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空母 双龍 東へ  作者: 銀河乞食分隊
燃えるミッドウェー
25/62

マーシャル後始末 ミッドウェーが 

火龍・雷龍を書こうと思ったら四千文字に


ミッドウェーがどうした

 艦政本部では


 金剛はサイパンの海岸に乗り上げている。よくここまで持ったものだ。修理するかどうか艦政本部と軍令部・海軍省でもめている。艦齢が古い艦にそこまで手間を掛けるのか。大事な戦艦だ、必ず修理して復活を。

 


 那智はスクリューの損傷で五ノットしか出していない。今横須賀に向かってきている。その状態で呉に行くのは無理だ。外側スクリューからひどい異音と振動が出るそうだ。至近弾で外側のスクリュー支柱が曲がってしまい無理が掛かるのではと言うのが、艦側の考えだ。今は両外側スクリューを停止し内側だけで航行しているが、抵抗が大きく二軸巡航では十ノットも出ないそうだ。


 龍鳳は舞鶴。前部エレベーターがバラバラだ。エレベーター支柱が曲がってしまい、艦上では修理できなかったという。格納庫の床も変形がひどい。二ヶ月くらいか。


 翔鶴は横須賀。斜行甲板に五十番程度の爆弾を二発喰らい斜行甲板の先が無くなっている。付近も弾片でズタズタにされた。どうするかな。

 斜行甲板が無くとも従来型の空母としては使えるんだ。ひょっとしたら斜行甲板部分は修理せずと言うことになるかも知れない。


 火龍と雷龍は呉。火龍は、艦橋が無くなっている。魚雷は艦橋直下に命中した。上下作業は危険だな。穴を塞いだらドックから追い出そう。

 雷龍は左舷対空火器群が全滅だ。飛行甲板も少しやられている。至近弾の後を修理したらすぐドックから追い出す。後は岸壁で出来るだろう。

 設計者が二人で飛んでいった。何かあるのか?


 摩耶は損傷がひどすぎ廃艦と決定された。アレは修理より新造の方が早い。どうやったらあんなにボロボロに出来るのだろう。

 防御区画には何の異常も無い。ただ上部構造物がボロボロだ。

 修理するとしたら喫水線から上を全て作り替えだな。やはり新造の方が早そうだ。


 足柄は佐世保行き。佐世保で詳しく検査して、廃艦か修理か決定するのだろう。

 前部砲塔全てと艦橋がかなり破壊されている。五番砲塔も破壊されている。他にも被弾後がひどい。


 伊勢は缶室に喰らった。良く沈まなかったものだ。缶が二基しか生きていなし浸水が激しいので出しても五ノット程度しか出せん。八ノットも出すと防水隔壁が不安だそうだ。いつ到着するのか。

 個人的には金剛よりもこちらの方が大事だと思うのだが。


 日向は機関は元気なんだ。全力発揮可能。ただ艦尾に食らった一発のせいで水面下に破孔が出来たのと船体外板が変に変形したようで、直進が出来ないと言った。二十ノット以上に上げると艦尾の振動が激しいらしい。

 主砲塔が一基消し飛んでいる。良く弾火薬庫が誘爆しなかったな。弾火薬庫への注水を決断するのが早かったと言うことだ。四番砲塔はターレットが変形して動かない。

 ドック入りして艦尾はばらしだな。


 霧島は運がいいというか、艦首に喰らったが非装甲区画だったのが良かったのか、不発だったようだ。貫通されてきれいに穴が空いている。


 大和は呉。艦首は大工事だな。碇関連がまとめて無くなっている。中央部ではあのお高い高角砲が三基吹き飛ばされている。建造中の夕雲級の物を持ってくるか。作るにも時間が掛かるんだよな。

 他にも被弾後が多い。

 40センチ砲戦艦二隻と撃ち合うと言うことは被害はとんでもないと言うことだ。他の艦なら確実に大破か廃艦扱いだ。


 高雄は呉。飛行甲板から後ろはめちゃめちゃだ。怖くなって魚雷をほぼ照準無しで敵に向け発射したそうだ。反対舷の魚雷と予備魚雷は投棄したそうだ。そのせいで魚雷が誘爆すること無く生き残った。魚雷は当然当たらなかった。

