表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/41

6枚目・瑞希とルーンの秘密③

小説の構成順番を直すために投稿し直しました。

2024年7月15日

服を着た猫

再び時間は、瑞希と泉美がルーンの出会いについて話し合った時に戻る。




「―――という感じで、川で助けたルーンを飼うことになったの」

「なるほど・・・確かにこちらの世界と出会い方は違うわね。

でも確か泉水の話では、あなたの世界とこちらの世界、住んでいる人間はもちろん行動も同じようになるはず・・・だけどこれは全く違う。矛盾してるわね?」

「推測だけど、あくまで同じになることが多いってことなんじゃないかな?

こっちの本家・・・水輝家の本家ね、そこの未来の当主である鈴蘭さん、私の世界には居ないの」

「居ない?存在しないってこと??」

「うん、(からす)くんっていう、こちらの世界に居ない男の子はいるけど。

こちらの世界に居る人間や居ない人間が居て、あちらの世界にも居る人間や居ない人間が居る、同じように行動も必ずしも同じになるとは限らないんじゃないかな?」

「ふ~ん・・・まぁ、その仮説があっているなら説明がつくわね。

でもそうなると疑問が出てくるわね・・・」

「疑問?」

「こちらとあなたが居た世界、なぜそんなに似ているのか、そして逆に似ていないところが出てくるのか、何か法則性はあるのか・・・疑問は尽きないわ」

「確かにそうだね・・・でも答えを出すには情報が少なすぎるよ」

「まっ、無理に出す必要もないんじゃない?

私も疑問に思っただけで、答えが欲しいわけじゃないし、そのうち分かるかもしれない。

分からなくても困ることはないし」

「アハハ・・・やっぱりそういうところは、瑞希(・・)っぽいな。

あ、瑞希さん(・・・・)って呼んだ方が良いよね。ごめんなさい」


慌てて謝りながら頭を下げる泉美に、瑞希は目を閉じてため息をついた。


「呼び捨てでいい」

「で、でも・・・」

「あなたにさん付けで呼ばれるのは、なぜか呼び捨てにされるよりも気分が悪い。

ただそれだけよ」


そっぽを向きながら言ってくる瑞希を見て、泉美は少し微笑んだ。


「瑞希・・・」

「なに泉美?」

「えへへ、ただ読んでみただけ♪

というか、瑞希も私のこと呼び捨てで呼んでくれた!」

「嫌?」

「ううん!!うれしい!!

