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空母 双龍 東へ  作者: 銀河乞食分隊
燃えるミッドウェー
52/62

日本国内で ミッドウェー後

ひさしぶりです

書き溜めておいた物で短いです

 ミッドウェーでアメリカを痛めつけた日本であるが、かの国はそんなこと無かったかのように振る舞っている。

 日本が構築しかけていた北米諜報網は無くなってしまったが、幸いイギリス経由で情報が入ってきた。

 アメリカは海軍の艦艇数は揃ってきたものの、ベテランは戦死したり捕虜になったたりしてかなりの数が失われた。


 正和十七年十月


 マーシャル・ミッドウェーと続いた敗戦。その結果、練度がかなり低下しているとのこと。特に艦載機パイロットの技量低下が深刻で有るという報告があった。

 

「これはあれか。当分海軍は作戦行動が出来ないと」


「今年の暮れでは無理だろう」


「練度が上がっても、空母三隻と軽空母三隻で何が出来るんだ」


「ウェーク島攻撃でしょうか。こちらの空母部隊の配置次第ではやられる可能性があります」


「マリアナはどうなのだ」


「マリアナはサイパン島だけですからね。不安はあります。ですが陸軍さんが気合いを入れて要塞化していますから」


「要塞化か、まさかミッドウェー並じゃ無いよな」


「まさか、我が国にはあんな事やれるだけの予算も人員もありません」


「どのくらいやったんだ」


「航空基地が三カ所と、各地に地下通路だそうです。一年は持たせてみせると豪語しています」


「そりゃいいが、アメリカ軍が国際条約を無視して、グアム・テニアンの基地化を図ったらどうする」


「やりかねませんが、今度やったら国際社会から総スカンです。アメリカ合衆国とソビエト人民共和国に共産中国で世界征服が出来れば、やるんでしょうけれど」


「無理だな。ソビエトと共産中国はアメリカの支援が無いと戦えないはずだ。アメリカだって、さすがに日本とイギリス、両方相手には出来ないだろ」


「海軍力が続かないでしょうね。度重なる消耗に耐えられないでしょう」


「そうだ。そうすれば両国への支援船団も途切れる」


「思い切ってグアムでも攻略してくれると都合がいいのですが」


「国際条約は無視するし自分たちが始めた支援を都合が悪くなると勝手に打ち切るか?戦争が終わった後どうする気なんだ」


「さあ?」


「海軍はどうなっている」


「戦艦甲斐が竣工しました。来年春の戦力化です。空母海龍が来週竣工します。同じ頃に戦力化出来るかと。越百級重巡八海が竣工しました。軽巡夕張、夕雲級二隻と秋月級一隻も竣工しました」


「海外からの輸入はどうなっている」


「アメリカが予想以上に嫌われています。戦時国際法とか中立国の義務とか盛んに言っていますが各国とも相手にしていません。かえって自国のやっていることはどうなんだと、疑問を持たれていますね」


