学園の幽霊?前編2
俺達は授業が終わり全員が集まってから真結瑠に案内してもらい歌を聞いたという場所に来た
「どうだレイ?何か分かるか?」
「魔力的な痕跡があるぜアラン兄ぃ、けど根源に関する痕跡は無いぜ。ただ、なんだ···この魔術は根源への干渉、もしくはそれに準ずる何かなのは間違いない」
燻げな顔をして爪を噛むレイ
しばし何かを考えてあと結論に達したようで話を進める
「ここは行き止まりに見えるよな?」
そう言って彼女は突き当たりの壁を確かめる
俺も魔力の痕跡を探そうと目に魔力を集める
すると壁に一筋の亀裂を見つけた
それは壁を1発で破壊できるように要点に入れられた亀裂だった
俺は近づきそこに魔力を込めた手刀を叩き込む
ボゴっという鈍い音とともに壁が霧のように霧散する
「さっすがアラン兄ぃ!目のつけ所が違うぜ!」
大袈裟に褒めるレイ、まぁ嬉しいんですけどね···
「それでこの空間は何なのでしょうか?」
ミラーナが覗き込むように消えた壁の向こう側に身を乗り出す
その空間は教室一つ分程のスペースで何も無い空間だった
と思っていた矢先、変化は唐突に訪れる
床から大きな培養ポッドのようなものと中央に巨大な機会が現れる
「な、なによこれ?」
容器の中には髪の長い小さな少女が入っている
同時に中央の端末映像にはその少女と思われる心拍、体温などを計測していると思われる画面が表示されている
というかなんで電気を継続的に生産できない世界で機械なんて使えるんだ?
辺りを見渡してもコードは付かながっておらず
あるとすれば少女にコードが巻きついているくらいか
「ふむ、これを押すとあれが開くわけだな?」
「じゃあ俺が押してやるよ!ポチッとな!」
レイがミラーナを押して先にボタンを押す
するとポッドの扉が開きだす
てか、ポチッとな!とか可愛い表現するなよ
「うぅ···」
俺達が何も出来ず固唾を呑んでいると少女がゆっくり起き上がる
その瞳は碧眼で髪は上質なシルクのように繊細な白銀
身長は130セクメタ(130cm)程度で、その姿は弱々しく儚い
「ぁ···ぁぁぁ···あー あぁぁー あー あぁぁー」
その言葉にならない声は歌となりこの階に響き渡る
透き通るように清らかな声は俺達の心に語りかける
『ど···うして···ここ···にいる···の?』
「「「ッッッ!?」」」
歌を聞いていた俺達は同時に驚いた
頭の中で歌が言葉となり直接心に質問されたように感じたからだ
「アラン兄ぃ、こいつはヤバイ···あの歌には精神侵食の魔力が込められてる。しかも精神の原点、根源に語りかける魔力だぜ···もしあんなのに死ね···なんて言われたら俺達は発狂じゃ済まされないぞ」
レイの目は本気だ、額には汗をかきその手は震えている
あのレイですら震え脅えている···この娘は危険なのか?
カツンカツンカツン
廊下を歩く音がする
その音にはこの少女と同じく胸の奥に響く魔力が込められている
歩いているだけで周りに魔力を伝える程の魔力総量と強度
俺は覚悟を決めその足音の到着を待ち構える
「おや?ここに来客とは珍しい···というかよく来れたね君たち。ラミアスですら気が付かないのに?まぁ見つけたんだから歓迎するよ、メアも気に入ったみたいだしね?」
突然足音が消え、背後から声が聞こえた
補足していた、足音の位置を補足していたのに抜かれた
俺だけでなくリーナまで?
俺とリーナが他の3人を守るように背後に押し込め2人で剣を構え声の主へ牽制する
ポッドの開閉時に満たされた煙が薄れ視界が明確になる
「私はヴィクター、科学者だよ」
開かれた視界に映るその男は痩せていて物静かな雰囲気を放つが
その魔力は膨大で力強い
「さて。今日は何用かな?」




