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5. 畏れ多さ☆5の道具、その名も神様の杖!

 それから一週間。私は神様と一緒に魔法の練習をした。そして、魔法にも慣れてきた日の夜に神様にこう言われる。


「うん、もう戦っていいね!」

「はい! ……って、え? ……じ、実戦、ですか?」

「うん」


 それ、そんなにさらっと言っていいことですか!? 実戦ということは、もう魔物とかと戦っていいってことだよね? レベル上げ始めていいってこと!?


「コントロールも攻撃も防御も完璧だし、もう僕が教えることはなにもないよ? だから、明日からは戦いでレベル上げしていこう!」


 マジか……。もう実戦かぁ……。明日からね。楽しみだけど、やっぱり不安だな……。


「そんな不安そうな顔しなくても大丈夫。リズムには光魔法っていうすごい魔法があるんだからさ。それがあればなんとかなるよ!」


 まあ、確かにそうだけど。でも、不安なものは不安なんだよぉ……!


「あ! 今、杖持ってこられる?」


 私が不安がっていると、神様はふと思い出したような顔で私に聞いてきた。


「はい、持ってこられますけど……」

「じゃあ、持ってきて。杖について説明し忘れたことがあるから」


 神様に言われたとおり、私は自分の部屋へ杖を取りに行った。


 はぁ……。こんなにすごい杖にまだすごい機能があるかもしれないなんて聞いてないよ……! あ、説明し忘れたって言っていたから聞いてないのは当然か。


 私は杖を持って神様のところへ戻った。私が戻ってきたのを確認して、彼は説明を始める。


「これね、魔法を付与出来るだけでなく、困ったときやピンチのときに僕を呼ぶことができるんだ。方法は簡単。助けてって言うか叫べばいいんだ。いつでも駆けつけるから」


 へぇ〜! 神様を呼ぶことができるステッキか……! すごいな〜!! 確かにそれなら安心安全だね。


 ……って、え? 神様を呼ぶ? なんですかそれは!? 私一人のために神様を呼ぶなんて、いくらなんでもそれはちょっと……。


 渋っている私の気持ちが神様にも伝わってしまったのか、彼は少し厳しい顔で言った。


「危険な状況になったら遠慮せずに僕を呼んでね! 絶対に、無理はしないでね!? 約束だよ!!」

「いや、その………………はい、わかりました」


 そんなこと畏れ多くてできませんと言おうとしたけれど、彼が真剣な顔で見つめてきたから私は渋々返事をした。


 言ってしまったからには仕方がない。いざとなったら呼ぶけど、本当に危険な時以外は呼ばないようにしよう。私は心の中でそう決めた。


 ……まあ、神様が守ってくれると知って少し安心してしまったのも事実だ。本っっっ当にピンチになったときには遠慮なく頼らせてもらうとしよう。彼がそこまで言うからには私の都合で呼んだとしてもさすがに不敬にはならないと思うし。


「何から何までありがとうございます」


 本当に助かっているから私は改めて神様にお礼を言った。


「ううん。僕のためでもあるし、感謝されるようなことはしてないよ。……それに、少しでも友達の力になりたいから」


 ……えっ! と、友達……!? 嬉しい!! 彼からの言葉に胸が温かくなった。少しずつ仲良くなれている実感が、私を包み込む。


「はい……! あなたを悲しませないためにも、私、たくさんレベル上げて強くなりますね!」


 私は彼を安心させるために笑いかける。彼は少し目を見開いた後、胸に手を当てて私から目を逸らしてしまった。なんか顔が赤いような気がするけど……。どうしたんだろう? 私は何か怒らせるようなことを言っただろうか。う〜ん……。はっ! もしかして、具合が悪いとか……!? 彼の顔が赤いのってそういうこと!? 私、なんで今まで気づかなかったんだろう……! 体調が悪いのに気づかないとか、友達失格じゃん……。


 いや、失格ではないかも……? 神様が隠すの上手いだけかもしれないし。うん。失格ではない…………はず!


 って、こんなこと考えてる場合じゃない! 神様、具合が悪いのかもしれないんだった!


「えっ、あの、大丈夫ですか? 具合が悪いなら今日はもう帰ったほうがいいんじゃ……」

「! ……〜〜っ、だ、大丈夫だから! ごめんね、心配させちゃって」

「でも、顔が赤いですよ……! 無理しないでくださいね?」

「……〜〜っ、本当に大丈夫!! その、これは嬉しかったというか……。なんで顔が赤くなったのかは僕にもよくわからないけど、本当に嬉しかっただけだと思うから……!」


 彼が大丈夫だというからもう詰め寄るのはやめるけど、本当に大丈夫かなぁ……? まあ、本人が大丈夫だと言うならそれを信じよう。


それは一旦置いといて……。いや、置いといちゃダメかも知れないけど。嬉しくなったら顔が赤くなるって、あまり聞いたことがないな。興奮したり恥ずかしくなったりしたらなるかもしれないけど、そんなに急に赤くなるものなの? なんかの病気だったりして……。それはないか。神様が病に伏せているんじゃ世界そのものが危険だ。


 私が少し考えていると、神様は言った。


「取り敢えず、僕を呼ぶ練習してみよう! ね? だから一旦帰るね!」


 そう言い残して神様は私の前から消えた。


 よし、彼の言う通り、気を取り直して練習しよう! 私は彼のことを呼んでみることにした。


 え〜っと、確か助けてって言うんだっけ?