むしろ私のことちゃん付で呼んでもいいよ!」

「・・・それは断る。子供じゃないんだから」

「アハハ・・・それはそうだよね」


楽しそうに笑う泉美、その姿を見て瑞希も少しだけ微笑んだように見えた。


「ねえ、瑞希?」

「何?」

「私たち・・・友達で良いんだよね?」

「友達・・・」


泉美の確認に、瑞希は確認するようにつぶやくと表情を硬くした。


「それは・・・嫌よ」

「そ、そうだよね」


瑞希の返答を聞いて、泉美はうつむいてしまう。


「私はいつ元の世界帰るからない人間・・・そうなれば二度と逢えないもん。そんな人間と友達にはなりたくないよね」

「ええ、友達になれば別れがつらくなる、そうなれば私はまた心が痛くなる、もうあんな思いはしたくない。

これ以上私を・・・苦しませないで」

「瑞希・・・そうだよね。ごめんね、考えが足りなかった、もう無理強いはしないよ」


泉美は深々と頭を下げた。そして、2人の間に長い沈黙が訪れる。

しばらくして沈黙を破ったのは、瑞希だった。


「泉美・・・あなたは別世界の私を、親友と呼んでいると言ったわね。それはあっちの私が、あなたを親友になりたいと言った以外に理由はあるの?」

「他の理由・・・あるよ。

私が瑞希を親友って言い続けてるのは、最初に瑞希が私に親友になりたいって言ってくれたみたいに、私が瑞希の親友で居たいと思ったから・・・。

助け合い、支え合い、たとえ離れ離れになってもその友情が変わらない存在になりたいと思ったから、だから私は・・・瑞希のことを親友と呼び続けているの」

「それは・・・あなたの自己満足ではないの?」

「・・・私もそう思ったことはあるよ。

瑞希にとって私は邪魔な存在なんじゃないかって、何度も思ったよ。私がそばに居ない方が楽なんじゃないかって・・・。

でも、そんなこと出来なかった・・・したくなかった!!」


泉美は拳を硬く握り、両肩を震わせる。


「私が瑞希にそばにいてほしかったから、瑞希のこと・・・大好きだから」


そう言う泉美の顔は、今にも泣きだしそうだった。


「・・・そんなに思ってくれるなんて、別世界の私は幸せ者ね」

「あなただって幸せ者でしょ?泉水に親友って呼ばれてるんだから、あんなにも大切に思ってくれる親友が居るんだから」

「そうね・・・」


一転して微笑んで語り掛ける泉美とは逆に、瑞希は顔を伏せて答えた。

そして再び長い沈黙が訪れた。


その沈黙を破ったのは、意外な相手だった。


「ニャー

『瑞希』」

「ルーン?」


瑞希に抱かれたまま、一言も鳴かなかったルーンが突然、瑞希に話しかけてきた。

その声は訴えるようなものではなく、とても優しい口調だった。


「ニャー

『素直になってもいいと思うよ』」

「何をいきなり・・・」

「ニャー?ニャー、ニャ?

『泉美と仲良くなりたいんでしょ?だから親友の話を振った。違う?』」

「それは・・・でも・・・」


ルーンの問いに瑞希は言葉を詰まらせる。


「ニャー、ニャー、ニャー

『仲良くなっても別れなくちゃならない、それがつらい。その気持ちは痛いほど分かるよ。

でも、ボクだっていつの日か、瑞希のもとから居なくなる日が来るんだよ』」


ルーンの言葉に、瑞希は一瞬にして悲しみの顔に変わる。


「ニャー、ニャー、ニャー

『それでもボクが瑞希の中から居なくなることはない。思い出はいつまでも心に残るんだよ』」

「思い出・・・」

「ニャー、ニャー

『だから、勇気を出して、ボクが一緒に居るから』」

「・・・ありがとう、ルーン」

「えっと・・・瑞希、ルーンと何か話してたの?」

「秘密」


いつものように無表情でそう言うと、瑞希は目をつぶり「フウー」と大きく息を吐いた。そして意を決したように目を開けると、泉美の目をしっかりと見て話し始めた。


「泉美・・・私あなたにお願いがあるの、聞いてくれる?」

「な、なに改まって」


いつになく真剣な表情の瑞希に、泉美も真剣な表情で耳を傾ける。


「・・・泉美、私の・・・親友になってくれない?」

「へっ?し、親友?

友達じゃなくて・・・いきなり親友!?」

「別に変なことじゃないでしょ?あなたにとっては・・・ね。

別世界の私に友達をすっ飛ばして、親友になりたいって言われたんでしょ?」

「そ、そうだけど・・・。

で、でも私たち出会ったばかりだし、何も知らなかった子供じゃない。

それに私はいつか自分の世界に帰るんだよ。二度と逢えない人とは友人になりたくないって、瑞希が言ったんだよ!?」

「ええ、言ったわ。

今でもあなたと親しくなった後、二度と逢えなくなる恐怖を考えると、恐怖で心が痛くなる。

でも、別世界の私を親友と言ってくれている、あなたと親しくなりたい、私も親友と呼ばれたいって思ってしまった」

「瑞希・・・」

「それにあなたが元の世界に帰ってしまっても、思い出は私の中に残る・・・そう教えてもらったから・・・。


だから泉美、私の親友になってくれませんか?」


そう言って瑞希は笑顔で右手を差し出した。


「瑞希・・・。

はい、喜んで!」


差し出された手を泉美は右手でしっかりと握り、2人はしっかりと握手するのだった。


「良かった・・・それにしても今のやり取り、フフ」

「瑞希?」


ルーンを抱いているためだろう、柔らかな笑顔で笑う瑞希に対して、泉美はなぜ笑うのか分からなかった。


「さっきの私のセリフ、こうして・・・」


瑞希は地面にルーンを下ろし、そのまま泉美の前に片膝立ちになる。


「えっ、何を??」

「姫、わたくしとダンスを踊ってくれませんか?」

「えっ?えっ!?」


差し出された右手に、泉美はどうしていいのか分からず混乱してしまう。

そんな泉美を見て、瑞希は大きくため息をついた。


「はぁ~、ノリが悪いわね~。

そこはさっきと同じで『はい、喜んで』って手を出せばいいのよ。そうすれば―――」

「ああ、なるほど!

