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水無月の雫 雷雨の夢想

それは訪れる  少しずつ…… 確実に……

巡る月の一時…… 水無月の雫が降り注ぐ……

雫を受け 紫陽花の花は開いていく 七変化しながら 花の色を変えていく

薄い黄緑から変えていく 赤や青へと変えていく


どんなに雨が降っても…… あるいは降らなくても…… 梅雨の日々は過ぎていく……


水無月の雫の中 様々な色が現れる 雨に打たれまいとして

十人十色の傘が現れる…… 黒い傘や白い傘が現れる……

紫陽花と同じ色の傘たちも 透明な色の傘たちも

打たれる者も打たれない者も現れる 昼夜を問うことなく

静かに落ちゆく雨音 耳を傾けるか あるいは傾けないのか

気に留めるのか 留めないのか

雫が落ちゆく度に…… それは確実に訪れる……


暦の時は確実に しっかりと過ぎていく 曇りの日々を織り交ぜながら

水無月の雫は過ぎていく 文月の日々へとバトンを渡していく

紫陽花の花を枯らせながら…… 朽ちさせながら……


追憶に揺れる願いの中では 紫陽花の花は咲き誇れるだろうか……

朗読の時が訪れた時 雷雨に打たれないだろうか……

花の蜜は枯渇しないと宣えるだろうか……

紫陽花の木に雷が落ちてしまえば 雨の中で灼かれるだけ

どんな結末を迎えるのか…… それは誰にも分からない……

ただ灼かれてしまうのなら 歯車は狂うのみ……

蜜を愛飲していた者たちの未来は 盲信に墜ちていた者たちの未来は

紫陽花の代わりに病魔の黒花が 棘のように巻きついていく

夢想を散らしていくかのように…… 《終》


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