ドーナツ
異世界トリップの方でキャラ立てすぎて……書きたくってたまらないのに本編全然進まないので。
+本来の日常は投稿のタイミングが掴めないことに気づいてしまったので、こちらで投稿していきます。
とある町のとあるお店で。
一組の男女が山積みのドーナツを食べていた。
この二人は甘党である。色々な種類のドーナツも飲み物も美味しい。店の雰囲気もいい。楽しめる要素しか無い。もうウッキウキで食べていてもおかしくない。
実際、入ってきた時は青春って感じで楽しそうに会話をしていた。店内でもあら身長差カップル?可愛い、楽しそう、なんて噂されていたほどには幸せそうだった。
が、席に通された時に二人の顔は無になった。目の前に積まれたドーナツは合計四十個。制限時間は最長七十分。そう聞かされた二人は機械のようなぎこちない動きでこちらを見る。
積み上げられた四十個のドーナツを見て彼らは何を思ったんだろうな。まあ、準備した僕に対しての殺意だろう。
ちなみに2人が何故こうなったのか。簡単に言うと、僕を中心とする友人達に騙されたのだ。無料の食べ放題だと。確かに無料だ。食べに切れれば。時間内に食べ切れなかったら高額を自分で払うことになる。
さて、どうなるんだろうね。
まあ、ここに来たのを見届けたら、僕の役目は終わり。ただ二人を眺めているのもアレなので、僕もドーナツを堪能するる。
三十分ほど経過した今、机の上は残り十五個まで減っていた。男子の目は死んだ魚の目のようになっている。食べた二十五のうち十五も食べたんだ、そうなるだろう。いくら甘党で大食いと言っても飽きる。
カッコ悪いとこ見せたくなくて頑張ったんだろうなぁ。涙が出ちゃうよ。
「……」
ここの生クリームはもってりしてる。口の中に結構残る感じだからちょっと辛そうだ。めっちゃ面白い顔してる。ニヤニヤと笑いながら眺めていると、男子の口に、あらたなドーナツが捻じ込まれた。
「口が止まっとるよ。はいあーん♡」
「?!」
いい笑顔でねじ込みはじめた女子。十一個目を頬張っているところからも彼女の方はまだまだ余裕らしい。
一瞬びっくりした顔をしたので流石に可哀想かもと思ったが……。次の瞬間、嬉しそうに口開けやがったのでもっとやれ。なんか腹立つ、その顔。
窓際で二人向かい合い、楽しそうにドーナツを頬張る。ゴツい空手部のマイペース男と小さくて華奢な文芸部の自由人。幼馴染のこの二人は学校中の誰もが知っているペアだ。付き合ってはないが、お互い相手を想い、想われているのを自覚している。どちらかがしたいと言ったらそのまま婚姻届書く。絶対。
そんな変人達だが、彼の方は加えて老成しているという特徴がある。そのためか、願望というものををあまり聞いたことがない。僕らがぎゃーぎゃー騒ぎながら某有名チョコレート店のチョコを奪い合っていても、達観しているだけで何も言わない。ゲロ味のグミを押しつけたって『珍しいな』で終わりだった。
だから彼がぽそっと言った『デート…してみたい』というつぶやき。友達の一人は、売店に赤飯が無いか聞きに行った。もう一人は彼の背を叩きながら鼻を啜った。それほどに衝撃的で、喜ばしかったのだ。熟年夫婦みたいでも、盆栽眺めるような枯れてるやつでも、そんなきもちはあったのかと。そうやって日頃の感謝も込めて、あいつの友人全員が頑張ってこの場を整えたのだ。期間約三日。頑張った。
食べ放題にしたのは二人ともよく食べるし、甘党だし、共通の目的を持つことで絆を深め、あわよくば告白という流れにしたかったから。加えて友人の叔父さんが経営してるのがここだからというのもある。その叔父さんがカップルでこれを食べ切ると末永く幸せになれるというジンクスがあると教えてくれ、僕たちの計画を聞くと他の席と離れている窓際の二人席予約などなど。色々融通を効かせてくれたのだ。
最後の一個は半分こしてもぐもぐ。腹いっぱいで苦しそうだけど、幸せそうだ。どうかジンクスが叶いますように。
グループLINEにスタンプを送り、紅茶を飲む。
これにて任務完了。邪魔者は去るべし。
たのしぃ……ラブコメが書きたくて小説を書きはじめたんでね……楽しくて仕方がないです。
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