そうすれば、まるで王子がお姫様をダンスに誘ってるようなシーンに見えるな」

「えっ!?」

「なっ!?」


突然聞こえてきた声に、2人は慌てて声のした方に視線を移す。そこには顔だけ出した泉水が居た。


「よっ!

泉美が2階に戻ってると思って呼びに行こうとしたんだが、話し声が聞こえたんで見に来た」


泉水の言葉を聞いた瑞希はスッと立ち上がり、泉水をジト目で睨みつけながら、ため息をついた。


「ハァー・・・、泉美といい泉水といい、イズミと言う名前の人間は覗きが趣味なの!?」

「なんだよ。気になって聞き耳を立てただけだろうが」


そう言うと泉水は泉美と同じように(ひさし)の下に出てこようと、ドアを開けようとする。


「ちょっと!!

こんな狭い所に出てくるつもり?2人で定員オーバーよ!!」


そう言うと瑞希はドアを【バン】と叩き、閉めようとギュウギュウ押し始めた。


「ちょっ!痛い痛い痛い!ドアを押すな、首が挟まる!!」


泉水の訴えに、瑞希は扉を無理やり閉じようとするのを止めた。


「痛ったいな~、少しは考えてくれよ」

「自業自得でしょ」

「ハァー、そういうことにしとくよ。それにしてもどうするか・・・」


泉水は首だけの状態で考え始め、すぐに何か思いついたようで提案してきた。


「じゃあ、こうしよう。俺は玄関でいいから、ドアを全開にさせてくれ、そうすれば話が出来るだろ?」

「そうだね、じゃあいったん私が玄関に戻って・・・」


泉水の提案にすぐに乗った泉美が玄関の中へ戻っていくのを見て、瑞希はため息をつきながら、渋々ドアを全開に出来るように(ひさし)の端へと寄った。

そして、ドアを全開にして泉美が庇の下へ戻ると、泉水が話し始めた。


「それにしても泉美がお姫様か。

フフフ・・・ピッタリかもな」


先ほどの2人のやり取りを思い出して笑う泉水に、泉美は顔を真っ赤にして抗議する。


「何でピッタリなのよ!!」

「だって泉美、今度の演劇のヒロインなんだろ?別世界だけど」

「へぇー、そうなの?

ヒロインってことはパートナーの相手も居るの?ちなみに誰?私の知ってる人?」


顔は無表情のままだが、興味津々な声の瑞希に、泉美は渋々といった感じで答えた。


「うぅぅ・・・瑞希も知ってると思うよ。

剣道部の主将で演劇部を兼任している舞先輩、あの人がヒロインのパートナーで主人公」

「ああ、あの神社の巫女様・・・じゃあ、こっちの演劇でも主人公は舞先輩なの?」

「いや、こっちの世界の演劇の主人公は俺だ、舞先輩はヒロイン」

「ふーん、相手役が泉水なんて不憫ね」

「悪かったな」


表情を変えずバカにしてくる瑞希に、泉水はジト目で答えた。

そんな泉水のことなど意に介さず、瑞希は話を続ける。


「あの美貌なら男役も、美女役も務まりそう。

まあ、胸は泉美、あなた並みだけど・・・というか、あなた何カップ?」


いきなり瑞希に胸の大きさを振られ、泉美はキョトンとしながら答えた。


「私?私はCカップだけど・・・舞先輩は私よりずっと大きいよ?」

「はぁ?そんな訳ないだろう?むしろ泉美より小さいような・・・」

「なっ!何じっと見てるのよ!エッチ!!」

【バチン!!】


話の流れで泉美の胸をガン見した泉水の右頬に、泉美の右手平手打ちがヒットする。


「痛て!な、何すん―――」

【バキッ!!】


今度は瑞希が無表情、無言のまま右手拳を、泉水の左頬に食らわせた。


「グハッ!!

み、瑞希まで、何すんだよ」


真っ赤になった両頬を両手で押さえながら、抗議する泉水に瑞希は見たことがないくらい冷たいジト目で見てくる。


天誅(てんちゅう)

