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空母 双龍 東へ  作者: 銀河乞食分隊
チタ要塞1944
56/62

チタ要塞

チタ要塞です。

かなり適当な図ですが我慢して下さい。

概要図だと思ってもらえれば。

 チタ要塞はチタ郊外に建設された要塞で、ロシアが十年の年月と多大な工費をかけて建設した。

 チタはシベリアでの要衝であり、チタを落とされれば朝鮮半島にもハバロフスク経由でウラジオストックにもニコライエフスクにもどちらにも行ける。ロシアからすれば、絶対に落とされたくない場所だった。

 チタ防衛なら一点勝負で済むが、チタを抜かれるとカイダロヴォ以東は二方向に行けるのである。ロシアの戦力では防衛は不可能だったし、ザバイカリスクから南は中華民国の領土であり、ロシア軍が展開出来る場所では無かった。

 ソビエトは間違いなく無視するであろうが。


 ソビエトにしてもロシアにしても戦争遂行にはシベリア鉄道は必須だったので有る。

 

 チタを抜かれるわけにはいかなかった。


挿絵(By みてみん)


 チタ要塞はチタ北西の湖沼群とチタの間に有るアラフレイ要塞を衛星要塞とし、後方カイダロヴォ要塞を後詰めとする要塞群である。カイダロヴォ要塞はチタが抜かれた場合の最終防衛拠点であり、いざとなれば川沿いに敷設されたシベリア鉄道を川にしてしまう使命もあった。

 要塞の建設は当然ソビエトも察知していたが、厳しい警戒と防諜態勢の前に詳細は掴めなかったようだ。

 支援用飛行場は補給の関係でシベリア鉄道沿いに設置するしか無かった。一千メートル級の小型機用滑走路は沿線沿いに幾つか用意できたが、いずれも無理な設置であったために航空機運用能力は低い。

 本格的な二千メートル級の滑走路は二百五十km離れたウクレイでないと設置出来なかった。


 アラフレイ要塞は日本海軍から提供を受けた二十センチ砲九門を最大火力として、百五十五ミリ榴弾砲十八門、百五ミリカノン砲二十門、七十六ミリ野砲五十門を備え、各所に機関銃用の銃眼を備えている。

 二十センチ砲のうち東側三門は単装砲塔形式とされ、広い射界と大仰角を得ている。最大射程は二万六千メートルであった。

 また対空砲として、日本の八十九式高角砲改二を単装で三十基以上配置している。高角砲を管制する高射装置も電探連動の最新型が供与された。


 ロシア自主開発の76ミリ高射砲も多数配備された。

 口径76ミリ砲身長五十五口径の高初速砲で860m/秒の初速を誇った。最大射高8500メートル最大射程12000メートルと言う優秀砲だった。

 野戦陣地用人力操作型と要塞用動力駆動型があり、人力操作型は大仰角での発射速度が遅くなる傾向にあった。

 動力駆動型は全仰角で毎分20発の発射速度を実現していた。動力駆動型は高射装置で管制が可能。

 人力操作型を戦車砲に改造している。


 高射機銃も三十三ミリ機銃を単装・連装・四連装と揃えている。二十五ミリ機銃も多数配置されている。

 さらに内部に戦車や装甲車を収容しており、いざとなれば進撃してきた敵の後背を突けるようにしている。

 総人員は三千人でさらに二千人収容可能な内部構造になっている。これは歩兵を除く人員数であり、戦時には歩兵が駐留する。

 食料は、五千人を一年間賄える備蓄をしている。


挿絵(By みてみん)


 日本海軍から提供を受けた二十センチ砲は、口径200ミリであった。

 それは、日本海軍が軍縮時に八インチ=203ミリでは無く、200ミリと解釈してしまったために日本海軍の条約型重巡洋艦は全艦が二百ミリ砲だった。

 高雄級建造後に気がついた日本海軍は、高雄級の近代化改装時より203ミリとしている。

 青葉級と妙高級は、全艦第二次近代化改装時に203ミリとしているが、平時の砲身交換は間隔が長く改装後も十四門が残っていた。後に要塞砲として使うつもりで保管はしておいた。まさかロシアの要塞とは思わなかった。

 その二百ミリ砲十四門を、砲弾込でロシアに譲った。砲弾は徹甲弾三千発、榴弾四千発、演習弾百発である。徹甲弾と演習弾は在庫品であったが、榴弾はほとんどがロシアで新たに製造した物だ。これで日本国内には20センチ砲の砲身も砲弾も無くなった。

 砲と弾薬はロシアに安値で譲ったが、代金は地下資源で貰った。



 要塞群の中心であるチタ要塞は、チタ南部に建設された巨大要塞である。

 ロシアは、この要塞の建設費用にアラスカで採れた金をかなり使ったという。

 この要塞の主兵装となる三十六センチ砲一二門は、扶桑の予備砲身である。正確には35.6センチ四十五口径砲である。日本の戦艦は三十六センチ砲を四十五口径から五十口径に変更しており、かなりの数の砲身が余っていた。扶桑のみ四十五口径に留め置かれていた。解体して再利用するのにも手間が掛かるため、年数本が解体されていくペースだった。

 一門辺り、徹甲弾百発、榴弾三百発、演習弾十発が用意された。

 一二門のうち、6門は単装砲塔形式で設置され、二百四十度の射界と最大仰角四十五度を得ていた。これにより最大で三万五千メートルの射程が有った。ただし周辺に設置された前進観測所の観測範囲が三万メートルまでであり、最大射程で正確に着弾させるには弾着観測機が必要であった。


