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記録3 現実味の無い現実

「あれ?何も聞いてないの?」


ベレッタは、陸斗の態度に逆に驚いた。


「いや、僕はアタッシュケースを渡されただけだよ?」


信じられないと言った表情をした後、少女はため息を吐いた。その仕草に陸斗はどこかに自分の見落とした点があるかと思い記憶をたどる。

が、特にこれと言って説明された記憶が無い。


「それじゃぁ、最初から話さないと駄目ね、本当は私をマスターに渡した人から話す予定なのだけれど...きっと、早く仕事を終わらせたかったのでしょうね、説明する前に帰っちゃったみたいね」


説明せずに帰るとか、仕事放棄してんじゃん!駄目じゃん!そいつクビになるのでは!?と思って口にしかけた陸斗だが、まぁそこに突っ込まなくても良いだろうと思いやめた。


「ん?あの...まさかとは思うけど、その...ベレッタってさっきまでアタッシュケースに入ってたベレッタ?」


そんな事は無かろうと思いつつも、話を整理すると一番納得できる推理なので陸斗は聞いてみた。

すると、ベレッタは思い出した様な表情を見せ言った。


「えぇ、そうよ?あ、説明して貰ってないから、そこも分からないのよね」


まさかの一番納得出来るがそれと同時に、一番現実味がない物を肯定されてもはや絶句する陸斗、そんな彼は、さっきの男の言葉を思い出す。


『細かい事はそいつに聞いてくれ』


というこの部分である、ようするに今目の前に居る少女...ベレッタに全ての説明をして貰え、と言っていたということになる。


「えっと、その僕に君を渡した男がですね...君に細かい事を聞けと言ってたんだけど...」


また、ベレッタはため息を吐いた。


「まぁ、そうね。私が説明をするしかないわね」


そして、彼女は語り始めた。


「まず、マスターの所に差出人不明の封筒が届いたわよね?」


陸斗は記憶を辿り、すっかり忘れていたことに気づいた。


「それって、中に何かチップ?みたいな基盤?みたいな物が入ってたやつのこと?」


ベレッタは頷き続ける


「そう、そのチップは触れた人のエネルギーの性質を判断して、その触れた人が適合者でないなら破裂して壊れてしまうの」


そう言えばさっきの男もそんなことを言っていたと思ったが、まてエネルギーとか、適合者とか何なんだ?と思い不思議そうな表情の陸斗に彼女は


「証拠隠滅かな?」


ベレッタは右手の人差し指を立て、頬の前にピタッと当てながら首を傾げた。

あざといが可愛いと陸斗は思ったが、聴きたいのはそこじゃ無いと思い言った。


「いや、そこじゃ無くて、エネルギーとか適合者とか何か分からないんだけど...」


困り気味に陸斗は言った。誰でも突然意味の分からない事を言われたら困るものだ。

それに対しベレッタは


「あ、ごめんなさいそこも説明しないとだめよね」


そう返した、陸斗が何も分からないのを忘れていたらしい。

そして、彼女は一息置いてから


「まず、全ての生命体にはエネルギーと呼ばれてる力が宿ってるの、そのエネルギーは種族、個体ごとに違くて、同じエネルギーを持つものは無いの」


そう言って、ベレッタは陸斗の手を取る


「そう、丁度指紋と同じ感じね」


ベレッタは陸斗の掌を確認する様に撫でながら続ける


「そして、エネルギーは誰にでもあるけど操れはしない、例外で操れるのが超能力者だったり、霊能力者ね」


超能力などを信じない陸斗には、超能力者は本物がいるという風に聞こえて正直、そこに驚いていた。


「そして、私達ドライブは適合者、つまりエネルギーの相性が良い人しか使用出来ない、世界に1人いるか居ないかなのだけれどね」


そこで、ひとつ陸斗は理解した。


「よわ、僕が君とエネルギーの相性が良い、つまり僕が君の適合者だったから、ここに居るっていう事で大丈夫?」


彼女は満面の笑みで一言、


「そういうことよ!」


そう言った。

しかし、ここでまた疑問が...


「何でさっきの男の人は俺の家が分かったんだ?」


確かにそうだ、ここまで話を聞いてエネルギーの相性が良いのは分かったのだが、その適合者、つまりは陸斗がこの家に住んでいるという情報は何処から手に入れた?


「そこで、あの差出人不明の封筒の中のチップの出番よ、さっき触れたのが適合者でない場合破裂するって言ったわよね?でも適合者の場合は発信機になるのよ」


それで家が分かったのかと納得した陸斗だったが、それは犯罪ではと同時に思った。

そんな陸斗の内心を知ってか知らぬかベレッタは、


「一応これは、アメリカと日本が裏でやってる事だから、周りの人とかに言っちゃ、めっ!だからね?」


何このあざといけど可愛い生物、陸斗はそう思った。

いや、男性なら誰もがそう思うだろう。

それと同時に、国がやってるなら出来るわけだと陸斗は理解した。


「あと他には、アタッシュケースに入れた状態でも良いから私を常にそばいおいておく事、良い?あ、拒否権は無いからね」


強引だとは思いつつも陸斗は渋々納得した。

しかし、これは聴かなきゃいけないと思った。


「えっと、アタッシュケースに入れるって事は銃に戻れるって事?」


「えぇ、そうよ。人間体とガンモデルと人間体のままモデルの銃を使う事ができるわよ、私の場合はM92ね」


現実味がないし分からない事だらけだが、陸斗は納得せざるおえなかった。


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