母娘の会話
クノス:ねえ、母さん。連れてきた私が聞くのも変だけど、あいつ、本当に私たちの祖先なの?
ケルン:そうね。でもきっと、そのはずよ。
クノス:エルフは真面目で偏屈で頭が固い……と、よく言われるのに。実際私も母さんも、真面目な性格でしょ。あの男はその始祖だというのに、なんていうか、そんな感じがしない。
ケルン:それはきっと、バウム様が私たちより、ずっと強いことが関係していると思うの。
クノス:確かに彼は強いけど、それが何か関係するの?
ケルン:これは、ご先祖様が残した書籍に書いてあったことなのだけど、私たちの祖先は、森から出たことで力を失った種族……らしいの。
クノス:力を失った?
ケルン:そう。力を失ったから、森を出た。という方が正しいかしら。昔は、この世界にはもっとたくさんの森があったの。エルフの種族は、その森と一体化することで、体内に『森』と呼ばれる力を宿すことができる……みたいね。
クノス:そういえばあの人も、そんなことを言っていたような……
ケルン:でも、あるとき急激に勢力圏を広げた人族は、次々と森を伐採していった。その結果エルフたちが一体化できるだけの『森』は、次々と失われていったわ。
クノス:人族の環境破壊は、今は人族自身が気にするほどだしね。
ケルン:そう。そして、まだ『森』を宿すことができなかった若いエルフたちは、仕方なく人間界に出ることにした。それが、私たちのご先祖様……みたいよ?
クノス:ねえ母さん。私、決めたわ!
ケルン:決めたって、何を?
クノス:私の、冒険者としての使命。私は、エルフの血を引く冒険者として、森を守るために戦うことにする!
ケルン:そう……そうね。それも良いと思うわ。頑張って! 母さんは応援してるから!
一旦、連続投稿はここまでです。
続きに関しては、いつか気が向いたら書くかもしれません。




