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第二十一章・ナタデココ一号の運命やいかに

「メルー!あの鯖折マシーンと歩く桃色発生装置の管轄ってメルだよね?お願いだから混ぜるな危険って書いといて」

 メルとイルシアの姿を確認するや否や駆け寄ってメルの膝にすがりつかんばかりに懇願するロヴ。

 ロヴのあとから部屋に入り、後方を警戒するカレドラセル。そしていまや桃とバニラの香りまで漂わせながら近づいてくる桃色オーラを見てメルは現状を理解した。

「の…カンピオ将軍ー」

 思わず脳筋将軍と呼びかけそうになり、慌てて言い直しつつ、桃色オーラ漂う中でみじんも影響を受けることなく、メルは普通に声をかけた。

「…あの空気の中に平然と入っていけるとか、あのひとただの残念な人じゃなかったのか」

「いまのところ、あの桃色圏内で通常の精神状態を保てるのはあの人だけですね。あれだけはまねできませんし、まねしたいとも思いませんが」

「あの才能は、おれなら持ってても使いたくない」

 ロヴ、カレドラセル、イルシアのそれぞれの感想は、さりげなくも当たり前のようにメルをディスってるようにしか聞こえない。

 外野が見守る中、メルはとりあえずカンピオ将軍を王族たちから引き離すべく、別命を与える。

「悪いんだけどさ将軍ー。シアのとこのナタデココ一号さんが南方行きの船を待ってる間に桟橋でこけて海に落ちて雨が降ってきて風邪ひきそうなんだって。ちょっといって回収するか、都合よく南行きの船があったら放り込んどいてくれる?」

 そんなさりげなくひどい命令に、将軍はふむふむとうなずきながらも途中から困ったようにロキスタを見やる。

「桟橋で荷物を取ってくればいいのよ、ア・ナ・タ♪」

 ロキスタの名通訳のおかげでメルの背骨は今日も通常運行である。

「あい分かった、それって折りたためる荷物か?」

「できれば折りたたまない方向で…」

「ふむ、できるならやる」

 非常に不安にかられてしまいそうな言葉を残して将軍は去った。去り際のロキスタとの甘々なやりとりは誰も聞かなかったことにした。

「えっと、とりあえずどうにかしたけどどうしたの?」

 メルはロヴに改めて問いかける。

「えーっと、爺さんたちの話とか、そーゆーの結構収穫あったと思うんで、とりあえずこのメンツでざっくり情報共有しようと思ってさ」


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