85.闘技場
相手の12人は完全防備に得意な武器まで持っている。
完全な殺し合いだが誰も止められない。
闘技場に来てフレイアがルシアに頼んだ。
「真実の鐘を鳴らして欲しい」
「でも、あれは神にはあまり効かないよ」
「構わない、ルシアがしてくれると頑張れる」
ルシアが真実の鐘を鳴らした。
キンコンカンコン♪ キンコンカンコン♪
これから戦う相手の神々だけでなく、競技場にいる神々からも笑う声が聞こえた。
「神が天使に防御魔法されてるよ、あの神の仲間には防御魔法を使える神はいないのか?」
「天使に真実の鐘を鳴らしてもらって、12人と戦うなんて無茶だろ」
だが、夢の仲間たちは、ルシアの真実の鐘は防御の力だけではなく、皆んなをケガをさせないようにという思いがある事を知っている。
アテナは、従者を引き連れてヘカテーと闘技場で座っていた。
「あの娘は、何者だ」
「調べているのですが全く資料がありません」
「夢が止めないという事は、あの娘は、この12人が束になってかかっても負けないと言っているのと同じ、どんな戦いをするか興味があるがヘカテーは、何か気づいた事はないか?」
「あんな若い神は、知らないよ」
従者も誰もフレイアの事を知らなかった。
エルミナがソワソワしていたからミコが聞いてみた。
「どうしたのエルミナ?」
「チアガールの衣装を船の中に置いてきてしまったよ」
「フレイアは、女よ」
「ないよりは、マシでしょ」
「真面目にやって」
「私は、真面目よ、応援してる気もちが伝わればいいの!」
「なら、チアガールじゃなくてもいいじゃない!!」
「私が着たいの!!」
やっぱり・・・
フレイアは、剣を下げてゆっくり12人の神々の前に歩み寄っていった。
アテナの戦士が武器を構えた。
まだ10メートルの距離があったが、フレイアが剣を大きく振った。
その12人の神々の頭上に大きな亀裂が入ったと同時に3人の神の頭や胴体が斬り離れていた。
そして生き残ってる神の中には、腕や顔の一部を失ってる者もいた。
闘技場の観客は一瞬にして声を失った。
アテナとヘカテーはその剣技を知っていた。
「何だ!?あの若い神がなぜ奏の剣技を使える!」
ヘカテーは無言だった。
何を言っていいか言葉も浮かばなかった。
生き残った神は、戦意喪失になったがすぐにフレイアは、剣を大きく二度振り空にバッテンを描いた。
上空の景色がバッテンに引き裂かれ五人の神の体がバラバラになった。
それを見た生き残った四人の神は、慌てて
逃走した。
アテナは、怒りが抑えきれなかった。
「なぜ逃げる!これが私の兵士なのか!?逃走した神をすぐに捕まえてその場で処刑しろ!!」
殺したところで、怒りがおさまるわけがない。
「とんだ茶番だ!ヘカテー後は頼んでいいか?」
「わかったわ後は休んでて」
アテナは、怒ってパルテノン神殿に帰って行った。
夢達は、メルヘン豪華客船に戻った。
パルテノン神殿で食事と宿泊の準備がされているとの誘いがあったが、アテナの神々により友人が暴言を吐かれたのでお断りするとハッキリ返事をした。
ヘカテーがアテナの従者を連れて客船に謝罪に来た。
アテナ側も落ち度を認め、今回の親善大使の訪問による行事や話し合いは、従者同士に任せる事になった。
ヘカテーの話では、このアテネの街にも常識がない神が、天使や人間を見下している事が多いとの事だった。
まだ全ての神々に分からせる事ができないが、ここは人間界、アテネの街に住む人達や天使にも楽しく暮らせる街にしたいと言ってきた。
「視察を兼ねてアテネの街を見て頂けませんか?」
「だか、僕が見たところで女神アテナがいては、変わらないでしょ」
「アテナは、人間界は好きではないのでいずれは、ここを誰かに任せて天界だけで生活をしたいと考えています」
皆の意見を聞いた。
「街に行ってもまた、また悪い神にからまれるわよ、でも海は魅力よね」
「この国から早く出て行きたいけど紺碧の海の砂浜では遊びたいね」
皆んなの意見はかなり似ていた。
観光や食事はいらない、食事と宿泊は船の中でして、海で遊びたいとの事だった。
「この国の人々がどのような扱いをされているか少し見て頂いて、観光のほとんどはエーゲ海をご案内させてください」
「でも、いいんですか?僕たちに親切にするとアテナに嫌われるんじゃないですか?」
「それは、ありません、アテナとは、昔からの知り合いですからいいたい事は言えます」
「でも、街の観光は行きたくないですね」
「あんな事があれば、そう言われるのは当然ですが、この街の人々も少しは見てほしいのです」
「街の観光は少しで、エーゲ海の案内をお願いします」
皆アテナは、嫌いだが、ヘカテーは信用できると思い街の観光とエーゲ海の案内を任せる事にした。




