第20話:ローゼのカボチャ
いつもお読み頂きありがとうございます。
カラバサの言葉遣いが独特で、読みにくい文章になっていたら申し訳ないでんす。
最後までお読みいただけますと幸いでんす。
目の前にカボチャのオバケが現れた。
「クキキ…草原地帯に着いたでんす。お、さっそく魔物がいるでんすね。」
カボチャ頭が笑いながらこちらに近づいてくる。見た目からして怪しい魔物だ。
害はないからもしれないが、とりあえず追い払っておくか。
そう思って火の魔法を使いかける。
「ちょ、ちょっと待つでんす!何攻撃しようとしてるでんすか!?クキキ…わたすに攻撃の意思はないでんす。ここの魔王に用があって来たでんす。」
慌てて止めてくるカボチャのオバケ。どうやら、俺に用事があるみたいだ。
「何のようだ?」
「うん?ここの領地に魔王がいるでんすよね?その魔王に会わせてほしいでんす。」
「俺が魔王だ。魔王のユラだ。」
「え?あれ?こんなチンチクリ…じゃなかった…。クキキ…あなたが魔王様でんすか!わたすは、『花』の魔王ローゼ様の下僕、カラバサと申します。クキキ…ローゼ様から、あなた様に伝言があって来たでんす。」
こいつ今、失礼なことを言おうとしなかったか?
やはり消してしまおうか。
俺はカボチャ頭に両手を向ける。
「あれ?クキキ…何か怒ってるでんすか?ローゼ様は、あなた様と協力して、人間族を滅ぼしたいと仰っていまんす。」
俺は向けていた両手を下げる。人間族を滅ぼす?
「お!クキキ…興味が湧いたでんすか?そうでんす。ここの近くに“ダリ”っていう目障りな国があるでんす。そこの王が、我がエルサムにたびたび戦争を仕掛けてくるんで参ってるでんす。エルサムっていうのは、我らがローゼ様が治める街でんす。」
ほう。ダリ王国の他にも、近くに領土があったのか。それも他の魔王の街ね。
やっぱりダリ王は魔物のことをよく思っていないらしい。
それにしても、ローゼ?エルサム?初めて聞くな。
「エルサムってのは、どこにあるんだ?」
「クキキ…エルサムはこの草原地帯から東に行った“魔の森”の中にあるでんす。ちょうどこの草原地帯は我がエルサムと、目障りなダリの間にあるでんす。」
「なぜダリと戦争してるんだ?」
「クキキ…おかしな魔王でんす。人間族は魔族の繁栄にとって邪魔な存在。人間族と戦争することに理由なんてないでんす。」
魔族と人間は、やはり仲が悪いんだな。
俺としては、人間を滅ぼすのには簡単に同意はできない。前世が人間だった訳だし、あまり危害を加えずに仲良くやりたいんだが…。
魔王ローゼってどんなやつだろう?魔王だから…やっぱり強面の強キャラなのかな?説得とかできないかな。一度その魔王と話してみたい。
「その魔王ローゼと、直接会って話してみたいんだけど。」
「クキキ…え!?ローゼ様とお話ししたいでんすか?ローゼ様は、美しいもの以外は近くに寄せない性分でんす…。いや、ちょっと取り合ってみるでんす。」
そういって、カラバサというカボチャオバケは、“黒い渦”を作って消えていった。
次会ったら、存在そのものを消そう。
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「クキキ…ローゼ様、報告でんす。」
「話しなさい。」
「クキキ…草原の魔王は、首を縦に振らなかったでんす。代わりに、ローゼ様と話がしたいと、言っていたでんす。」
「私と話したい?…ばかばかしい。どうせ、小汚い身なりの魔王なんでしょ?私は話したくもないわ。私に近づいていいのは、大魔王エストラーダ様のみよ。」
「クキキ…確かに、チンチクリンでんした。クキキ…。」
「そんな魔王には手伝ってもらわなくて結構。私のお願いに即断できないなんて、どうせ実力も知れているわ。予定通り、私達だけでダリを滅ぼしましょう。」
「クキキ…仰せのままにでんす。」
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・・・
「あのカボチャ…取り合うとか言ってたけど、全然連絡ないじゃないか!」
カラバサが転移した後、数日が経ったが、一向に返答は来ない。
「おーい、ユラ様。手紙が牧場に落ちていたぞ。」
ロダンが一通の手紙を持ってきた。差出人はカラバサと書いてある。
中を見る。
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親愛なる草原の魔王様へ
偉大なる魔王ローゼ様は、小汚いチンチクリンな魔王とは話したくないと申していたでんす。
なので、ダリは我がエルサムだけで滅ぼす事にしたでんす。
我が栄えあるエルサムの実力を、そこから指をくわえて見ていろでんす。
魔王ローゼ様第1の下僕カラバサ
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次会ったら、消そう。
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