表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
267/284

第255話 生き残った意味

「サクラ、こっちもお願い!」

「うん」


慌しく――しかし整然と任務を果たすべく動き回るマイとサクラ。


けが人の傷を消毒し、ガーゼを取り替える。

一目見て卒倒しそうな深い傷、血が滲みだす。


「うぐっ?!」

「っ!?ガナロ様…目を…」


まさに瀕死。

アマテラスの奇跡により瞬間再生されたかに見えた破壊神ガナロ。


しかしノルノールの悪意、そしてその権能。

消えてなお、ガナロは地獄のような責め苦に囚われ続けていた。


再生された腕、しかし根元から崩れ行く。

肉が嫌な匂いとともに蒸発をはじめ、ぐずぐずと嫌悪感を煽る音とともに泡立ち始める。


「うあ?!ど、どうして?…くっ『オーバーヒール』!!」


回復衛士として新たなジョブを得たサクラ。

その最大回復魔法を、心を籠め展開させる。


しかし――


「グウッ?!…がああああああっっっっ??!!!」


拮抗する術式。

色が反転し、凄まじい痛みがガナロの体をのけぞらせる。


「――静寂な心!!!」


瞬間包み込む、清廉な青く輝く魔力。

反転。

そして沈静――


激しくのたうち回っていたガナロは――


時が止まるように静かにその目を閉じた。


「…はあっ、はあっ…ふう…どうにかなった?」


全身から滝のような汗を流し、よろけるマイ。

彼女の取得した称号、ピュアセイント。


その権能、乙女の祈り。

それは事象の改変、そして守る力。


ガナロはどうにか命の危機を脱していた。



※※※※※



悪魔の権能、そしてそれがもたらすダメージ。

まさに悪夢――


既に消され、吸収されたゼギアノード、ノルノール、そしてレイザルド。


彼らの刻み込んだ痛み。

それは呪いとなり、ザッカートをはじめ多くの勇士を蝕み続ける。


(…ったく…マジで厄介だな)


表面上は無傷のザッカートは、手当てを受け意識のないライネイトを見やり独り言ちる。

大切な仲間。

そして彼らの功績。


ザッカートの瞳に涙がにじむ。


「…へっ。ひでえ様だな…ゆっくり寝ていろ…カシラは…美緒は…」


脳裏で優しく笑う美緒。

愛おしさが天元を超える。


「…絶対に――負けねえ」



祈りにも似た狂信。

だが。


その想い、そしてギルドの皆が願う美緒を想う心からの信愛と友愛――


それは奇跡となる。



※※※※※



ガザルト王国、謁見の間。


遂にたどり着いた美緒たち一行。



眼前には奇跡が顕現していた。


「っ!?…ま、まさか…お母さん?」

「…美緒…よくぞ…たどり着きましたね」


へたり込み、肩で息をするコメイ。

そして滝のような汗を浮かべ、放心状態のザイルルド。


神々しいまでの魔力を纏い――佇む先代の創造神マナレルナ。


開く次元の扉、それはまさに今この瞬間――凄まじい虚無に飲み込まれ、刹那のタイミングで虚空の彼方へと消えていった。


「っ!?…ザイルルド…ケヴィンなのか?」

「…李衣菜…ああ。…ふっ。相変わらず…美しいな」


次元を超える再会。

そして開かれた真実の物語。


「…始まります…本当の闘い――いえ、奏多さんのシナリオ、最終局面…創世の物語が」



時が止まる謁見の間。

そして歪む景色――



でも。


包まれる優しく――そして悲しみを纏う絶大な魔力。



「美緒」

「…う、うん」


優しく美緒を抱擁するマナレルナ。

美緒の髪を撫で、抱く腕には力がこもる。


滲む涙。

そして――


マナレルナは光の粒子となり――美緒の中に吸収される。



『…極限解呪――再誕!!』




かつて書き上げられた優しくそして――いびつな物語。

全てが幸福に包まれ、皆は笑顔を浮かべ――


だけど。

そこはかとない虚無感が付きまとう、そんな物語。



世界の壊れる音――

でもそこには。


完全なる不協和音、それが軋みをあげていく。


『私が生き残った意味――あなたが私の娘であった意味――』


美緒の脳裏に、全員の脳裏に――覚悟の想いが駆け抜ける。



『すべてはここから――未来を、希望を――』



あふれ出す幾重にも重なっていく原初の想い。

魂を揺さぶる強く純粋な想い。



方向性を持たぬ愛。



皆は包まれ――



世界がその産声を上げる。



『…始まりよ?…美緒…あなたに託す――』



世界は最終最後――



遂にそのステージへと変貌を遂げていた。


神の計画、それを凌駕する想い――愛。




――(…試してみろ…)



幻とも取れるそのフレーズ。


確かに全員の脳裏に焼き付いていたんだ。


「面白かった」

「続きが気になる」

 と思ってくださったら。


下にある☆☆☆☆☆から作品への応援、お願いいたします!


面白いと思っていただけたら星5個、つまらないと思うなら星1つ、正直な感想で大丈夫です!


ブックマークもいただけると、本当に嬉しいです。

何卒よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