第1話「ええ!?私がヒロインに!?」 アバン
明治から大正の時代。
近代化の真っ只中、過去のヨシノの街で、
魔法素粒子界との交流が行われたと言う。
「確かに…うちの地元、洋館が目立つんだよね」
西洋建築。あれは魔法素粒子界由来のものじゃない?
そんな風にヨシノは考える。
以前見せられた、ホログラムの映像。
それにも近い要素は確かにあるのだ。
「それは関係ないよ」
即座にそれを切り捨てるゲッシー。
文明開化は、あくまで物質界の人間同士で行われた行為。
魔法素粒子界は明治以降の発展に寄与はしていない。
違うの?言葉の代わりに、ヨシノの瞳は訴える。
「その外国人の中に、僕らの世界の人が紛れ込んでいたのさ」
外国人宣教師などに紛れ込んだ、
異世界の錬金術師。
彼らがルミナストーンをはじめとした、
様々なオーパーツを持ち込んだ。
「それが、ペルソナクスがここに来たきっかけなんだね」
ヨシノの問いかけに、うんと頷くゲッシー。
いい迷惑。ヨシノは過去の錬金術師に対して、
文句を言いつつ一息つこうとする。
しかし、すぐさま彼女は血相を変え、
ゲッシーに詰め寄る。
「ちょっと待って。この街ってあくまでロケ地になっただけだよね?」
「うん、だからちょっと史料とか改竄したんだ」
侵略者でしょそれ!?
ヨシノでなくとも絶叫する。まさしく暴挙である。
それを見越していたのか、ゲッシーは詳細を説明する。
要点を纏めると、改竄した内容。
それらは全て、ルミナキャストのロケに使用するのみ。
「番組の干渉がないところだと、普通の歴史が流れてるからさ…」
ヨシノの眼光に弱気になりつつも、ゲッシーは語る。
変わるのはヨシノの行動範囲の内だけ。
その外では通常の歴史が流れている。
実際のヨシノの地元。地球の歴史そのもの。
それらが歪むことはない。
「それ結局、私の周りは歪んでるんでしょ…」
ゲッシーの弁明を以てもなお、
不満そうな顔をするヨシノ。
やっている行為だけ抽出すれば、
文明を弄ぶのに他ならない。事前承諾もなく、
このような真似に踏み込む番組サイド。
ヨシノが呆れるのも無理はない。




