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聖典のアルカナム  作者: ヌキヤ讃岐屋
第一章 学園(前編)
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新人戦4

『今回は許そう、だが次はない...』

「貴様ァ!何をした!?」

喚くやつの声は聞こえる

が、俺の心は震えている

あれはまるで体から心が引き離される感覚だ


俺の中には俺も含め3人の魂がある

2人は俺がこの身体になる前に見た2人だと思う

主導権は俺にある、けれどそれは与えられているものでしかない

そう教えられた気分だ...


俺は回復魔術て身体を治す

痛みはスッと引いていき、動かなかった肩も動くようになった


清盛も学園の医療班に治療を受けている

そして次の男達が現れる


「我らは魔導国の魔性騎士団のサイガ」

「同じくトウガである」

「我らは2人で1人」

「貴殿の強さ、素晴らしいものだ」

「しかし、我らが魔の深淵に」

「我らが叡智の結晶に」

「貴殿が勝つことは」

『ないッ!』


仲良しかよ、こっちとら見えねぇ相手に脅されてるってのに

慢心は捨てよう、心を静め全神経を研ぎ澄ませ...


彼らの武器は両手鎚(ハンマー)両手斧(アックス)

魔導国のものと言うことは魔術が主体となる


大振りの武器には…直剣で速攻をするのがベストかな

俺は天叢雲を剣の形状にもどす


「ほう?長い得物より軽い剣か、また珍しいことをする」

「我らの間合いを生かしずらいのは長い得物というのが定作だと思っていたが」

「もしや?」

「侮られておるのか?」

「もしそうなら失敗ぞ?」


落ち着け、冷静に手早くだ

俺は剣を鞘に収め『居合い』の用意をする


「では参るッ!」

「覚悟せよッ!」

左右に飛び出す2人

『火の精霊よ我らが刃となり我が敵を(えぐ)れ』


チッ!並行詠唱か…

慢心は捨てろ、俺の全てを持って奴らを倒す


俺は詠唱をする

『神威は全てを無に返す』

天叢雲の固有魔術(ユニークスキル)神聖

他の魔術を無効化する聖なるオーラを放つ


俺は奴らのモーション確定時にタイミングを合わせ剣を抜く

『居合い』発動ッ!


俺はサイガめがけて神聖を放つ

サイガの炎は消え、目を驚愕の色が染める

トウガに照準を合わせて『居合い』を使う

そしてトウガの腹に剣を叩き込む


当たったトウガはそのまま地面に顔を埋め倒れる

魔術を無効化されたサイガは焦りながらも振り返り武器を構える

さっきほどの威圧を感じない

2人で1人と言われていたんだ

片方では半人前と言うところなんだろう


「お前、何を?俺は確かに付与(エンチャント)を使用した、なのに何故消えた?」


混乱しているのか、なかなか攻めることもしようとしない

普通、魔術を無効化するのは属性を合わせてレジストするか

圧倒的な剣技をもって切り裂くこと

俺のようにただ無かったことにするのは有り得ないことだ


「ですがまだ私には奥の手...ッ!?」

ボゴッ

サイガは奥にいたフードの男に吹き飛ばされた


「なかなかいい動きをするこれ程の人材は今までに1人しか見たことが無いな...」

フードの男は近づきながらフードを外す


『お、王者だ...』

誰かが言ったのと同時に俺の目の前にその顔が見える

巨漢で瞳は炎を燃やしてるのかというくらい爛々と輝き

その佇まいを見たものは誰もが思う

これが王者だと...


「ふむ、これ程の剣の腕の持ち主だ。俺の元で修行する気はないか?お前なら円卓に入ることが出来るだろう…なぁ?」


こいつ...気づいてやがる

そして王者が居るということは

俺は闘技場で一番高いところ、一国の王家が来た時のみ使われる場所を見る


「やはり、アーサー王はいるのですね…」

「おや?貴殿は我が主を見知っておるのか?これはまた...ふふっ」


王者とは5年間闘技大会で優勝している最強の男の名だ

8年前から小さい大会も含めれば無敗の男...


「い、いえ見たことはありませんよ…」

「ふんっまぁ、いいだろうそれより貴殿の活躍に対し我が主より褒美を与えたいとのこと。どうだろう、ただ貰うのではつまらないであろう?俺に勝てば何でも好きなものをやろう…が、負ければ貴殿には我が国に来てもらう。どうだ?悪い話ではないだろう?」


そうか、そういうことか...

俺を連れ戻すために茶番をしたわけか


「大変光栄な話ですが、平民の私には荷が重いかと」

「ほう?平民が貴族の申し出を断ると?それがまかり通るとでも思っているのか?」


俺は絶対に戻れない、戻ればここまでの行動が無駄になる

「貴殿の様な逸材そうそう捨て置くことは出来ない。よってさっきの条件は続行だ、拒否は許さん」

「分かりました」


クスッ

その一言に遠くで一つ笑が漏れた音がした


---ルフェイ---


王者が現れるとは思わなかった、そしてあの方がここに来ていることも...


アーサー王、王者に唯一勝ち、圧倒的な力とカリスマで一気に一国の王になった少女...


彼女には噂がある

彼女は基本的に男嫌いで円卓の騎士の方ですら機嫌が悪いときは気を抜かないという

そんな彼女が一人の男性に惚れたという噂が王宮に飛び交ったのだ


だがその相手は数年のうちに国を去り

王はあまりの怒りに白の一部を破壊したほどだ...


いままでは相手が誰か知らなかったし興味も無かった

けれど王者の言葉で分かった

王が恋したのはアラン様だったんだ


聖国最年少で聖国剣術の全てを使いこなし

あまつさえ、魔術をも使いこなす天才と謳われたアラン様


そして、彼女はアラン様を見つけた

取り返すために取り戻すためにこんな舞台を用意した…

本気なんだろう...


王にアラン様を取られるの?

アラン様を信じてる

けれど王者は次元が違う

どうする?私が助けることが出来るの?

いや、アラン様の戦いに混ざったところで足でまといにしかならない


何も出来ない自分が腹立たしい

私に力があればそう思うといっそう自分が嫌になった


「アラン様お願いします...絶対勝ってください…」

私は必死に祈り始めた

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