?」



 雷によってゲドリアーナの触手が焼き切られ、捕らわれていた魔法少女(マジピュリー)達が解放された。

 それとほぼ同時に、ユウキを抱えていたキメラ魔人達も雷に撃たれ、ユウキを手放してしまう。



「きゃあっ!?」



 キメラ魔人から手放されたユウキはそのまま地面に倒れ落ちそうになるが、その直前に何者かによって抱きかかえられた。



「え…っ?」


「大丈夫か、ユウキ?」



 ユウキを抱きかかえている少年の姿を見て、触手から解放された魔法少女(マジピュリー)達と、ゲドリアーナの前で(ひざまず)いていたユウトが揃って驚きと歓喜の声をあげた。



「「マサト君っ!!」」


「「マサトっ!!」」


「お兄ちゃんっ!!」





 福岡市で救助されたマサトは、現地にマサトの捜索でやって来ていた〈ダブルナイン〉の職員と共に本部のある北九州市門司(もじ)区へと戻って来るや否や、キメラ魔人兵団のキメラ魔人達と戦う魔法少女(マジピュリー)を助けるために現場へと向かった。


 マサトが現場へ駆け付けた時、ゲドリアーナの能力で魔法少女(マジピュリー)達がピンチに陥っていたのを見たマサトは、高速移動を可能とする雷の魔法『サンダーソニック』を発動して魔法少女(マジピュリー)達を捕らえていたゲドリアーナの触手を破壊し、ユウキを捕らえていたキメラ魔人を気絶させた。



「マ…、サトぉ…!」



 マサトに助けられたユウキは、普段であれば喧嘩腰な態度をとってしまうが、今は借りてきた猫のような表情で自身をお姫様抱っこするマサトを見上げる。



『ウヒョヒョ…?なんだぁ?せっかくの儀式を邪魔しやがってぇ…、てめぇ何者(なにもん)だぁ…?』



 一方のゲドリアーナは、ユウトを服従させるというお(たの)しみに水を差したマサトをギロリと睨みつけた。

 ゲドリアーナに睨まれたマサトは、その視線に臆することなく、ユウキを抱えたまま、未だ媚薬の効果で思うように動けずにいる四人の魔法少女(マジピュリー)達の元に生き、ユウキを彼女達に託してこう言った。



「話したいことはいっぱいあるが、とりあえずここは俺に任せてくれ」


「マサト君…!」


「俺に任せてって…、お兄ちゃんどうするつもり!?」



 マサトの妹であるブラックがよろよろと立ち上がり、マサトに駆け寄ろうとしたが、足がふらついてしまい、その場に再び膝を付いてしまう。

 そんなブラックを安心させるため、マサトはもう一度力強くこう言った。



「大丈夫だブラック、アイツは俺()で倒す…っ!」



 そう言うと、マサトは再び『サンダーソニック』を発動し、ゲドリアーナの懐へと一瞬で入り込み、右拳を突き出した。



「『サンダーパンチ』っ!!」


『グギョギョッ!?』



 不意を突かれたゲドリアーナは遥か後方へと吹き飛ばされてしまう。



「マサト!!お前っ、無事やったんやなっ!!ぐすっ、オレっ、お前のこと…っ、」



 ゲドリアーナの足元で(ひざまず)いていたユウトは、マサトが生きていてこうして再会出来たことに喜びを爆発させ、目から嬉し涙を(こぼ)しながら一糸(まと)わぬ姿でマサトへと抱きついた。

 普段のマサトであれば、裸のユウトに抱きつかれて鼻の下を伸ばしていたことだろうが、今はそんな場合ではない。



「ユウト!まだ戦えるか!?」


「え?えっと…、まだ身体がふわふわしてて力が入らねぇ感じだ…、悔しいけど、まともに戦うのは難しいな…」



 ゲドリアーナの媚薬の効果が残るユウトは、憎々しげな表情でそう答えた。



「なら、これでどうだ?『真力覚醒(レベルアッパー)』!」



 マサトが目覚めたばかりの超能力『真力覚醒(レベルアッパー)』をユウトにかけると、ユウトは先程までの気だるさが無くなり、全身から力がみなぎってくるのを感じた。



「え…!?普通に動ける…?マサト、お前今(なん)したと!?」


「話は後だ!ユウト!そのまま変身してくれ、そして俺と〈『合体(コネクト)』〉するんだっ!!」

 

「なんかよく分かんねぇけど分かった!『マジピュリーチェンジ』!」



 ユウトは急いで服と一緒に脱いで地面に置いておいた変身アイテムのマギアコンパクトを手に取り叫ぶと、一瞬でマジピュリーレッドへと再変身した。

 ユウトがレッドへと変身したのを確認すると、マサトはレッドを抱き寄せ、ゆっくりと顔を近付けた。



「レッド!俺を信じてくれるか?」


「あ、ああ!勿論!」


「サンキュ!じゃあ、レッド!俺とキスをしてくれ!」


「きっ!?キスぅ!?ここでか!?」



 突然のキス発言に驚くレッドだったが、先程マサトに吹き飛ばされたゲドリアーナが遠くで再び動き始めている気配を感じ、ここで押し問答をしている場合ではないと割り切り、ゆっくりと目を閉じた。



「マサトを信じる…!キスでも何でも好きにしてくれっ!」


「分かった、レッド!愛してるぞ…!」



 そう言ってレッドにキスをするマサト。

 すると、レッドのヘソの辺りが淡く光り輝く。

 レッドのヘソ辺りに刻まれたのは〈合体紋(レセプター)〉と呼ばれる特殊な紋章。

 これが刻まれることで、マサトとレッドとの間に〈合体(コネクト)契約〉が結ばれたこととなる。



「ん…っ♥なんだ…?身体が熱い…、マサト…、これは…?」



 〈合体紋(レセプター)〉を刻まれたレッドは、目をトロンとさせながらマサトを見上げる。

 そんなレッドに、マサトはこう続ける。



「よし、これで『合体(コネクト)』の準備は整った!レッド、俺を掴んでこう叫んでくれ!」



 そう言うと、マサトの姿が変わっていき、水滴のような形をした掌サイズの宝石、〈竜の(ドラゴンズ)(クライ)〉へと変化を遂げた。


 レッドはマサトが変化したその〈竜の(ドラゴンズ)(クライ)〉を掴むと、こう叫んだ。



「『絆変化(コネクトチェンジ)』っ!!」



 すると、レッドの全身が深紅の炎に包まれ、その姿を変えていく。

 セーラー服のような魔法少女装束(マジピュリースーツ)はそのままに、両手と両足には真紅の炎を思わせるようなアームカバーとタイツが装着され、頭から狐のような耳と、尻からは狐のような九本の尻尾が生える。



 その様子を遠くから見ていたゲドリアーナは、何が起きているのか分からず呆然としていた。



『ウヒョヒョ…?な…、何だぁ?オレっちのおっぱいちゃんの姿が、変わってる…?』



 新たな姿へと変身を完了したレッドは、ゲドリアーナへと視線を向けながら、名乗りをあげた。



「オレの名は〈マジピュリーレッド・ナインテール〉っ!!ゲドリアーナっ!!てめぇに引導を渡す者だっ!!覚悟しやがれっ!!」

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