全米が鼻で笑う「救世主ごっこ」の幕開け
今現在カクヨムでは13話
窓際の席で、四月一日 白夜は、手元のスマホで海外の炎上動画を眺めていた。イヤホンからは、誰かが必死に正義を訴え、それを嘲笑う野次馬の怒号が流れている。
「あはは、最高。この『自分が正しいと信じて疑わない顔』、ドブカスすぎて反吐が出るね」
教室では、クラスのリーダー格である熱血漢・五味が、文化祭の出し物について熱弁をるっていた。「みんなで力を合わせれば、最高の思い出になるはずだ!」という青臭いセリフ。
白夜は小さく吹き出した。
「ねぇ五味くん。その『最高の思い出』ってさ、全米が鼻で笑うどころか、隣のクラスの犬ですらあくびして寝ちゃうレベルの低俗な自己満足だって、自覚ある?」
「……なんだと、白夜! お前、いっつもそうやって……!」
五味が顔を真っ赤にして詰め寄ろうとした、その時だった。
教室の床に、禍々しい幾何学模様の光が溢れ出す。クラス中が悲鳴に包まれ、視界が真っ白に染まっていく。
「え、マジ? このタイミングで異世界転生? テンプレートすぎて、もはやギャグだろこれ」
白夜だけが、冷めきった目でその光を眺めていた。
異世界の謁見の間。
豪華絢爛な玉座に座る王が、仰々しく腕を広げた。
「おお、勇者たちよ! 魔王の脅威からこの世界を救ってほしい!」
周囲のクラスメイトたちは、恐怖と困惑、そしてどこか「選ばれた」という高揚感に震えていた。五味が真っ先に一歩踏み出し、拳を握る。
「……やりましょう! 俺たちが、この世界の人たちを守ってみせる!」
その横で、白夜は腹を抱えて笑い出した。静まり返る謁見の間。
「あははは! 傑作だね! 知らないおじさんに『人助けしろ』って言われて、二つ返事で使い捨ての駒になるわけ? 君たち、脳みそにドブ川でも流れてるの?」
「貴様! 王の前だぞ!」
騎士が剣を突きつけるが、白夜は鼻で笑い、ステータスプレートを確認した。
【四月一日 白夜】
職業:超越者
スキル:迷宮主宰 / 現世接続
「へぇ、超越者ね。……あ、これ、この世界のシステムそのものを弄れるやつだ。ガバガバすぎて笑えるわ」
白夜は指をパチンと鳴らした。
すると、豪華な床が突如として泥沼のような黒い穴に変わる。
「うわあああ!?」
悲鳴を上げる五味たち。白夜はその縁に立ち、冷え切った目で見下ろした。
「いいよ、やってみなよ。『勇者様』の攻略ごっこ。僕は一足先に日本に帰って、恵さんの味噌汁でも飲んでるからさ」
白夜はそのまま、自分専用の「現世行きゲート」を空間に抉り出した。
「あ、そうだ。君たちが死ぬ気で魔王を倒して、ボロボロになって日本に帰ってくる頃……最高のサプライズを用意してあげるから。楽しみにしててね?」
白夜は嘲笑を残し、一人だけ日本へと消えていった。
残されたクラスメイトたちの「努力」と「絶望」の3年間が、今、最悪の形で幕を開けた。
カクヨムにも同じ作品がありますが本人ですので…
いや底辺だから誰も見ないか
ハハハ(絶望)




