第27話 ギルド総括会議(後半)
※黒田庄兵衛視点
「はい。今回の襲撃事件は、佐々木 勝正が八神一族とのコネを得るために、邪魔な朝倉翔太を排除する事前工作だったと捉えています。
八神一族といえば、狩猟者ギルドの創設者一族として、現在においてもギルド内で絶大な権力を保ち続けています」
(八神一族……そうだったな)
「その次代の当主にするべく英才教育を施されていた長男が、一般女性と駆け落ちして生まれたのが八神兄妹です。
血筋だけで言えば、八神兄妹こそが本流とみなす動きが、近い将来に出てきてもおかしくはありません」
(八神家の名前を出すあたり、政府としても“政治案件”として扱う気満々のようだ)
隣に座る赤槻が、この場で書いたメモ用紙を、さりげなくわたしの手元へと差し出してきた。
『わたしは八神 小恋路の事情聴取を担当しましたけど、彼女は何かを隠しています。事情聴取中、何度も目が泳いでました』
(確かに、|御経塚魔物進軍掃討戦前のブリーフィングで、八神 小恋路は朝倉 翔太と一緒にいたいと、わたしに直訴した)
(新人が戦場に立つ覚悟としては、あれは“普通じゃない”)
(二人は朝倉翔太の“何か”を知る関係者と見なす方が自然だ。
今振り返ると、あの直訴は“何かを知っている側”の動きにしか見えない)
(……やはり八神 小恋路は“知っている側”だな。
なら、朝倉 翔太の異常性を最初に目撃したのも、彼女たち三人だと考えるべきか)
(八神家の血筋も絡む三人の“秘密”……政府が過剰に反応する理由も、そこにあるのかもしれん)
赤槻のメモ用紙から登場人物の関係性を構築するのは、また別の機会に回す。一旦は、この会議の話に集中しようと、再び後藤田の話に耳を傾けた。
「佐々木製薬としてはそちらのコネを作りたかったようですが、佐々木 勝正の選民思考が強すぎてこのような結果となったようです」
(“選民思考”で片づけるか。便利な言葉だ。現場の血の匂いは、きれいに拭き取れる)
「そして、佐々木 勝正の襲撃事件を手玉に取ったのが誰か、という点ですが――
高い確率で、石碑エラーを引き起こし、異常な能力値を叩き出した朝倉翔太本人だと見ています」
(やはりそこに行き着くか。
あの少年の“異常性”は、隠しきれるものではないからな)
「そもそも、A級探索者がF級ダンジョンで行方不明になること自体、通常では想定すらしない事態です。
したがって、朝倉翔太自身が何らかの力を行使したか、あるいは彼に味方する“何者か”の支援を受けていた可能性も視野に入れています」
(……御経塚・十一階層の異常現象を記録し、提出した映像チップ。
あの映像を見れば、誰だって疑うか)
「次に、ギルドGメン本部長官、源野君」
水戸乃が視線を武骨な大男へと向ける。
「我々は、君が提出した報告書と赤槻君の報告書、それに魚津ギルド長の証言を合わせてピースを集めた結果――」
源野は、そこで一度言葉を切り、テーブルを一周見渡した。
「とある与党国会議員が、魚津ギルド長を通じて『紅蓮の炎』に極秘クエストを発注していたことまで掴むことができた」
(日本の危機をいくつも救ってきた預言者。
その言葉を真に受けすぎた結果が、探索者ギルドの領分を犯す、今回の“介入”というわけか)
「これが、国会議員の単独行動で済ませていい話なのか。
あるいは、日本国政府が直接介入して、朝倉翔太の能力を把握しようと動いたのか。――午前中は、そこをはっきりさせろと詰めていたところだ」
ここで一旦、源野は手元のグラスを取り、水をひと口飲んだ。
喉を潤して間をつくってから、低い声で続ける。
「もし仮に後者だとしたなら、公式には存在しないとされる内閣迷宮特別対策局が暗躍している可能性も浮上する。
特に、魚津ギルドの中庭に、いきなり潜伏装備姿でダンジョンから転移させられた者たちの処遇をどうするかでも、まだ揉めているわけだ」
(ああ、だから、この場に平野 清盛が出席しているのか)