 誰だ、これを中破などと報告した奴は。大破じゃないか。え?艦橋より前はほとんど被害が無いから中破で良いと思った?馬鹿野郎。


 妙高は舞鶴。主砲塔が二基大破している。後部艦橋が崩れ落ちている。よくこれだけで済んだものだ。


 鈴谷は佐世保。艦首フェアリーダー付近を吹き飛ばされている。菊の御紋章が無い。高角砲が二基損傷している。


 熊野は呉。航空機揚収デリックが後部アンテナマストごと大きく傾いている。


 阿賀野と五十鈴は横須賀。共に小口径砲による被害で、すぐに復帰できるだろう。


 山雲・夕立はサイパンまで持たなかった。


 他の駆逐艦は、5インチと思われる小口径砲弾を被弾したため、大けがでは無いが破損箇所が多かった。


 直衛艦は皆至近弾による被害だ。ドック入りだな。




 ドックで建造している艦は正式な進水式などやらず簡単に済ませてにサッサと出渠させよう。


 戦時だから許されるよね。でないとドック入りさせないといけない船が多すぎて修理用ドックだけでは間に合わないんだ。



 修理担当者の悩みは尽きない。



 火龍・雷龍、設計者の悩みも尽きない。いやこれは悩みでは無い。煩悩だ。



 参ったな。火龍が被雷した。艦橋直下だ。艦橋も降爆で吹き飛ばされた


 雷龍は左舷対空火器群が全滅だ。飛行甲板にも穴が空いた


 雷龍から先にドック入りして破損箇所の調査と修理だな


 火龍は来週ドックが空くと言うから、艦橋跡地を整備しておく


 艦橋跡地?


 そうだよ


 なぜ跡地?


 艦橋は一個でいいだろ


 一個って、ひどい言い草だ。まあ確かに右と左だ。やりたいことは判る


 判るだろう。これは浪漫だ


 いや浪漫はいいけど、やはり個別の艦にすべきだ


 

 いつものようにぐだぐだで終わる。呉の宿舎は一杯だったので、旅館と思ったら旅館も一杯だった。仕方ないので、少し離れた旅館に入る。


 雷龍がドックから出て、火龍がドック入りして水線下の修理をしていた頃、急報が入った。


 正和17年2月中旬


 

 アメリカ軍、ミッドウェー島を要塞化。



 サモア軍港化を受けて、アメリカ太平洋側の島々を改め偵察した。

 ミッドウェー島は原形をとどめないほどにコンクリートの塊になっている。

 乙型潜水艦イ-五十二が搭載偵察機で撮影した写真だ。


 すでに日米とも基地には電探が設置されている。

 潜水艦搭載の零式小型水上偵察機ではまともに接近も出来ない。イ-五十二は夕暮れ時を狙って西側から水偵を侵入させた。

 太陽で電探の分解能が落ちている方向から極低空(高度十メートル程度)を保ち、島近くで一気に上昇し上空からの撮影に成功した。復航は無く一航過だけであった。余程の予想外であったのか対空砲火は無く、離脱時に一撃されただけだった。

 帰還時にも極低空を保ち、太陽方向に飛行。追撃機は無かったという。

 イ-五十二の引くウェーキに着水した水偵は、カメラの回収後収容せず水没処分とし、速やかな潜水で撤収した。

 イ-五十二は生存確認の無電だけ発信しウェーク島に立ち寄り、艦内で焼き増しした写真を航空機で本土に輸送依頼。イ-五十二も帰還するのであった。

 

 この偵察結果を受けた軍首脳部の衝撃は大きかった。

 

 水偵は西から侵入し、そのままサンド島とイースタン島の上を航過して写真撮影をした。水偵の性能からして急上昇した所で高度は三百位であったが、逆に大写しで鮮明な写真が撮れた。