 二十.三センチ砲一二門は日本海軍の重巡用主砲を利用した。砲弾は、一門辺り、徹甲弾五十発、榴弾四百発、演習弾十発だった。

 東側三門は単装砲塔形式とされた。


 砲塔動力には地下に設置された火力発電所から蒸気の提供を受け長門級同等の水圧ポンプで駆動していた。これは他の要塞も同様であり、寒冷時には余熱による暖房が提供されていた。この発電所はチタ市街へも電力供給を行っていた。


 他には百五十五ミリ榴弾砲四十門以上、百五ミリカノン砲五十門以上、76ミリ野砲五十門以上が各所に配置されていた。

 各所に機関銃用の銃眼が多数有った。


 対空火力は、八十九式高角砲改二を連装三十基、単装四十基とされ電探連動の最新型高射装置で管制していた。

 ロシア自慢の76ミリ高射砲も多数配備された。

 高射機銃は、三十三ミリ機銃を単装・連装・四連装多数を設置した。勿論最新型の射撃指揮装置で管制している。25ミリ機銃も多数配置された。


 戦車は、要塞内部に他の装甲車両やトラックを含めて五百両収容可能であり、機会を見て出撃するとした。


 要塞は七千人の人員を必要とし、戦時には一万人で維持するとした。他に歩兵二個師団が収容可能である。

 最大三万人が一年間籠城出来るような備蓄を常時確保している。戦時にはさらに上積みがある。水は豊富な地下水を利用している。


 要塞稼働時にはチタ市民はシベリア鉄道を使って後方へ退避させる。


挿絵(By みてみん)


 八十九式高角砲改二や一式三十三ミリ機銃、ホチキス25ミリ機銃はロシアがライセンス生産している物で、戦争が激しくなってくると日本はロシアから輸入するようになる。

 ホチキス25ミリ機銃を日本は輸入していたが、ロシアはホチキスよりライセンスを受け生産を始めた。

 高射装置も同様で日本では生産が追いつかなかった。




 カイダロヴォ要塞は、要塞群では最後に建設された要塞である。

 この要塞の使命はチタが抜かれた場合の最終防衛戦と共にシベリア鉄道を使われないように葬る事だった。

 川沿いに敷設されたシベリア鉄道を葬るとは、川幅を拡げてしまうことだった。道床が無くなってしまえば、ただ単に崖崩れを起こし線路を埋めてしまうよりも、鉄路再生には遙かに困難が伴うようになる。

 ザバイカリスクへの橋も落としてしまうことで、半島やウラジオストックに行く鉄路を使われにくくすることの使命の一つだった。



挿絵(By みてみん)



 36センチ砲は勿論艦砲である。砲塔式ではない。線路の破壊が出来るだけの射界があれば良かった。

 1門辺り徹甲弾二百発、榴弾二百発、演習弾十発が配備された。

 百五十五ミリ榴弾砲二十門

 百五ミリカノン二十門

 76ミリ野砲三十門

 機関銃多数

 

 対空兵装は

 12.7センチ高角砲改二を連装十基、単装二十基

 76ミリ高射砲三十門

 一式三十三ミリ機銃単装、連装、四連装多数の他25ミリ機銃も配備された。


 チタまで敵が迫れば、ザバイカリスクからカイダロヴォまでの住民は撤収してシベリア鉄道でハバロフスクまで避難する事になっていた。


 この要塞は二千名の兵で運用されるが、戦時には三千名とされた。内部には一個師団が収容可能である。

 食料なども一年分が常に保管されていた。





 ソビエト軍がチタまで直線距離で二百二十キロのヒロクまで進出したという情報が入ったのは1944年4月の事だった。

 お互いに物資の蓄積を行い、偵察を繰り返す日々の終わりだった。高度三千でマイナス四十度以下ではとてもでは無いが、空中戦闘など出来なかった。

 この頃アメリカから援助されていた機体は、以前と同じP-40とP-39にB-25だった。

 アメリカは排気タービン装備機を海外に出す気は無かったようである。ただ、ソビエトが延々と文句を言い続けた高空性能は、過給器を一段二速過給器に変更することで上がっていた。

 ソビエト製戦闘機もLa-5が配備された。この機体は鍾馗と互角に戦うことが出来る唯一の機体だった。

 この機体の配備により、百式司令部偵察機の損害が増えていった。

 

 対して日本であるが、待望の鍾馗二型が配備され始めた。二型は魁エンジンが二千馬力になり、改設計された主翼には九十九式一号三型二十ミリ機銃が装備された。ベルト給弾で装弾数は二百五十発である。

 武装は機首十三ミリ二丁と主翼の二十ミリ二丁になり、威力が増した。

 エンジン出力上昇分と主翼改設計による速度上昇は装備の重量増を上回り、最高速度六百四十五キロを記録した。


 



チタ要塞はソビエトの進撃を阻むことが出来るのだろうか。

我に数倍する物量で攻めてくるソビエト軍。

チタ要塞の運命やいかに。


要塞シリーズはニセコ要塞から読んでいます。

この章の題名からも分かる人は分かったでしょう。

この人の作品は「神鳴る永久の回帰」から読み始めたのかな。「宇宙元年新創世記」までは巻行順にハードカバーが本棚に収まっています。

読んだのはビッグウォーズシリーズと要塞シリーズ、紺碧の艦隊、旭日の艦隊は途中まで。はっきり言うと艦隊シリーズは飽きました。

伝記物は読んでいないです。

いつかビッグウォーズシリーズ完結の文字を目にしたいです。


次回は未定です。




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