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貴方様の為だけに生きていたいから  作者: りょー
第1章 出逢いと日常と
7/7

とある教師の考察



久しぶりの投稿ですが

やっぱり楽しいですねー








修道院 道成視点





「帰れ。」



「いや、そんな事言わずによ…」



「go back.」



「いや、だから人の話を…」



「돌아。」



「待て待てま「Ị ntị bụ rere ure? Mmadụ Bịa azụ ka ịhụnanya hotel.」とうとう言語が分からねぇ!!」



「…いったい何だ。お前もうちの下半身マグナム緩男風紀副委員長みたく、S○XFriendのなんとかちゃんにでもフられたのか?ん??」



「安心しろ、S○XFriendはフってるがフられてはねぇ。」



「因みに約何割が生徒だ?」



「え?7割。」



「もしもし、警察ですか?今から兄を死刑にして貰えませんか?銃殺でも可。」



「待て待て待て待て。」



「待たない待てない待たせない。」





こんな風に如何にもフレンドリーに話してはいるが、俺と此奴、修道院 昭道こと俺の弟とは、つい最近まで絶縁状態だった。何故かは詮索しないで欲しい。





「本当に何なんだ…。言っとくが俺は忙しい。」



「確かに忙しそうだな…。つーか、いつもの倍以上書類ねーか?」



「……まあ、色々あってな。」



「あんまり溜め込み過ぎるなよ。書類も性欲も。」



「滅びよ。」



「ゴムいるか⁇」



「お前の首を絞めるゴムがな。」





俺たちはふざけたやり取りをした後、其々の悩みを相談し合う。





「へえ、お前の学園で事件が勃発ねぇ。」





此奴の事だから言ってないことが未だあると思うが、俺は優しいから根掘り葉掘りせず相談に乗る。





「…手掛かりが、本当に何もない状況なんだ。」



「手掛かりねぇ…」



「まあ、俺は妖だと踏んでいる。」



「妖、ねぇ……」



「?なんだ、言いたいことがあるならはっきり言え。」



「…なあ、お前は妖に拘り過ぎるんだよ。一族を破門された俺が言うのはなんだが、確かに妖は陰陽師にとっては悪だし絶対に信じちゃならない。何があっても………俺たちは《人》の味方でいなくちゃならねぇ。それが陰陽師の、…守り人の使命だ。…けどよぉ、人だって悪だ。何故かって?所詮この世に正しい義なんざねぇからだ。つまり、妖と人は白と黒の勾玉のように交わらねぇように見えて、中身は真っ黒、同じ成分って訳だ。」



「つまり、お前は何が言いたい。」





昭道は少し不機嫌そうな顔をして俺を見上げる。どうしよう、男だとこんなにも上目遣いが気持ち悪く見える。





「お前じゃねぇ、お兄たまだ。」



「分かった。分かった。お兄たま(嘲笑)」



世界一可愛くないお兄たまだ。こんなんだったらメイド喫茶行った方がいいな。いや、メイド喫茶は「お兄ちゃん♡」が主流か。





あーあ、昔はあんなにも可愛かったのに、今ではこんなに身体も心もお固くなって…、あ、性的な意味じゃないから、本当だから。





「あー、可愛くねぇ!…つまり、《人》も疑えって事だ。この学園で人が死んだ。妖と人、何方を選ぶって問われたら妖って言いたくなる気持ちは分かるが、一回落ち着いてよーく考えてみろ。…1番恐ろしいものは妖だが、1番怖いものは……なーんだ?……なんちって。」





そんななぞなぞみたいな答えを俺が言ったら、昭道はまるでそんな事を考えても無かったとでも言うかのように硬直した。





…本当に、頭がお固くなって





「……一理あるのは、分かっているんだ。」



「ああ。」



「確かに、突飛で、不可解で、不気味な事件だった。…けれど、人じゃないとは、言い切れない。」



「……ああ。」



「だが、俺は陰陽師だ。生まれた時から、人は《味方》、人は《正義》、妖は《敵》で…妖は《悪》と教えられ続けた。黒妖学園に入学して、様々な妖に出会っても尚、その根は変わらないし、変えられない。」





昭道は、心の何処かで分かっているんだろう。人は《味方》だから《正義》で、妖は《敵》だから《悪》だと





それは、俺たちが陰陽師の一族に生まれたその日から、既に決まっていたのだ。





その時ふと、久留里涼風を思い出した。

あの時、まるで天命とでも言うかのように付き人になるため、か細い真白な手を挙げた彼女。





まるで、生まれたその日から、紅海優に尽くすとでも言うかのように。





「なあ、我が愛しの弟よ。」



「なんだ?この歳になって不治の病になったか?」



「それ厨二病だよな、て…違う違う。なあ、天命って信じるか?」



「信じない。」





そう言ってページをパラパラめくるその姿は、多分、全く興味無いんだろうな。現に今欠伸を思いっきりした。





「じゃあ運命。」



「信じない。」



「じゃあDestiny。」



「=運命だろ。…一体どうしたんだ、急に。」



「いや、………」



「俺はそう言った類は信じないが、そう言った本ならそこの棚にある。…好きな物を持っていけ。」





そう言って昭道は顎で指図する。

その棚には多く少なくといった本が几帳面に並べてある。…ように見えるが、よくよく見れば大雑把な部分が見え隠れしている。このカバーのあるなしや巻数のバラバラ加減とかが……こん中にエロ本ないかな。





「官能小説ならあるぞ。」



「え!?マジでか!!?」



「冗談だ。」



「あべしっ。」





俺は勢い余って棚にデコをぶつかる。こんな悲しい冗談は初めてだと思いながら絶対赤くなってるデコをさする。





「……ん?」





俺がぶつかった拍子に何冊か本が落ちたのだろう。

えーなになに





《恐怖、○子は存在した!?》



○子ってなんだよ



《下半身が緩い男の扱い方》



…苦労してんな、てかマニアックだなおい



《とある花魁の物語》



花魁……、遊女?



《貴方は前世を信じますか?》



前世………





「借りたいのがあれば勝手に持っていけ、期限は1ヶ月だ。」


その期限は俺が期限内に返さないことを前提で話しているんだろうな、と勝手に自己解釈し、二つの本を手に持った。





「運命か、それとも天命か、はたまた呪いか。」



「厨二病なら他所でやってくれないか。」





弟の冷たい眼を尻目に俺は破顔う。








なあ、お前の正体を暴いてやるよ。








人の秘密を暴く

何とも言えない背徳感が、俺の心を支配した。







次回は安定の不定期ですな

ついでに言えば涼風ちゃんと他の生徒会の方との接触も欲しいですな




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