表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役メイドだなんて言われましても困ります  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

105/123

105



 我に返ったヤッセムによって、ドニカが拘束される。

 暴れたり抵抗したりしてはいないが、騒がれるのも困るのだろう。


 その様子に小さく胸は痛むが、今はフィー自身も連行される身だ。

 最悪の場合、逃走する際にドニカを連れ出す可能性もあるが、どの道それは『今』ではない。


 まずはメナジア夫人…もしかしたら当主も…かもしれないが、彼等と対面してみない事には始まらない。


 フィーが歩き出した事で、先導していたサリタもハッとして歩き出した。




 向かった先は本棟にあるメナジアの私室。


 てっきり離れとか地下に連行されると思っていたのだが……。

 室内は無人で、そのまま待つように言われた。


 暫くすると扉が開かれ、メナジア夫人と、その後ろにイメネアとユーミが続く。

 イメネアとユーミはフィーと目が合うと、泣きそうな顔になって、身振り手振りで『ごめん』と伝えてきた。


 実際、フィーは不在になっていたし、気付かれない方がおかしい状況だったのだ。イメネアやユーミを責めるつもりなんて欠片もない。


 メナジアが、フィーの正面に位置するソファに腰を下ろし、ふぅとこれみよがしに大きく息を吐いた。


「で、どう言う事なのかしら?」


 さて……どこから話せばよいのやら……。

 とはいえ、まずは謝罪するべきだろうと、フィーは深く頭を下げて謝罪する。

 そんなフィーに、メナジアはまたしても大きな溜息を零した。


「フィー…貴方の事を信じていない訳ではありませんが、翻意ありととられても仕方ないと分かっているでしょうね?」


 言い分はわかる。

 仕えるアンネッタに嫌がらせをしていた相手を保護し、その上仕事をほっぽって看病までしたのだ。

 成り行きだっただけだが、そんな言い訳が通用するかは怪しい。

 重ねて謝罪すれば、ドニカを保護した理由を問われる。


 状況的に成り行きだった部分も含め、アンネッタに絡んでいたのが、彼女自身の意思ではなかった可能性がある事も、併せて報告する。


「どう言う事?」


 メナジアがソファの背凭れから半身を乗り出し、思い切り眉間の皺を深くした。

 報告に至れなかった事情を始め、諸々を話しだすと、メナジアは難しい表情で蟀谷(こめかみ)に指先を押し当てる。


「……ぃえ、ありえないでしょう。

 使用人が主を操る?

 そんな事、あり得る訳が……」

「はい、普通でしたら考えられない事態です。

 しかし、どうやらナホミと言う人物…人柄が大きく変わっているようなのです。

 もしかすると乗っ取られたのかもしれません」


 メナジアだけでなく、サリタや、後ろで萎れていたイメネアやユーミも、驚愕の形相で固まっている。


「乗っ取……まさか、悪霊なの…?」


 この世界にも『悪霊』等の概念はあるのだ。

 地球でも実際にあった事だが、狂犬病などの病が原因で、人間らしからぬ行動をとる者を『悪霊に憑かれた』『悪魔に魅入られた』等と考える事は、自然な流れなのだろう。


 少なくとも前世だの、ゲーム云々(うんぬん)だのの話をするより、この世界の人間には理解しやすい筈だ。

 それに、全くの見当違い…と言う訳でもない。

 転生なら兎も角、憑依なら『憑かれた』状況である事に間違いはない。


「モーソー嬢は幼い頃より、令嬢として真面(まとも)な扱いを受けていなかった事は調査済みです。

 その彼女に寄り添い、信頼を得たのがナホミと言うメイドだった事も、本人の話だけでなく聞き取りでも確認しています。

 その信頼に付け込み、意のままにしていた節が見受けられるのです。


 今回の一連で、首謀がモーソー嬢でないなら、彼女だけ…生家の男爵家も含めて処罰したとしても、それでは話は終わりません。

 使用人だからと甘い判断をした場合、悪意を野に放って残してしまう事に繋がります。

 根幹をどうにかしないと、お嬢様にも公爵家にも、安寧は遠いのではないかと考えたのです。


 その為、モーソー嬢本人の話を聞き、首謀と(おぼ)しき人物と引き離すことも必要だと……。

 まだ確証がなかったため報告できず、本当に申し訳ございませんでした」


 メナジアは力が抜けてしまったのか、乗り出していた半身をドサリと背凭れに預け、蟀谷(こめかみ)を揉みながら、ゆるゆると首を横に振っている。


(お願い……奥様、これで何とか誤魔化されて!!

 まるっと嘘って訳じゃないから!!)


 フィーは無意識に、祈るように目を閉じた。








ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。


リアル時間が少々慌ただしく、隙を見計らっての創作、投稿となる為、不定期且つ、まったりになる可能性があります。また、何の予告もなく更新が止まったりする事もあるかと思いますが、御暇潰しにでも読んで頂けましたら嬉しいです。


ブックマークやリアクション等々も、頂けましたらとても励みになりますので、どうぞ宜しくお願い致します。

ブックマークや評価等々くださった皆様には、本当に本当に感謝です。


誤字脱字他諸々のミス、設定掌ぐる~等々が酷い作者で、本当に申し訳ございません。見つけ次第ちまちま修正したり、こそっと加筆したりしてますが、その辺りは生暖かく許してやって頂ければ幸いです<(_ _)>

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