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番外編2

「そういえば…王様もそうでしたが、私とカナちゃんがふたりいるのに私の方が聖女だとわかるのはどうしてなの?何か印があるとか?それとも、聖力というのが見えるの?」


私は気になっていたことを聞いてみた。

私とカナちゃんだと、どう考えても聖女っぽいのはカナちゃんのほうだ。


真っ白いきめ細かい肌に、まるで米粒みたいなちっちゃな頭。すらりと長い手足でスタイル抜群。うるちゅるネイビー黒髪はさらさらで、枝毛なんて1本もなさそう。

くっきり二重まぶた、長いまつげ、猫みたいなアーモンドアイ。ツンとしたお鼻、ちっちゃなお口、ちょっとふっくらした頬も魅力的。


横顔をじっと見ていたら、くる、とカナちゃんがこっちを向いた。


「なに見てるんですか」

「あ…っ、すみません顔がかわいくて……」

「……本当に、メイさんって私の顔好きですね。特典会で話もせず顔を凝視してくる人ってあんまりいませんよ」

「あーキモいオタクですみませぇん……、でも顔以外ももちろん好きですぅ……」

「その話長くなるから、いいです」


カナちゃんはプロのアイドルだから、もちろんどんな相手にも対応は良い。

でも通い詰めて特典会の常連になってくると…実はちょっとだけ、そっけなくなるんだよね。

それがちょっと認められてるみたいで、またうれしいんだよなぁ…。


「おふたりの世界を邪魔するようで恐縮ですが……」


ラムちゃんの声に、ハッと我に返る。

駄目だ駄目だ、こっちから聞いておいて。


「ご、ごめんラムちゃん。どうぞどうぞ」

「はい。メイさまがおっしゃったように、聖力が見える者もおります。おそらく召喚の儀式のときに、陛下のおそばに神官たちがいたと思うのですが……教会の者の中には聖力が見える者もいるそうです。ですがそれは一部の者のみで……それ以上に、メイさまが聖女さまだということは、見ればわかります」

「え?それはどういう……」

「だって……」


不思議に思って首を傾げると、ラムちゃんは握りこぶしで、ちょっと興奮したようすで言った。


「だって、メイさまは…高貴なお姿をしていらっしゃいますから!」


え……?

さっきまでの淑女然としたラムちゃんはどこへ……。


「歴代の聖女さまに共通することなのですが、やはり聖女さまは見た目が高貴でお美しくていらっしゃいます。ですから、すぐにわかりましたわ!」


……は?

何を……。


ふと周囲を見ると、他の侍女ちゃんたちも、メイドさんたちも、こくこくと頷いている。

こっちを見るその目は…まるで、アイドルを見るオタクだ。


「も、もちろんカナさまもお綺麗ですが……メイさまは特別ですわ。ですから、見ればわかるのです」


これは……あれか。

美的感覚が、現代日本とは違う感じか。

私は、自分で言うのも悲しいけど平凡。一応20代女子として身だしなみは整えているけど、突出したところはないただのドルオタ。大勢の中に埋もれてしまうような……。


そこまで考えて、ふと気づいた。


この世界の子、みんなかわいい。

侍女の子たちも、メイドさんもみんなアイドルみたいにかわいい。

そういえば王様も執事さんもイケメンばっかりだった。


そういう世界では…私のような人間のほうが、目立つのだ。


美しさとは、希少価値。

珍しい見た目のほうが、目立つし価値がある。だから元の世界では目立たなかった私の容姿が、この世界では美しいということになるんだろう。


「この世界では私が美人になるんだ…びっくりだね、カナちゃん」


苦笑しながらカナちゃんを見る。

「え?」カナちゃんは不思議そうに私を見た。


「メイさんは美人じゃないですか」

「え?いやいいよお世辞は…私なんて普通だよ……」

「え?何言ってるんですか?私は前からメイさんは美人だと思ってましたよ」

「え?」

「え?」


……あれ?

いや、これはあれだ。


アイドルグループにいたカナちゃんは、やっぱりかわいい子や美人を見慣れているんだ。


この世界には、私と同じ価値観の人がいない?

わー…T氏(オタク仲間)……

やっぱり、T氏にもいてほしかったかも。


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