スパイ発見です
「質問は以上です。
そちらの扉から、退室下さい」
私は右側のドアを示す。
「は、はい」
その侍女はチラっとこちらを伺いつつ右側の扉を開けて出て行った。
1人づつ面談をして、当たり障りのない質問にいくつかのキーワードになる質問を織り交ぜた。
そしてその質問に嘘をついた者を右の扉へ誘導したのだ。
10人の侍女のうち2人が右側、後の8人は左側の扉から出る事になった。
右側のドアの外には騎士達が待機している。
部屋を出た途端そのままロジェのように謹慎させる事になっていた。
「さてと、サリー、マルグリット姉さんお疲れ様。
思ったよりは少なかったね」
「スパイなんて、2人もいれば十分でしょ?
フランカったら、まったく」
と姉さんに呆れられてしまった。
「エヘヘ、次は騎士団の方だね。
サリー、お茶飲んで一息ついたら行くからクライブ団長に伝言しといてくれる?」
「かしこまりました。直ぐにお茶をお持ちしますね。
お待ち下さい」
そう言ってサリーは出て言った。
何も言わなかったけどきっとそれなりにショックだろうな。
数ヶ月とはいえ自分の部下として付き合ってきた子達の裏切りだ。
「サリー大丈夫かな?」
「侍女長はしっかりしているから、大丈夫よ。
フランカが来て話を聞いた時点で腹を括っている筈だもの」
「でもさ、昨日ロジェに操られていたと分かったばっかりだし。
何か追い討ち掛けちゃった事になるでしょ?」
「サリーは自分の気持ちより、王妃様の身の回りの安全を優先させているわ。
それがサリーの侍女として矜持よ」
とマルグリット姉さんに言われて、私もハッとした。
「そうだね。反対にサリーに失礼だった。
ごめんなさい姉さん」
「ずっと一緒にマリーエル様に寄り添っていた、サリーとフランカだもの。
あなたが戦友としてサリーを心配する気持ちも分かるわよ」
優しく肩に手を置いて、慰めてくれたマルグリット姉さん。
ありがとう。
コンコン
「お茶をお持ちしました」
カーラ副侍女長がお茶を運んで来てくれました。
そう、カーラはあの西の離宮に一緒に行ったカーラです。
あの頃は侍女班長でしたが、この度副侍女長に昇格したそうです。
「カーラ久しぶり、副侍女長だってね。おめでとう」
「ありがとうございます。
フランチェスカ様、またご一緒出来て嬉しいですわ」
とカーラが嬉しそうに言ってお茶の準備をしてくれました。
「サリーはどうしたの?」
「すみません、侍女長は王妃様に呼ばれまして。
あっ、フランチェスカ様の伝言はちゃんとルーシーが伝えに言ってます」
と教えてくれました。
「うん。サリーの仕事ぶりを疑ったりしないよ。
ありがとう」
私達はゆっくりお茶を頂いた。




