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「あたし、自分で何も考えなかった。
だから当然の報いって奴だよね。
うん、ちゃんと償わないと……でも、その前にアンタ…ううん、貴方に謝っておかなきゃって…」
ドニカは泣き笑いの複雑な表情で、首を少し傾ける。
そんな仕草さえも可愛らしくて、なんとなく『腐っても主人公だな』なんて、ズレた感想が浮かんだ。
だが、ここでフィーの脳裏を過るモノがあった。
(主人公……そう、主人公…なのよね? 多分。
いくら平凡主人公をウリにしてたゲームとは言え、ヒロインなら特別な何かを、一つくらい持ってたって不思議じゃない。
それにゲームそのままの世界じゃないんだもの。お嬢様の瞳の色だって違うんだし。
そうよ…もし、そう言うのがあれば、奥様に交渉を持ちかけられるかも…。
って……あれ?
そう言えば、かぼちゃラーメンは血に反応するとかルルさんは言ってたけど…ヒロインも同じ血筋になる?
今の場合だと、ドニカはセル様達と同じ血脈…って事?
さっくり調べた時、モーソー家に他国の血が入った、なんて記述は見つからなかったわよ??
待って…それ以前に、あの武器ってヒロイン以外が持っても反応しないとか言う設定があったわよね。
深く考えた事なかったけど、それって遺物の方に選別されたって事にならない?
遺物自身が所有者を決める……それに相応しい何かを、ヒロインは持ってたって事になるんじゃないの?
それが血筋? それとも違う何か?
その辺りは不明だけど、武器であると同時に鍵でもあるのだから、誰が持っても良いって代物じゃないと言うのは、うん…理解可能。
あ~~色々とさら~っと流されてたわよね…細かい設定なんて、あったとしてもテキストで流れればマシって感じだったものなぁ。
つい連打で読み飛ばし…なんて事も多々あったし、私自身、睡眠不足で朦朧としながらやってた事もあったから、結構覚え違いとかしてそう…。
改めて纏めるわよ。
えっと、ヒロインは今の所ドニカだと思われる、これは大前提。
で、かぼちゃラーメンは遺物で武器で鍵…ここは…今の所ゲーム内設定だけ。ルルさんにセル様に聞けと言われたけど、結局聞きぞびれてるし。
ゲーム内では森の中で見つかった…ただ、どう言った手順で見つかったのか、これは私があまり覚えてない。
祭壇みたいなものがあったとか……殆どがテキストだけだったから、正直自信がない部分なのよね…。
でも、ゲーム設定は兎も角として、鍵である側面があるのだから、所有者を遺物側が選んでる可能性はある。
その場合、選ばれる基準があると思うのよ。
血筋だと言うなら、そこはおかしな事になるのよね。
モーソー家に隣国の血が入ってた…なんて事実は見つけられてない。ザル調べだったのは否定しないけど…でも、セル様達と、顔立ちとかで似た所はないのよ。
なら血筋以外…と考える流れになるけど…ゲーム脳的に思いつくものは、何かアイテムを持ってたとか、特殊能力があったとか…)
頭の中を駆け巡る考えに、少しだけ待ったをかけて、フィーはドニカとの距離を詰めた。
項垂れ、足元に目線を落としている彼女に、小さく尋ねる。
「(ドニカさん、少し尋ねたい事があるんだけど)」
「(え? ぁ、うん)」
フィーが声を潜めたせいか、つられてドニカも小声になった。
「(小さい頃から、何か肌身離さず持っている物とかある?
あぁ、それから、他国に親戚が居るとか、そう言う話はある?)」
ドニカは眉間に皺を寄せて考え込む。
暫くして、ゆっくりと頭を振った。
「(……ううん、何も…。
食うにも困ってたくらいだし。
何か持たせてくれるなんて、なかったよ。
それから親戚…?
ううん、そんな話は聞いた事ない…と思う。
父さんはこの国で生まれてるし、母さんもこの国の生まれらしいよ。
一応男爵家だそうだけど、あたしは会った事ない。
多分旅行とかも、した事ないと思うよ?
それがどうかした?)」
記憶で不明なら聞いてみれば良い…と、言葉にしてみたが、やはりそうは上手くいかない。
溜息が漏れそうになったが、現実なんてこんな物だろう。
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