その平野 清盛は、腕を組んだまま一言も発さず、表情を曇らせていた。
憮然とした顔で鋭い眼光だけをこちらに向け、修行僧のように磨き上げられた坊主頭をわずかにうなだれている。
口元の黒い口ひげも固く結ばれたままだ。
二人の話が終わると、次に水戸乃のネームプレートが赤く灯る。
「後藤田君、源野君、ありがとう。あとはわたしが引き継ごう」
水戸乃は軽く息を整えてから、こちらを見た。
「というわけだ。そこで、直接事情聴取を担当した君たちの証言を得てから、わたしの考えを述べたいと思う。――それでどうだね?」
「わかりました」
わたしはうなずき、ゆっくりと言葉を選ぶ。
ここでの一言が、朝倉 翔太の“立ち位置”を決める。
喉の奥がひりついて告げていた。
「彼の人となりを、見たまま感じたままに一言で答えるなら――朝倉 翔太は“普通の中学生”です」
視線をテーブル一周に走らせてから、続ける。
「好きな女の子と一緒にいたい。だから、八神 小恋路と同じ道を歩きたい。
新人研修を受けた動機も、彼女が目指す夢に強く引っ張られたからにすぎません。
本人はそれほど戦いに飢えているわけでもなく、魔物に強い憎しみを抱いているわけでもなかった」
「ですから、彼がA級探索者パーティ『紅蓮の炎』に対して、意図的に過剰な報復を行う、というのは――わたしが見て感じた彼の行動様式とは、どうにも噛み合いません」
一度言葉を切り、赤槻の方をちらりと見る。
赤槻の横顔を確認して、胸の奥の緊張がほんのわずかに緩んだ。
「ただし」
自分でも分かるほど、声のトーンを少しだけ引き締める。
「事情聴取にあたったわたしと赤槻の共通した見解として、少年と八神兄妹は“何かを隠している”と判断しています。
その隠している“何か”が、今回の一連の出来事で過剰に反応した――そう見る方が自然だろう、というのが、わたしたち二人の結論です」
一通り言い終えると、平野が小さくうなずいた。
そのうなずきに合わせて、心臓が一拍、強く脈打つ。
「わかった。ありがとう、黒田君」
それから、視線を隣へと移す。
「では次は、赤槻君。君の意見も聞かせてくれないかね」
「はい。黒田先輩の補足という形になりますが――」
赤槻は背筋を伸ばし、テーブルの向こう側を見渡してから口を開いた。
その姿勢の良さに、頼もしさを覚える。
「直接被害を受けた三人については、わたしが事情聴取を担当しました。
そのときの彼らは、自分たちがなぜあのような結果になったのか、いまひとつ納得しきれていない様子が強く見られました」
「そのことから、朝倉 翔太、八神 小恋路、八神 優斗の三人は“何か”を隠す仲間であり、もう一方の上杉 憲政、武田 新之助、京極 マリアには、事情聴取の時点では情報共有されていなかったと予測できます」
「わたしたちが少年たちを事情聴取している時間帯に、彼一人だけを先に解放された理由については、正直なところ、現時点でも見当がつきません」
赤槻は一度言葉を切り、息を整える。
「ただ、わたしが少年を見ていて感じたのは――魔物進軍掃討戦が終了と宣言されるまでのあいだ、彼自身は一度も、自分の手を直接“血で汚す”行為をしていなかった、という点です」
「魔物の命を奪う役目は、常に彼がテイムした召喚魔物に任せていました。
あくまで印象の域を出ませんが、彼自身は血を見ること自体を、かなり強く嫌っている性格だと感じました」
その評価は、わたしの感触ともよく噛み合っていた。
(朝倉 翔太はどこにでもいる普通の少年だ。
だが“普通”では説明できない現象も、確かに見た)
テーブルの下で、握っていた拳をそっと開く。
赤槻の前のネームプレートが黒くなり、次に引き継ぐように別のプレートの色が赤色に染まったのを見届け、水戸乃が口を開く。
「ありがとう、赤槻君。大変参考になったよ。さて、それぞれの意見が机の上に出そろったところで、わたしの見解を述べさせてもらうよ」
水戸乃は一度息を整え、指先でテーブルを軽く叩いてから口を開いた。
