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巨大な鳥籠

巨大な鳥籠の中 磔にされていた男が嗤っていた


格子に手錠が嵌められているというのに 十字架のように磔にされているというのに


男の視線の先には一つの黒い歯車 それを視て男はただひたすらに嗤っていた


男が突然、黒い歯車に注視したかと思うと、高笑いをし出した


巨大な鳥籠の中でただ男の高笑いが響き渡る


男にとって、時は満ちたように狂ったように高笑いを響かせる


巨大な鳥籠の中を高笑いで満たすかのように


男にとって、時は満ちていた 幻想を注ぎ終えた 解放のための幻想を


黒い歯車はそのための鍵 注ぎ込むことで 解放の扉が開く


突然、異音が鳴り響く 男に掛けられていた手錠が外されていた


異音の正体は 男を捕らえていた手錠が外れ 床に落ちる音だったのだ


男は手首の凝りを解すように、捏ねくり回す


男が幻想を注ぎ込んでいた黒い歯車は、黒い糸のように形状を解かせ宙へと浮いていた


男がそれを眺めていると、思いついたかのように呟いた


「剣となれ」


すると、宙に浮いていた黒い歯車だった糸状のものは、男の手の平の上で剣の形へと集束し始める


集束を終えた黒い剣を男は掴むと、勢い良く横へ薙いだ


巨大な鳥籠は衝撃を受け、その部分を切断される


そして、男は切断されたところから、鳥籠の外側へと去って行った


男はどこへ向かったのか 鳥籠の外側はどこに繋がっているのか


それは誰も知り得ない 知る由も無いことなのだーー。



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