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『転生獣医の異世界もふもふ開拓記』〜なぜか精霊たちと最高峰の牧場を作ることになりました〜  作者: eccen.


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第5章「市場と魔導商会の陰謀」第1話「新たなる市場の誘い」

空がすっかり明るくなった朝。牧場の動物たちはいつも通り元気に鳴き、草の香りが風に乗って広がっていた。


ハルトは朝の見回りを終えると、鶏小屋の前で一息ついた。


「今日も卵がよく採れたな。リュカ、集荷お願い」


「クエッ!」


リュカが元気よく鳴いて、卵を運搬カゴにくちばしで丁寧に入れていく。


そこへ、門の方から軽やかな足音が聞こえてきた。


「ハルトさん〜!お届けものですよ!」


明るい声と共に現れたのは、近隣村の配達係である少女・ミラだった。


「おはよう、ミラちゃん。朝早くからありがとう」


「いえいえ、今日は特別な依頼で来たんです!」


彼女が取り出した封筒には、魔導都市アゼレアの刻印が押されていた。


「これは……?」


「市場拡張プロジェクトっていう新しい流通網が始まったんですって。ハルトさんの牧場が推薦されて、都市での取引先が決まるかもしれないそうです!」


「都市……」


ハルトは、心のどこかで“外の世界”との接触を避けていた自分に気づいた。


だが、ここ最近の異変。森の奥、遺跡、魔力のひずみ。そして、精霊の加護。


「……動き出すべき時かもしれないな」


そうつぶやくと、肩に止まったシエルがくすりと笑った。


「都市には、美味しいお菓子もあるよ?」


「そっちが本音か」


「ふふっ、ちょっとだけね」


その日の午後、ハルトは市場担当者と連絡を取り、アゼレア都市へ視察に行くことを決めた。


牧場の未来のために。そして、世界との橋を築くために。


しかし彼はまだ知らなかった——


その市場の背後に、魔導商会による陰謀が蠢いていることを。

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