 サンド島に二千メートル級滑走路と一千メートル級滑走路二本、イースタン島にも二千メートル級滑走路と一千五百メートル級滑走路と一千メートル級滑走路が一本ずつ設営されていた。どれだけ埋め立てたのやら。

 掘削したのか一万トン級貨物船がラグーン内のサンド島側埠頭に接舷していた。

 イースタン島にも同じ規模の埠頭があり同程度の船舶の接舷が可能とみられた。


 アメリカの土木能力恐るべしであった。いつ頃からやっていたのか判らないが、こんな果ての島を要塞化したのだ。

 兵舎や格納庫が多数見られ、清水製造工場とみられる建物もあった。

 搭乗員の話では、浚渫船とみられる船が居たと言うことだった。


 明らかにハワイを守り北太平洋を守るための要塞である。更に前線基地としても十分な能力が有ると見られた。


 軍令部をはじめ多くの見方は、ハワイを守り北太平洋を守るための要塞で有ろうという考え方が多かった。


 一部の少し斜めに者を見る人間は、ハワイで見られたくない船を停泊させるためでは無いかと言う。

 見られたくない船とは何か。ズバリ軍艦であろう。しかも空母。ここなら見られる心配も無く制限空域も無く訓練はやり放題だろう。


 ウェーク島を攻略されて同じようにされたら大変だぞ。全員が色めき立った。お前そんなこと言うなよ。考えたくも無い。阿鼻叫喚ほどでは無いが、混乱した。


 ウェークを取られたらマーシャルよりきつい。日本近海全てが潜水艦の活動領域になる。ウェーク島から大阪まで三千五百km。横須賀まで三千二百km。潜水艦どころでは無い。少し遠いが水上艦隊の行動範囲内だ。自分たちだってこの間マーシャルへ行った。


 艦隊泊地にはならないが、補給基地としては十分だ。二千メートル級滑走路を二本設営できる土地もある。大型機なら半径五百海里が哨戒圏内になるだろう。


「どうする」


「ミッドウェー島を完全に破壊するか攻略するかだな」


「完全に破壊って、どうやって」


「戦艦の艦砲射撃だな。その後爆薬を仕掛けて細分する」


「破壊してもあの土木能力だぞ。必要ならまた作るのでは無いか」


「我が国ではどうだろう」


「そもそも造れんと言うか造る気も無い。造る気があればマーシャルに造っている」


「それもそうか」


「攻略か?」


「攻略しても補給はどうする。清水製造工場が必要な場所だぞ」


「ウェークからなら二千km無いだろ」


「ハワイからもそのくらいだけどな」


「どうしよう」


 数日後、決定が出た。


 ミッドウェー島攻略


 期日は五月下旬から六月初め。


 戦略目標 ミッドウェー島を攻略しハワイ監視基地とする。


 戦術目標 アメリカ軍空母の壊滅

 

 六月は早過ぎるという意見が多い。

 マーシャル海戦の損傷復旧工事が終わりきらないからだ。

 昨年末から徴兵を始めたがようやく海兵団に慣れてこれからという所、あと半年はかかる。

 海兵団を出て艦隊に配属され、艦になれるのに三ヶ月。かろうじて一人前と言えるようになるまで更に三ヶ月から半年。専門職ともなれば、更に日数は掛かる。

 要するに今居る人員で戦うしか無いのだ。

 もちろん平時から募集を掛けていたが、それでは戦時急造で増加する船の数に人員が追いつかなかった。

 

  だが作戦を決定した要因の一つにアメリカ海軍の新型艦就役が早まっているとの情報があった。

 特に重要なのが空母で、エセックス級が三月に竣工したという情報が入った。夏の筈であった。

 今後エセックス級が二ヶ月に一隻の割合で就航してくるらしい。

 だから今太平洋に居る空母を全滅させようというのであった。 

 成功すれば、空母戦力で優位な期間を延ばすことが出来る。




ミッドウェー大変素敵に変身


戦略目標か

これに戦術目的とか加わるからおかしくなるんですよね


火龍・雷龍は次話で

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