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クリスタルタロス
青い空、白い雲、陽気なカラリとした天気。スティニスと旅路を共にし、ついにクリスタルタロスに辿りついた。見知った顔がこっちに駆けてくる。
「お~い!ファンテーヌ様」
「…もう、ファンテーヌったら来るのが遅い!待ちくたびれちゃったわ。」
「…いるか?」
さっきまでの怒気はどこへ行ったのか、スティニスの渡した菓子に飛びつくゾエ。
「わあ、ありがとう!砂糖菓子好きなのよ。…っていうか、あなた誰?」
「スティニス・ノーベル・ビレホロンヌ・トゥラトゥリッシュ。スティニスで良い。」
「…なかなかいい男じゃない!」
「ゾエ…言っておくが、我が妹の夫だ。ヘンな気を起こすなよ。」
「ふ~ん…そうなんだ。なんか残念。」
日常の光景になんだか気が抜ける。
「ファンテーヌ、家にくるか?連れの者も、もてなそう。」
キラキラしたゾエの目がこちらをじっと見ている。子供が親におもちゃを買ってもらって、喜ぶときの顔に似ている。ラウルはというと…豪勢な食事を期待しているのがスケスケな顔だ。
「…ありがとう、いくよ。結婚式以来、フォーリィアには会っていないからな。」
こうして、ゾエとラウルは軽やかな足取りでスティニスの家へ向かったのでした。