「助けて……!」


 シーン…………


 え、これでいいの……? 誰もいない空間で、一人助けてって言うのはちょっと……いや、結構恥ずかしかったんだけど。神様来ないし、なんか不安……。もっと強く、大きな声で呼ばないと駄目なのかな……?


 というわけで、もう一度呼んでみようと私は大きく息を吸い……


「助けて〜!」


 言い切った……! もういっそのこと大声で言ったほうが恥ずかしさも紛らわせるかな〜って思ったから、かなりの大声を出したんだよね。ここ森の中だし、近所迷惑にもならないもんね。うん、効果バツグン! 恥ずかしさよりも謎の達成感を得ることができた。


「はいは〜い! 出てくるの遅れちゃってごめんね」


 私が達成感を噛み締めていると突然現れる神様。目の前にパッと出てきたよ、この人。目の前に。そして発光無し。もう驚かないよ! ……嘘、少し驚いた。反応は薄かったかもしれないけど、しっかり驚いたよ。


 それはそうと、出てくるのが遅れたってどういうことなんだろう……? 二回目に呼んでからまだ時間経ってないけれど……。はっ! もしや……。


「もしかして、一回目呼んだときにはもう出てこれたんですか!? それなら、早く出てきてくださいよ〜!」


 二回目思いっきり叫んじゃったじゃん! もう〜!


「ごめんって。初めてだからどうすればいいのかよく分からなくて。まさかリズムが二回唱えるとは思わなかったけど……どうして大声出したの?」

「それは……もう! 聞かないでください!」


 そんなこと言って、本当はなんとなくわかっているくせに〜!! 私が頬を膨らませて睨むと神様は笑った。


「リズムって、面白いね」

「それ、褒めてます? 何故かあまり嬉しくないんですけど」

「さあ? どうでしょう」


 これ、絶対からかってるよね!? 神様ってからかうのも好きだったりするの? まあ、彼が楽しそうならいいけどさ。いや、その理由が私が面白いからっていうのは解せないけど!!



 ――♪☆♪☆♪☆♪☆♪☆♪☆♪☆♪――



 そして次の日の朝。私は今、実戦をする準備をしている。


 動きやすそうな服に着替えて、神様から貰った杖を持つ。ちなみに私が着ている服はクローゼットの中から出したものである。なんとこの家、クローゼットの中に私にぴったりな服がたくさん収納されているのだ。驚いたけど、神様だからなんでもできるんだって思って納得することにした。杖は持ち運びを楽にするために神様が教えてくれた機能を使おうと思う。


 え〜っと、確かこのリング部分を肩に近づけるんだっけ? 私が杖を持って肩に当てると、棒の部分が消えてリングから楝色(おうちいろ)の布がでてくる。わぁ〜! 何度見てもすごいな〜。


 そしてこの色はその人のイメージカラーになるらしいのだ。私の場合は楝色(おうちいろ)。私のイメージって楝色(おうちいろ)なんだ。なんか意外だな。別に楝色(おうちいろ)が特別好きってわけではないのだけれど。


 閑話休題(それはともかく)、そんなこんなで準備が完了しました! よし、出発だ! 不安だけど、私と同じレベルの魔物なら倒せるはず! 頑張るぞ〜!


 私は玄関のドアを開けて家を出た。もう結界の外に出たから、守られてないんだよね。


 うわ、すごい! 自然がきれい〜! この世界の自然って本当にきれいだよね。風に吹かれて葉が舞っているところなんか最高!! 野花も可愛いな〜! これは、オオイヌノフグリ? この世界にオオイヌノフグリがあったとは……! 今は花が多い季節なのかな? ということは春? そもそもここには四季とかないか。…………いや、あったわ、四季。きちんと春・夏・秋・冬あった。それじゃあ、今は……? 私は知識を引っ張り出して考える。


 あ、今は冬らしい。確かに、オオイヌノフグリは冬の花だもんね。地球と一緒で、この世界でも今日は一月八日なんだ。……あれ!? 一年が十二ヶ月っていうところも、一日が二十四時間っていうところも同じじゃん! へぇ〜、そんな偶然もあるんだね〜!


 うぅ……冬だってわかった途端になんか寒くなってきた。もしかして、この肩掛けのおかげで今まであまり寒くなかったとか……? うん。大いに有り得る。この道具のことだ。きっとそんな機能もあるに違いない。


 おっと、自然に見惚れてそんなことを考えている場合じゃない。魔物がいつ出てきてもおかしくないんだから、気を引き締めていかないと! ここらへんに魔物は……いない? ……ん? なんか奥がガサガサいってるような……?


 私は少し歩いてそこに行き、隠れながらそ〜っと様子を見てみる。


「えっ……!?」


 そして、なんともシュールな光景を見た私は絶句したのだった。

お読みいただきありがとうございました!\(^o^)/

☆楝色は薄紫のような色です。

評価、感想、リアクション、レビュー、ブックマークなどをしていただけると嬉しいです!(≧▽≦)

次回更新予定は5/17(日)です。m(_ _)m

次回予告:リズムが異世界転移することになった理由について、ルカ視点でのお話です。二話を一気に更新します!

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