「実のところ、わたしも黒田君と赤槻君と、基本的には同じスタンスに立っている。
ただし、わたし自身は“預言者の予言”というものに、少し懐疑的でね」
そこでわずかに肩をすくめる。
「預言というのは、少しでも的中したら『ほれ、見たことか』と鼻高々に威張り散らす連中の道具だと、わたしは思っている。
確かに今回は、大筋で予言が当たったのだろう」
そこで言葉を区切り、メンバーの反応をひと通りなめてから続けた。
「だが、未来を“確実に”読めるのは神様ぐらいのものだと、わたしは考えている。
この前提に立つと、どうしてもこうなる」
水戸乃の声が、少しだけ低くなる。
「預言者は“全部”を言っていない。一部しか言っていない。
もしくは、意図的かどうかは別として、抜け落ちている部分が存在するのではないか、とね」
わたしは無意識に息を詰めていた。
テーブルの下で、指先に力がこもる。
(やはり、長年情報を扱ってきた元S級探索者は伊達ではない。
実に理に適った組み立てだ)
「朝倉 翔太という人物を評価すれば、どうしてもそういう結論に行き着いてしまう。
つまり、わたしが何を言いたいのかと言えば――」
水戸乃は、そこで一拍置いた。
「預言者の言う“人物”は、本当にたった一人だったのか? ということだ。
もしかすると、朝倉 翔太の影に隠れた存在も、その予言の“該当者”に当たる。預言の人物は、二人存在する」
水戸乃はそこで再び間を取り、わたしの方へ視線を流してから、言葉を継いだ。
「そう考える理由は、黒田君が御経塚十一階層に単独先行し、調査映像として記録して提出してくれた、あの記憶媒体にある」
テーブルの上のディスプレーには、すでに映像の一部が静止画として表示されている。
壁面の大型液晶ディスプレーには、十一階層の録画映像が編集され、映し出されていた。
「午前中に確認を済ませたが、映像には、十一階層を埋め尽くす魔物が、一斉に消失していく様子が鮮明に映っていた。そう、この映像だな。
同時に、十階層では二千匹以上の魔物が、地面に這いつくばって動けなくなっていた、という報告もある」
そこで、水戸乃は両手を軽く広げてみせる。
「ここまで規模の違う広範囲現象が、同じタイミングで起こっているとなると、とても“ひとりの手”によるものだとは思えん。
だからこそ、預言の“該当者”が二人いる、と仮定した方が素直だと、わたしは見ているわけだ」
水戸乃は、ゆっくりとテーブルを一周見渡した。
「これまでちぐはぐに見えていた行動原理のピースが、この仮定を置くことで、ぴたりと噛み合い始めるんだよ」
その言葉と同時に、室内の空気が一段階重くなるのを感じた。
喉の奥がひりつく。
(わたしがこの映像を収めた本人だ。
わたしの予測とギルドマスターの予測が噛み合うことで、不利に働くとは思えない。ということは……)
「ただ――」
水戸乃はそこで声のトーンをわずかに落とした。
「その“もうひとり”が何者なのか、という点については、いまのところ、わたしには皆目見当がつかない。
守護霊か、精霊か、悪魔か天使か。あるいは、朝倉 翔太が何らかの手段で召喚した存在なのか」
丸い顔に刻まれた笑い皺はそのままに、目だけがわたしをまっすぐ射抜いてくる。
「そこで、黒田君に一つお願いがあるのだが――聞いてもらえないかね」
息をのむ音が、喉の奥で小さく鳴った。
手前のキーボードを操作して、発言権を得るためのタブをクリックしようとすると――
ディスプレイのコメント欄に、赤槻から短いメッセージが届いていた。
『黒田先輩、ガンバ!!』
フッと、笑みがもれてしまう。
張り詰めていた胸の奥が、ほんの少しだけ緩んだ。
笑みを浮かべたままだが、構わず、そのまま口をひらく。
「ここまでギルドマスターが方向性を指し示してくれたのですから、今さら言うまでもないと思いますが」
わたしは、あえてほんのわずかに肩をすくめてみせる。
「ギルドマスターは、こうおっしゃりたいのではないですか?
