89.サントリーニ島
その夜、メルヘン豪華客船で皆んなで食事をし、今後の予定を相談した。
皆んなも、パルテノン神殿の件で完全にここが嫌になっていた。
エルミナがアイスコーヒーを飲みながら酔っ払ったように話してた。
「女神アテナの所の神が来ないならせっかくだから一週間、エーゲ海に行ってから帰ろうよ」
「一日でいいんじゃない」
「ここの海は綺麗だよ二週間は長いけど、せっかくこの海に来たんだから、海は裏切らないかもしれないから一週間にしようよ」
「わかったよ、じゃあ二日で」
「だから私は、一週間だって言ってるの!!」
「顔が赤いけど酔ってるの?」
「わかんないけど、最近アイスコーヒー飲むと気もち良くなっちゃうのよね」
多数決をとることにした。
二日と一週間と二週間で票を集めて一週間になった。
確かにこの海は魅力があるし神々もほとんど来ないという話もあったので一週間はエーゲ海に行く事になった。
翌日、ヘカテーが二人の付き人を連れて迎えに来た。
ヘカテーが用意した船でサントリーニ島に向かった。
気候も良く、船から見た紺碧の海は綺麗だった。
そしてイアの街に着くと、期待してなかったが、その文予想以上に良かった。
青い屋根と白い壁、白い雲と青い空が強烈な印象を残し、海がよりいっそう美しさを引き出した。
日没の時間になると、空がオレンジ色に染まり、白い建物がその美しい景色を際立たせた。
夕日に照らされた街並みは、訪れる人々に感動を与えた。
この綺麗な夕日を見ていると突然、空から魔力を感じた。
この魔力は!?
「皆んな、エルノーバがいる気を着けて!」
「なぜ、ここに魔族が?」
夢がヘカテーを睨んだ。
「これは、どういう事ですか?あなたが、ここに魔族がいる事を知らないわけがないですよね」
「知っていて、あなた達を連れて来たのよ、このエーゲ海に悪魔と魔族が住み着いて困ってるの退治していただけませんか?」
「ギリシャにいる神はなぜ退治しないんですか?神なら悪魔や魔族がいればわかるはずでしょ!」
ヘカテーが夢に状況を説明した。
神は、悪魔や魔族を見下している。
本気になればいつでも退治できるし、退治した所で勲章がもらえるわけがない、それに戦えば、間違って命を落とす危険もある。
アテナの神は、人間界の海に興味はない、陸に上がってくれば間違いなく殺すが、指示もされていないのにわざわざ島に来て戦わない。
黄金の翼の国の神々も、このギリシャは、あまり来ない、オリンポスの神やゼウスの側近がいるからあまり来たくはない。
特ににアテナがいる事で来たがらなかった。
ヘカテーも悪魔と魔族を倒したかったが数が多すぎて神といえど魔女を引き連れて戦っても戦力的には敵わないと判断した。
魔女は、中距離と遠距離、そして後方からの攻撃は得意であるが、物理的攻撃による接近戦は弱い。
「この綺麗なエーゲ海の海を汚す悪魔と魔族を退治してほしいの、いいでしょ私も強力するわよ」
ヘカテーが本当の姿を現した。
顔が三つあった。
そして二人の付き人を紹介した。
「私の昔からの友人で、キルケーとメーディアよ」
エルミナとフィリアはこの三人の神の魔女を
知っている。
この三人の魔女は魔法使いで知らないものはいない有名な魔女だった。
「本当に魔女の女王ヘカテー様だったのね」
「キルケー様とメーディア様まで一緒なんて、写真撮りたい!」
だが、夢はヘカテーに対しては友好的ではなかった。
「魔族のいる所に連れて来られて、大人しく協力する気にはなれないよ」
「それに、友達がアテナの神々に迫害を受けて協力なんてしないわよね、でも協力するしかないわよ、この結界からはあなた達は抜け出せないもの」




