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アリスのひとりごと

『わたし』は「せかい」の外側にいた。

正しい時を刻めない時計を胸に抱いて、終わらないお茶会に参加しながら誰も座らない席を見つめ続けている。


見上げれば透けるような青空。

どこからともなく香る花の匂いが鼻腔をくすぐる。

触れたカップの中の紅茶は大分冷めてしまっていてほんの僅かな温もりしか感じられない。


お茶会は終わらない。


あの時からずっと、このお茶会は続いている。


いつまでも何時までも『わたし』は「せかい」の外側。

だけど・・・もうすぐ終わる。終わらせることができる。


瞳を閉じる。


あの日、退席した客がもう一度やって来る。

『わたし』に逢いに少女がここに、来る。

『わたし』と『彼女』。

ひとつの事故で引き裂かれてしまった半身。

わたしたちの間に流れたの時間はそのまま外見に現れていた。


『わたし』は十歳のまま。

『彼女』は十六歳に成長した。

ねぇ、と届くはずのない問いを口に乗せる。


「貴女はこのまま『わたし』を忘れ去ってしまうの?」


大人になることを恐れ、子供であることもできない。

大人になることも出来ず、だけど子供とも言えない。


中途半端でどっちつかずなわたしたち。


ちゃりんと首にかけた時計の鎖が鳴る。

壊れかけた時計。わたしの正しい時を忘れた時計。

彼女が全てを知り、わたしと出逢うとき。


それがこの不可解な「狂ったお茶会」(マッドティーパーティー)の終わり。

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