前回、後藤田さん――政府側からの“預言の伝言”をわたしに託し、少年に語りかけさせたときと同じように、今回もわたしの口から朝倉 翔太に“忠告”をしておいてほしい、と」
そこで一度、言葉を切る。
会議室の視線が、まとめてこちらに向いた。
「もし仮に、『紅蓮の炎』の五人の記憶を上書きして、人類にとって不都合な状況を作り出すつもりなら、その計画をいったん白紙に戻して、考え直してほしい。
もしくは、何かするつもりなら、その計画内容を事前に、わたしたちと共有してほしい、と」
自分の声が、少しだけ低くなっているのが分かる。
テーブルの下で握った拳に、静かに力がこもった。
「そして、中学三年の三人の新人については、これ以上深くは追及しないかわりに、解放する方向へ少年を誘導してほしい。――おそらくは、そういうところでしょうか?」
それは、ギルドとしての打算と、一人の大人としての願いが、ぎりぎりのところで重なり合うラインでもあった。
「さすがは黒田君だ。その通りだ。で、やってくれるかね」
水戸乃の声は穏やかだが、その裏にある重さはよく分かる。
「わかりました。ギルドマスターからの依頼、お受けします」
息を一つのみ込んでから、続ける。
「ちなみにですが、最初からわたしには“断る”という選択肢はありませんでした。
何故なら、朝倉 翔太君とは約束を交わしたからです。ギルドGメンという肩書きを抜きにした、一人の大人として」
「彼が道を踏み外さないよう、わたしたち探索者ギルドが彼を支える――と。
男と男の約束を破るなど、最初からわたしの辞書には載っていません。それは、彼が探索者ギルドに信頼を寄せ、管理下に入ると宣言してくれたことへの、わたしなりの誠意の表れです」
言い終えた瞬間、胸の鼓動が一拍だけ強く跳ねた。
約束を口に出すことで、自分自身にも逃げ道を塞いだのだと、はっきり自覚する。
「黒田君の決意はわかった。ならば、ギルドマスターとしても宣言しておくとしよう。黒田君の《《意思》》が折れない限り、探索者ギルドは朝倉 翔太を全面的にバックアップするとね」
(そうくるか。わたしを緩衝材にしておいて、対処しきれない問題が起こった場合は、わたしごと切り捨てる――そういう布陣だな。
これで少年の信頼には応えつつ、何か面倒事が起きたときには、全部わたしに丸投げできる。したたかさの教科書みたいな手だ)
ディスプレイのコメント欄を見れば、赤槻から短いメッセージが届いていた。
『タヌキ親父、侮りがたし』
(……まったくだ)
水戸乃の言葉が、テーブルの上に静かに置かれる。
その一文が、公的な“約束”として議事録に刻まれていくのを思うと、なぜか胸の奥が熱くなった。
「そういう結論に至ったわけだが――」
水戸乃は視線を、無言のまま腕を組んでいた老人へと向ける。
「迷宮対策推進本部の副本部長、平野君。反論があれば議事録に残しておくが、何かあるかね」
そう発言する水戸乃だが、わたしに向かってニヤリと笑みを浮かべる。
(ギルドマスターの公式宣言を、政府側に突きつける材料としてわたしを“ダシ”に使うとは……全く恐れ入ったよ。
まだまだ、年長者の知恵比べには勝てないということか)
平野 清盛は、ゆっくりと腕をほどいた。
整えられた白髭の下で、口元だけがわずかに動く。
迷宮対策推進本部の副本部長――平野 清盛と書かれたネームプレートが、静かに赤く灯る。
「日本政府としては、魔物進軍掃討戦を“簡単に鎮圧できる”人材を、そう易々と手放すわけにはいかん」
低くくぐもった声が、会議室に落ちる。
会場の空気が、一段と緊張に包まれた。
「これを放置しておけば、近い将来、必ず外交問題に発展するだろう。
こちらの切り札を、他国が黙って見ているとは思えんからな」
平野は、鋭い視線をこちらへ向けた。
