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 闇。闇がある。広がっている。どこまでも遠くに。深く。ひたすらに深く。


私が闇を眺めていると、闇の上から堕ちていくものが見えた。


 それは、一人の人間だった。おそらくは女性だろう。上から真っ直ぐに下の方へと堕ちていった。


 その速度はゆっくりのように思えたが、助かりようのない速度だったと思う。


 彼女が何故闇の中へと、その深淵へと堕ちていったのか。解りかねないことだろう。


 しかし、この闇に堕ちるような何かをしてしまった。それは確実なことだ。


 どこまでも広く。どこまでも深い。深淵の闇。その奥底はどんなところなのか。誰も知る由は無い。


 この深淵の闇が誰を呑み込むかなんて。どんな人間を対象にしているかなんて。


光の有無についても。生きているのかについても。死んでいるのかについても。


想像することはできても、答えを知ることはできない。


 この闇について、答えを知ることもできない。だが、確かに存在しているのだ。


 どこまでも広く深い。深淵の闇。誰も計り知り、答えを、解を、得ることはできない闇は。


かつても、現在も、これからも、確かに存在しているのだから――。 



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