女性の胸をジロジロ見るなんて、デリカシーのかけらもないヤツ、セクハラで訴えるわよ」

「うぅぅ・・・確かに女の子の胸をジロジロ見るなんて失礼だよな・・・悪かったよ」


両方頬を抑えながら、泉水は頭を下げた。


「謝ればいいってものじゃ・・・」

「もういいよ、瑞希。謝ってくれただけで十分だって」

「・・・泉美がそういうなら、これ以上責めるのは勘弁してあげる。

泉美に感謝しなさい!!」


泉美に促され渋々納得した瑞希は、ジト目のまま反省を促した。


「わかったよ。

泉美ありがとう、悪かった」

「もう、良いって」


改めて謝る泉水に、泉美は苦笑いで答えた。


「それはそうと、あの舞先輩があなたより胸が大きいってどういうこと?」

「ああ、それね。

実は舞先輩、さらしで胸を潰してるんだよねぇ~、何でも『肩がこる上、動くのに邪魔なのだ』って言ってたけどさ。

前に剣道部での着替えの時、さらしが緩んじゃって巻き直すところ見たんだけど、すっごく大きくて驚いちゃったよ」

「・・・ちなみにだけど、どれくらい大きかったの?」

「えっと、確か数値的にはFカップだって言ってた」

「FカップをCカップ並みに潰してるなんて、その方が苦しくて動き辛そうだけど・・・」

「私もそう思う」


遠い目で感想を言う瑞希に、泉美は苦笑いで同意する。

そんな2人の会話に混じれない、泉水がポツリとつぶやいた。


「舞先輩がFカップ・・・」


その言葉を聞き逃さなかったのは、瑞希だった。


「鼻の下伸びてるわよ」

「なっ、ち、違―――」

「ま、まさか舞先輩の裸を!!最低!!泉水の・・・ドスケベ!!!」

【バチーーーン!!】


電光石火の泉美の右手平手打ちが泉水の右頬にヒットし、おもいっきり吹っ飛ばす。


「ブガーーー!!」


あまりの衝撃に真横に倒れ込み、下駄箱にもたれかかってしまう泉水。


「ご、誤解だ・・・俺はただ、驚いただけだけ・・・・・【ガクッ】」

「い、泉水!?ごめんなさい、やりすぎちゃった!!」


崩れ落ちる泉水を見て、慌てて泉美は彼の体を支えた。



しばらくして・・・・・。



「イテテテ・・・めちゃくちゃ痛かった、さすがお爺様といい勝負をするだけはあるな」

「ホントにゴメン」


泉美は心配そうに泉水の顔を覗き込みながら、必死に謝る。


「まったく、少しは加減してあげなさいよ、泉美」

「瑞希が誤解させるようなこと言うからでしょ!?」


怒りながら泉美は瑞希に抗議した。

そんな2人を見て、泉水は不思議そうにつぶやいた。


「そう言えば2人とも、いつの間にそんなに仲良くなったんだ?」

「今頃気づいたの!?」


今更な泉水の言葉に、泉美は素っ頓狂な声を出してしまった。


「そういえばさっき、瑞希が泉美に、親友になって下さいって言ってたな」

「そこも今更、気づいたの!?というか、覗いてたんじゃないの??」

「いやー、話し声が聞こえるな~、くらいにしか聞いてなかったよ」

「えぇー、せっかく感動的な感じだったのに・・・ねぇ、瑞希?」

「私に話を振らないで」


瑞希は無表情のままプイッと横を向いた。


「いいじゃん。さっき私に話してくれたこと、泉水にも話してあげてよ」

「嫌よ、恥ずかしい」

「えぇー、いいじゃん。さっきみたいに笑顔で『私の親友になってくれませんか?』ってさ」

「嫌だって言ってるでしょ!

ルーンも居なくなったし、もう笑顔になる気は起きないわ」

「えっ?ルーン居ない??」


瑞希に言われ、泉美はあたりを見回す。


「ホントだ、ルーンがいつの間にか居なくなってる。家の中に戻ったのかな?」

「俺の横を通った気配はなかったぞ」

「雨も上がったし、外に行ってしまったんでしょ?」

「ホントだ、雨も上がってる。にわか雨だったのかな?」

「だろうな。

それにしても、瑞希が自分で親友になろうなんて言うなんて、驚きだ」

「でしょでしょ!

一回は『友達で良いんだよね?』って聞いたら『それは・・・嫌よ』って断られたんだけど―――って勝手に話しちゃダメだよね?」

「別に」


ぶっきらぼうに答えると瑞希は、くるっと背中を向けて通学鞄を持ち上げた。


「じゃあ、私学校に行くから」

「えっ!?もう?」

「もう、十分すぎるくらい喋ったでしょ?朝食をとる時間無くなるわよ?」

「そうだ!!泉美を朝ごはんの時間だって、呼びに行こうとしてたんだった!!」

「そうなの!?泉水が来てから結構話し込んでたよ!?時間大丈夫!?」

「ちょっとヤバいかもしれない!急いで朝ごはん食べちゃわないと遅刻する!」


大慌てでリビングに入っていく泉水。

その様子を見て、泉美も靴を脱いで上がり框を上がろうとする。その時、不意に振り返ると瑞希に向かって話しかけてきた。


「瑞希、私お爺様の計らいで学校に行けるようになったの、同じクラスになれるか分からないけど、学校で会ったら仲良くしてね」

「恥ずかしいから、絶対に嫌!

