12/20
月花
冷たく暗い牢の中
石畳の床の上
僅かに積もる露の上
一筋光が注いでた
露に横たわる少女の傍ら
無残に月光が降り注ぐ
月の光は華を照らす
弱り散りゆく華を照らす
彼女は月花
月を浴びる哀しき花
理のない理由で地面の下に
埋められそれでも咲き誇り
隙間僅かに注ぐ光を
浴びて静かに枯れていく
それは哀れで悲しくて
同時に何故か美しい
枯れゆく彼女の月花が
不謹慎にも美しい
死にもまた、美しさはあるのだ
枯れるのを恐れない
それもまた美しさなのだから
息も絶え絶えその身体
その一瞬だけ咲き誇る
綺麗で無情な死の華が
枯れるのを怖がってはならない
それが人生で一番輝いているのだから
無事に全うした証なのだから




