18枚目・剣の道に生きるということ【泉水】③
読みやすさのため、内容を分割して調整しました。
文章の一部を変更しましたが、物語の内容には変更はありません。
作者:服を着た猫
何でそんなことを言い出したのか分からないが、博士は右手で頭をボリボリ搔きながら言った。
「ああ、ちなみに、いず―――・・・
ああ!!ややこしい!」
勝手に言い間違えて、勝手にキレた博士は、両手で頭を掻きむしる。
何してんだ、この人・・・
心の中で呆れていると、俺を睨みつけて顔を真っ赤にしながら、俺を指さして博士は早口で言った。
「蛍で良いな!今後は蛍って言うぞ!!」
泉美って言いにくいから、蛍って呼ぶぞって俺たちに言ってたの、アンタだろ・・・
呆れながら聞いていると、博士はそのままの勢いで話し始めた
「とにかく・・・蛍はお前と同じ高校に通うのか?」
「ああ、月曜日から通うことになってるよ」
ただでさえ怖い顔なのに、鬼みたいな顔で睨みつけてくるもんだから少しビビりながら答えた。
それにしても、泉美が俺と同じ高校に通うことが何だって言うんだ?
「それもさっきの話と関係が?」
考えていたことをそのまま言葉にして伝えると、博士は落ち着いたみたいで、真顔に戻って話し始めた。
「まぁな、高校に通わねぇんだったら、部活のことは意味ねぇからな」
高校に通わないんだったら、部活のことは意味がない?どういうことだ??
「簡単な話さ、高校に通うことになったら蛍を部活に入れるんだ、剣道部と演劇部の両方が無理だろうから、どっちか一方だな。
剣道の大会と学園祭、それぞれ何月だ?」
「えっ?剣道の大会と学園祭?
・・・剣道の出場予定の大会は・・・5月・・・学園祭は9月だったよ」
「剣道は5月・・・学園祭は9月か・・・
うーん・・・5月は無謀か・・・9月・・・ギリだな・・・ギリだが、逆にいいか・・・よし!演劇部だな」
なんか、うつむきながら1人でブツブツ言ってた博士は、突然顔を上げて俺の顔をビシッと音が聞こえてきそうな勢いで指さしながら言った。
「月曜日に高校に行ったら、どんな手を使ってでもいい、蛍を演劇部に入部させろ!無理やりにでもな!」
突然、訳分かんないことを言い出す博士、さっきからこの人の言いたいことが、ぜんぜん分かんねぇ・・・どういうことだ?
「はぁ?なんで?」
「言っただろ、心残りをなくすためだ。
もしもお前に残された時間があとわずかだって言われたら、どうしたい?」
真剣な顔で聞いてくる博士の質問に、俺はしばらく考え込んだ。
俺に残された時間があとわずか・・・誰のことを想像して言っているかはすぐに分かった。
だから俺は考えた。
泉美の立場で、6ヶ月に死ぬことが分かってたとしたら・・・答えは決まってる。