・・・と言えたらいいんだけど・・・ルーンが居たとはいえ、自分で親友になりたいなんて言った手前、嫌なんて言える訳がないでしょ?」

「へへへ、そうだよねぇ~♪」


嬉しそうな泉美を見て、瑞希はちょっと不満そうに目をつぶって「フン!」と鼻を鳴らした。


「それじゃあ、今度こそ本当に学校へ行くわ」

「うん、またね!」


笑顔で見送る泉美を背に、瑞希は学校に向かって歩き出した。



その道中、瑞希の脳裏にはある光景がよみがえっていた。



『それにしても、あの泉美って子には驚いたわ。泉水が女の子として生まれたときの姿って言われても・・・いまだに気持ちが追い付かない・・・。

ルーンも初めて会ったとき、驚いたでしょ?』

『う~ん・・・そうだね、驚いた』

『?・・・あまり驚いてないように見えるわね』

『そ、そんなことない!結構驚いたよ!!』

『・・・あなた何か隠してない?』

『そ、そんなこと・・・』


瑞希の頭の中に響くのは、変換された少年のようなルーンの声。

そのルーンとのやり取りを思い出しながら、瑞希は難しい顔になる。


「ルーン・・・あなた一体何を隠しているの?」


その独り言の問いに答える者など居るはずもなく、その言葉は空気に溶けていった。




一方その頃、ルーンは・・・。




いまだ水たまりの残る道を、水たまりを避けながら住宅街を走っていた。

その顔はどこか険しく、何か思い詰めているようだった。


しばらくして、十字路の真ん中でルーンは止まった。

そして、キョロキョロと辺りを見回し、誰も居ないことを確認すると袋小路になっている道に進んでいく。


【パーッ!】


ルーンが進んだ袋小路、その道から一瞬光があふれる。

やがて光が消えた袋小路からはルーンの姿が消え、代わりに緑色の砂が山積みになっていた。だが、その砂も風が吹くと共に霧散し、空気に溶けるように消えていった。

そして、ルーンはそのまま数日間、姿を見せることはなかった。


≪人物紹介≫


泉美の親友

皆倉(みなくら) 瑞希(みずき)」その③


どんなに冷たい態度をとっても、自分を親友と言ってくれる泉美と泉水、それぞれの世界のイズミに対して、実はとても感謝し、自分も親友だと思っているが口に出せずにいる。




春野家のペットの猫

「ルーン」その③


一年ほど前、泉美の世界で、川の中を段ボールに入って流されていた所を、泉美に助けられ、それがきっかけで泉美の家の飼い猫になった。


泉水の世界のルーンと同じで、瑞希にはルーンの鳴き声が言葉に聞こえるらしい。

また、瑞希はルーンと触れ合っている一時だけ心が戻り、笑顔など豊かな表情や、優しい言葉を言うようになることも、泉水の世界と同じ。

またルーンは時々、家を抜け出し1日から長い時は1ヶ月ほど帰ってこないことがあり、瑞希が理由を聞いても『秘密』の一点張りで、まったく理由を教えてはくれない点も同じで、元野良猫だからと、泉美も瑞希も気にすることは無くなったのも同じ。

また、それとは別に瑞希によるとルーンは何か秘密を隠しているらしい。




主人公

春野(はるの) 泉美(いずみ)」その④


瑞希のとの会話で判明した胸の大きさはCカップ。




演劇部の顧問で、泉美のクラス担任

神野原(かみのはら) マリア」その②


泉美と瑞希の会話で、実はとんでもないドジっ子だと判明する。

ちなみに胸の大きさはEカップ。




泉美の部活の先輩

神条(かみじょう)  (まい)」その②


瑞希との会話で、普段は見た目Cカップなのだが、実はFカップ相当の胸の大きさであることが判明する。







≪登場用語説明≫


金色のリング

分類:形見のプレゼント


ルーンのしっぽの付け根に付いている。

前の飼い主に着けてもらったルーンの宝物。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