その圧に、喉の奥がきゅっと締まる。
「そうなる前に、日本政府の管理下に入ることを主張するのは当然だと思うが――探索者ギルドの見解はどうなのだね」
政府側の人間、平野の使った“人材”という言い回しに、胸の奥がじわりと冷える。
わたしが戦場で見てきたのは、自分の生きてきた小さな世界を必死で守るために立ち向かった、ただのひとりの少年だった。
国家の兵器でも、外交カードでもない。
昨日初めて実戦経験を積んだ、中学三年の新人探索者だ。
短い人生経験を総動員し、決断の方向次第では確実に未来に暗い影が差すと分かっていながら――本来なら秘密にしていてもおかしくない自分の力の一端を解き放ち、そこで戦う者たちを後押しした。
そして最後には、清々しいまでに晴れ渡った表情で、自分の決意を表明した少年。
あの日一日をやり遂げたことは、彼を精神的に大きく成長させたはずだ。
(わたしの言葉は、まるで届いていない。
言葉が通じない相手との会話が、これほど胸を抉るものだとは……わたしが少年に肩入れしすぎているから、そう感じるだけなのか?)
胸の奥に、熱い思いがふつふつと沸き立つ。
一方で、源野のネームプレートが、彼の心の内を示すように激しく赤く点滅し始めた。
ここで、職場の直属の上司である源野が、本格的に参戦するようだ。
「はい、源野君」
水戸乃が促すと、源野は大きな体をわずかに前へ乗り出した。
「自らを“日本政府”と語る与党国会議員よ。自分のやらかしたことを、もうお忘れですか?」
低く押し殺した声に、棘が混じる。
「こちらとしては、野党の国会議員に証拠つきで、のしをつけてお返しして差し上げても宜しいのですがね。
その前に、もう少し“口の利き方”を弁えた方が宜しいのではありませんか」
源野の口から放たれた言葉は、午前中の部で折り合いがつかずに一時中断した交渉の続き。
午後の部で一時停戦していた攻防戦の再開を告げる、ゴングの一撃のようだった。
どうやら、これまでが序盤戦だったらしい。
その後は、ギルドGメン本部長官の源野と、内閣府――迷宮対策推進本部の副本部長である平野の大激論が白熱し、二人のネームプレートが交互に赤く灯る状況が続いた。
会議は途中に休憩を挟みながら、夜の九時近くまで続いた。
結局、あとで正式に決まったことと言えば、毎週、この会議体を継続するという一点だけだった。
こちらの体力と時間だけが、きっちり削られた形になる。
「はー、めちゃめちゃ疲れました~。これ、わたし、来週も出席しなきゃいけないんですか?」
会議室を出た途端、赤槻が背伸びをしながら大げさに嘆いてみせる。
「赤槻君、わたしをあの場にたった一人で立たせる気かい。サポートは必要だろう」
わたしが苦笑まじりにそう返すと、赤槻はくるりとこちらを振り向いた。
「じゃあ、買収されてあげてもいいですけど。今日はステーキな場所でワイン頼んでもいいですか? もちろん、黒田先輩の奢りですけど」
要求だけは一人前だ。ため息を飲み込みながらも、断りきれない自分がいる。
「わかった。それで頼む」
「やったー。黒田先輩、ゴチになりまーす」
赤槻の声が、夜の廊下にやけに元気よく響いた。
応援よろしくお願いします!
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
「この後一体どうなるのっ……!?」
と思ったら
下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。
面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!
ブックマークもいただけると本当にうれしいです。
何卒よろしくお願いいたします。