「ソビエトと共産中国への輸出か」


「それだけではありません。ポーランド侵攻中も今現在もドイツへも輸出しています」


「何でも有りかよ」


「そのおかげで我が国は輸入が出来ていますので、なんとも」


「アメリカが無視しているなら自分たちもか」


「そうですね。たださすがに迂回航路と第三国経由は取っていますが」


「この情勢で第三国経由って意味があるのか」


「戦争が終わってから意味を持つのでしょうね」


「アメリカってドイツを批判していたよな?」


「そうですね。ポーランドの独立は保たれるべきだとか言っていましたが、ソビエトにもドイツにも輸出は続けていますね」


「なんで分かった?」


「ソビエト向けの船団に相当数のドイツ商船が混ざっていました。イギリス他フランス、ノルウェー、デンマーク、スウェーデンが確認しています」


「ドイツも組み入れたのか?それともドイツから寄っていったのか?」


「分かりかねますが、ヨーロッパ各国はかなり警戒しているようです」


「まあいいか。でも不思議だな。宣戦布告はしても戦争状態になっていない」


「今ドイツと始めると、アメリカとソビエトがどう出るか分かりませんから」


「アメリカのことだ、ドイツ向けにボロい商船を仕立てて沈められたとか言いそうだな」


「それを警戒しているようです」



 昭和十八年二月


「アメリカが空母の建造数を減らしているようです」


「どうする気だ」


「戦艦を作っているとか」


「そう言えば新型は一隻しか残っていなかったな。旧式戦艦だけでは不安になったか」


「でも護衛空母とか言う軽空母はかなりの数を作っているようです。それと旧式戦艦なら大規模な機動部隊の構成が可能です」


「全速で二十ノット出ない奴な。だが確かに数で押されると驚異だな」


「ひょっとしたらそれが分かっていないのかも知れません」


「いや、分かっているだろう。使うタイミングが無いのかもしれん」


「使うタイミングですか?」


「発見されれば速力で逃げることはまず無理だろう。だから正規空母で編成された機動部隊を囮にして目的を達成するかもしれん」


「目的ですか?」


「知らん、奴らに聞け」


「軽巡石狩が竣工しました」



 正和十八年五月


「イギリスからですが、ソビエト向けの船団が規模も回数も増えているそうです」


「ソビエト向けか。ソビエトと共産中国で何かやる気か?」


「ソビエト単独でしたらいろいろ有りますが、組んでやるとなると絞られてきます」


「そうだろうな。ロシアか中華民国しか有るまい」


「どうしますか。一応警告しておきましょうか」


「ロシアは多分掴んでいるだろうが、中華民国は無いな。よし、流しておけ」


「空母ですが、雲鷹・冲鷹・大鷹・神鷹が竣工しました。年末までに艦隊編成に組み込めます。夕雲級が四隻、秋月級が五隻竣工し、年末には艦隊編成に組み込めます」


「アメリカの動きが無いが」


「戦艦を作っているのでエセックス級が遅れているようです。最新情報ですと来年の春までに三隻が竣工するようです」


「そいつらが前線に出てくるのが早くて夏か」



 正和十八年八月


「ソビエトが動きました。ロシアです。中華民国ではありません」


「共産中国は」


「相変わらず北京を目指しています。いくらやられても不思議なくらい北京を目指します」


「ではソビエト単独か。案外、共産中国を見放したのかもしれんな」


「有りますか?」


「ここまで愚鈍な動きを見せるとな。北京に何があるんだ?」


「案外、天子様の玉璽かも知れませんよ」


「まさかな」


「支援はどうしますか」


「既に戦車一個師団が行っているだろう。航空一個師団も」


「はい、歩兵はどうしましょう」


「二個師団送ろう。航空はもう一個師団追加で」


「アメリカ海軍はどうなっている?」


「動きはありません。こちらの挑発にも乗ってきません。はやり戦力を溜めてからでしょう。戦艦は六隻が工事中と言うことです」


「六隻か。豪勢だな。こちらは来年の夏か?信濃の竣工は」


「そうですね。そのくらいです。空母雲龍と改最上級の伊吹が竣工しました」


「余り戦力差が開かないうちに勝負をしないとな。それにもう奴らの練度も戻っているだろうし」


「そうするとやはりハワイと言うことになりますが」


「その頃にはミッドウェーはもう使えるだろうから、北からは無理だな。南からになる」


「ハワイは真珠湾のみに限定して攻撃ですが、その分守りも堅いでしょうし」


「悩むな。奴らから攻めさせるのが一番か。しかし、挑発にも乗らないんじゃな。もう一回ミッドウェーをやるか?」


「しかし、最近はミッドウェーやサモアは哨戒網がきつくて潜水艦が近寄れません。情報統制もしっかりしていて、どうなっているのか不明です」


「潜水艦の奴らに負担を掛けるしか無いか」


「北回りならシアトル辺りまでいけそうです」


「アラスカ沖を通過か」


「そうです。あそこはロシア領です。領海に入らなければ問題ないと考えます」


「アメリカの哨戒網はそこまで行っているのか」


「カナダ沖まで行きましたが、たまに飛んでいるだけのようです」


「イギリスを刺激したくないか」


「そのようです」


「そうか、軍令部にアラスカ沖で潜水艦への洋上補給の可能性と西海岸の通商破壊が可能か検討するように指示してくれ」


「航空ガソリンですが、百オクタン燃料の量産が可能になり、年末から生産が始まります」


「アメリカ並みの奴か?」


「あれほどでは。苦労して入手した少量のサンプルですが精製方法の見当も付かないそうです」


「アメリカの技術力は凄いからな」


「それでも今までのガソリンに比べて、ブースト圧を上げることが可能で五%から十%の出力上昇が可能とのことです」


「期待していると伝えてくれ」





通商破壊戦開始か

と言うより今までやっていなかったのか(作者が忘れていただけとも言う)

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