アイドル心得
「どうせ、恋愛禁止とか書いてあるんだろうなぁ……。はぁ………。」
とりあえず本を開く。
アイドル心得 その一
恋愛は禁止しない。自由に恋をしてこそ、真のアイドルとして輝けるのだから。
………マジですか?
あ、下に理由書いてある………。
・先代の総理、泉首総がアイドルの恋愛をスキャンダルとしての報道する事を禁止した。他に、枕仕事禁止もある。
これは泉首総の妻が現役のアイドルだったからだ。
当時22歳という異様な若さで総理になった時、当時18歳だった篠山 奈津奈と恋人関係だった。その時に、アイドルの恋愛禁止にたいして異議を唱え、そのまま可決までの支持を得る。その時に枕仕事の禁止もやっている。演説の内容は、
『夢を与えている物が夢を見てはいけないというのはおかしい。アイドルは仕事をやりながら恋愛をしてはいけないというのは、我々も仕事しているから恋愛禁止ということになる。そうすると、矛盾してくる。(中略)だから、アイドルは恋愛をしても、スキャンダルにしないという事を第一にするように!!」
この演説のページだけで3ページ使われていた。
さて、アイドル心得の2を見てみよう。
とりあえず演説のページは全て読んだし。
アイドル心得その2
ただし、麻薬、犯罪はしないこと。壊れてしまったアイドルは誰にも指示されなくなるからです。
確かにね………。
有名な歌手が覚醒剤をやって逮捕されていたり、有名な司会者が暴力団と繋がりがあって、そのことで責任を取るように芸能界を引退したりする………。
麻薬などはやらないけど、犯罪もしたくはないけど………。
この心得には胸が痛くなる。
アイドル心得その3
未成年の飲酒、喫煙禁止。世間のルールは守りましょう。
元一般人としては当たり前のことだと思う。モラルを守らないとアイドルとしてはやれそうに無いしね……。補足で、不良学生など、学生が喫煙する場面があるドラマの役は成人している者のみがやる。こーゆーのも考えてあるんだなぁ……。どうしても未成年がやる場合、できるならその吸うシーンを無くす、もしくはCGでやる………らしい。
アイドル心得その4
正体を隠す場合、フード付きの服を着る、伊達メガネをかけるなど、徹底してやること。
フード付きの私服は数点しかないな……。まぁ、アイドルの時が変装している状態だから問題ないかな。恥ずかしいので家族などの身内にもばれるまでは隠そうと思う。
………ちなみに、それ以外はあまり関係無さそうだったのでぱらぱら~とめくる。
………とりあえず、自分の所属することになった事務所のページは見ておこうと思った。
「え~っと、シュクレガトーは8年前からできた事務所。社長の名前は牧村 比叡。女性のソロアイドルを主に所属させている………。男性アイドルはいない………か。まぁ、今日できちゃったけどな………。」
とりあえず、アイドル心得を閉じる。
「これ非売品なんだな………。まぁアイドル以外の人が持ってて意味あるのか分かりにくいけどな………。」
ちなみに、アイドルのお披露目会は、シュクレガトーともう一つ、ジュピターという事務所がやるものらしい。
ジュピターは男性を主に所属させている事務所で、ソロもグループも所属させているらしい。
この事務所は、操実コンツェルツの企業で、かなり大きい事務所らしい。
他に見覚えのあるような無いような名前が陳列している。
「まぁ、どうせ『値切るよ!!兄ちゃん!!』と同じくらいの勢いで世間から忘れられるだろうしなぁ………。」
そもそも代理だったし。
そうため息をついていると、メールが来た。
『明日、シュクレガトーの事務所に10時までに来てね。明日ドラマについてのこととか話すから。後練習も。』
と、牧村さんからのメールだった。
まぁ、あそこまでは歩いてでもいけるからなんの心配もいらないんだけど。
とりあえず、今日は買ってきた同人誌達を見ることにしよう。
「やっぱり心愛みるくさんのは最高だなぁ…………。絵もいいし、特装版の限定イラストや4コマも面白いし、きれいだ。それに、今日はいいサークル見つかったしなぁ~。」
あの、なぜか売れ残りが多かったサークル………確か名前は『ディアス』だったと思う。
絵は綺麗だし、ストーリーもいい。
思わず、売っていたのを全て一冊ずつ買ってしまうほどだった。
『美少年鎮火隊』と『ブラックメイド黒城一夜』の同人誌を売っていた。聞いてみると、大量の発注ミスとかでなく、本当に売れていなかったらしい。
ちなみに、俺が手伝いによく行くチェンバロサークルはかなり売れているらしい。そのせいか、締め切り厳守のプレッシャーがすごい。トーン削りを高速で、なおかつ正確にするということなど日常茶飯事だ。
「今日は色々あったなぁ…………。」
とりあえず残った奴は明日にでも読むことにして、今日は寝ることにした。
色々ありすぎて、ものすごく時間が遅く進んだ一日だったが、明日からさらに大変になるのだろう。
そう思いながら、布団に潜った。
眠りの世界につくのに、そう時間はかからない夜だった。




