17枚目・剣の道に生きるということ【泉美】⑥
読みやすさのため、内容を分割して調整しました。
文章の一部を変更しましたが、物語の内容には変更はありません。
作者:服を着た猫
「じゃ、私たちも帰ろっか?」
2人も行っちゃったし、教室中もだいぶ人がいなくなってきたから、私は一緒に帰ろうと瑞希に話しかけた。
「ええ・・・そうね」
相変わらず感情がこもってない返事だけど、それ以上に瑞希は教室のドアを見たままこっちを見ない。
ちょっと不思議に思ったけど、私は帰り支度のため鞄に荷物を詰めていく。そして、鞄に荷物を詰め終わって瑞希の方を見ると、まだ教室のドアを見たままだった。
「瑞希?」
「何?」
返事はしてくれたけど、相変わらずドアを見たまま・・・
「何してるの?」
私が心配して話しかけると、瑞希は面倒くさそうにこっちを見て、一言。
「・・・観察」
「観察?」
予想外な観察って返事に、思わず聞き返した。たぶんキョトンとしてたと思う。
そんな私に瑞希はただじっと見てくるだけで、しばらく応えなかった。
そうして瑞希が応えないまま、10秒くらい。
瑞希は私のことをじっくり観察するみたいに見てから、目を細めてゆっくり言った。
「あなた・・・マリア先生に元の世界で、演劇部でヒロインを演じることになってたとでも話したの?」
「へっ?」
考えても無かった言葉に私は一瞬、固まってしまった。
「プッ・・・言う訳ないじゃん!?
別の世界の桜門高校の演劇部で、ヒロイン役に決まってたんですって?そんなミスしないよ~」
確かに話の途中で危なく言いそうになった瞬間はあったけど、さすがに言わないよ!
あんまりにも変なことを言い出すから、私は笑いが止まらなくなっちゃった。
だって瑞希がとんでもないこと言うんだもん、確かに瑞希には私が異世界から来たってことは言ったけど、それは言わざるを得ない状態だったし、信じてもらえるだろうって考えたからだし、だけどマリア先生は別だよ。
言ったって、こんなとんでもない話をマリア先生が信じてくれる訳ないのに、わざわざ言う訳ないでしょ?
ああ、おかしい!!
笑いながら瑞希を見ると、少し呆れた様子で見ていた。
呆れちゃうのはこっちなのに、アハハ!
そのうちにため息交じりの小さい声が聞こえてきた。
「そう・・・」
「もう!変なこと言わないでよ・・・ククク」
笑いが止まらないまま私が応えると、瑞希は目をつぶりながら「ハァ~・・・」とあきれた様子で深いため息をついていた。
その様子に、さすがの私も笑いが止まってしまった。
そんなに呆れられるようなこと、した覚え無いんですけど!!
ちょっとムッとした気持ちになった私は、ちょっとぶっきらぼうに聞いてみた。
「それより・・・さっき言ってた観察って、何のこと?」
私のことよりも、観察って言いながら教室のドアをジッと見たまま動かなかった、瑞希の方がおかしいよ。
そんな考えを込めて聞いてみたんだけど、瑞希は目を細めてじっと私を見た後、また小さく「ハァー・・・」とため息をついて、仕方ないとでも言いたそうな顔で言った。
「・・・説明が面倒・・・っていうか、これ以上調べようとすると面倒なことになる気がする」
「面倒・・・なこと?」
どういうこと?と聞き返す前に瑞希は再び面倒くさそうな顔で言った。
「あなたが気づいてないんだから、どうでもいいわ・・・」
顔と同じで面倒くさそうな口調でそう言うと瑞希は、自分の席から鞄を掴むとさっさと教室のドアへと向かって歩き出した。
「ちょっ!待ってよ、瑞希!!」
まったく意味わかんないことだけ言って、さっさと教室を出て行こうとする瑞希を私は慌てて追いかけるのだった。
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≪登場用語説明≫
Lalan
分類:メッセージアプリ
会話をするようにメッセージを送り、表示することが出来るメッセージアプリ。
メッセージの代わりに、スタンプと呼ばれるイラストを送ることも出来る。




