春美と杏花・Part-2(6)
[杏花]:「ささ、お兄ちゃんもどうぞ~」
[春美]:「あ、ああ……」
春美、腰掛ける。その横に杏花が座る。距離は極めて近い。
[春美]:「おい、あんまり近くに寄るな」
[杏花]:「いいじゃない? どうせ周りにはお兄ちゃんが一人で座ってるようにしか見えてないんだから」
[春美]:「だとしても、多少の距離は取れ」
[杏花]:「はーい。そうだよね、お兄ちゃんも、一人の男の子だもんね」
[春美]:「そういうことだ」
[杏花]:「そういえば、前ここにお兄ちゃんを迎えに来た女の子とはどういう関係なの?」
[春美]:「何でお前に教えなきゃいけないんだよ?」
[杏花]:「私たちは隠し事がなしの関係じゃないの~」
[春美]:「いつからそんな関係になったんだよ……」
[杏花]:「数日前、この桜の木の下で」
[春美]:「そんな関係結んだ記憶はないぞ」
[杏花]:「結んだ記憶はなくても、見えない糸でちゃんと結ばれてるはずだよ」
[春美]:「何だ、そのドラマ的な件は」
[杏花]:「やっぱりちょっと無理があったかな?」
[春美]:「思ってたんならやらなくてよかっただろ」
[杏花]:「人間、チャレンジ精神ってものが大事だっていうじゃん」
[春美]:「お前幽霊だろ……」
[杏花]:「幽霊なら尚更だよ。既に生きてないんだし、何回だってチャレンジするべきだよ。……まあまあ、そんなことより、少しでいいから教えてよ~。いいでしょ~? ねーえ?」
[春美]:「しつこいな。どうしてそんなこと知りたいんだよ?」
[杏花]:「お兄ちゃんがちゃんとした女の子と知り合いなのか、チェックする必要があるからね」
[春美]:「お前は頑固じじいか何かか……」
[杏花]:「ガンコちゃんじゃないからね」
[春美]:「知ってるって」
[杏花]:「さあ、遠慮しないで私に教えてください!」
[春美]:「お前が遠慮する立場だろ、全く……」
杏花、わくわくしながら春美を見る。




