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桜の木の下で……(13)

暗転

 

 [場所:春美の部屋]


 明転


[洋介]:「なるほど、春美があの時渋ってたのはこういうことだったのか」

[百合]:「今、全ての謎が解き明かされたわね」

[春美]:「あやめといい、すんなり信じてくれるんだな」

[洋介]:「当たり前だろ? あやめも言ったかもしれないが、春美がこんな手の込んだ嘘を言えるはずがない」

[百合]:「そうそう。それに、私は結構そういうオカルト的なものを信じてるところあるから、そういうのがあってもおかしくないと思うし」

[春美]:「そ、そうか。ならいいんだ」

[洋介]:「にしても、春美にそんな子がいたとは驚きだな。やっぱり、良い所を見せたいよな」

[春美]:「良い所というか、あいつにはひどいことをしてしまったから、罪滅ぼしってわけじゃないけど、何か喜ぶことをしてやりたいって思うんだ。協力、してくれるか?」


 三人、揃ってうなずく。


[洋介]:「もちろんだ、お前からそんなこと頼まれるのは初めてだからな」

[百合]:「私たちは友達でしょう? 友人の頼みは断れないわよ」

[あやめ]:「私は、さっき言った通りだよ」

[春美]:「ありがとう、みんな」

[洋介]:「いいってことよ。――早速それに関してなんだが、桜の木のことについて、さっきの授業の時俺と百合で調べてみたんだ」

[あやめ]:「授業中に?」

[百合]:「大丈夫よあやめ、ちゃんとノートは控えてあるから」

[あやめ]:「なら、いいんだけど」

[洋介]:「話戻っていいか? 桜の木が咲かなくなる理由を中心に調べてみたんだけど、よく症状としてあるのは、病気や害虫被害、寿命ってことが挙げられるんだって。でも、蕾がついてるってことと、桜の木の平均寿命を考えると、あの公園の桜はまだまだ生きてるはずだから、寿命の可能性はないと考えていいな」

[春美]:「だとしたら、害虫被害か病気にかかってるかってことになるのか?」

[洋介]:「かもしれない、って程度だけどな。ひょっとしたら、特に理由はないってことも考えられる」

[百合]:「聞いた話だと、桜って、寒さに当たらないと春に花を咲かせないらしいのよね。寒さにあたり足りてないってことも考えられないかしら?」

[あやめ]:「公園の真ん中に威風堂々と聳えてるのに、そんなことって有り得るの?」

[百合]:「でも、実際花が咲いてないんだから、絶対にないとは言い切れないわよね?」

[春美]:「少しでも可能性があるのなら、やってみるのも悪くないよ」

[洋介]:「そうだな。俺たちでできそうなことといったらそれくらいかな? 後は、お前たちが言ってた、署名運動か。新聞に批判の声が上がってるって書かれるくらいだ。名前を集めるのはそこまで難しいことじゃないだろう」

[百合]:「そうね。私、手伝ってくれそうな友人にアプローチかけてみるわ。人手は多い方が助かるでしょう?」

[洋介]:「なら、俺も声をかけてみるぜ。こうみえて、同性の知り合いならそこそこいるからな」

[百合]:「異性の知り合いはいないの?」

[洋介]:「…………」


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