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魔法少女、誕生 Part.27

前回投稿した『Part.26』の続きをお届けします。

それではごゆっくりご覧下さい。

先程の智史(さとし)の素振りから自分へと何かを伝えようとしたのではと勘繰るもその胸の内を詮索しない事にする実季(みのる)

そんな中、並んで歩く2人の正面に向かって少し大き目の看板が見え始める。


『あかまつ小児内科』。


実季の母である早苗が父である千秋が現在も勤務医として籍を置く某大学の附属病院を退職後に開業した個人医院だ。

元々、この場所には赤松家のガレージが在ったのだが早苗が小児内科を始めるのに伴い、取り壊した上で着工した経緯が有る。

隣には真琴の母である恵子が薬剤師として勤務する調剤薬局『よつば薬局』が在り『あかまつ小児内科』にて診察を受けた患者達がそこで発行された処方箋の指示に基づき調合された薬を貰う事になっている。

ガレージを取り壊した事で千秋と早苗、それぞれのマイカーであるフォルクスワーゲン製の『ティグアン』と『ポロ』については現在、『あかまつ小児内科』の建設工事が開始された頃と同じ時期に向かいに在った空き地を購入し、患者や看護師、更には調剤薬局に勤める者達が利用する為の駐車場の一角に赤松夫妻の愛車を停めるスペースを設けたのだった。

そして、『あかまつ小児内科』から見て少し奥まった場所に位置する戸建て住宅こそが実季の自宅である。


「(お父さんは・・・、まだ帰ってないみたい。)」


自宅の前まで辿り着いた事により実季は両親が車を停めるスペースに目を向ける。

そこから早苗の愛車である『ポロ』が駐車している隣に『ティグアン』が見られない事から千秋がまだ帰宅していないのだと感知した。

その傍らで小児内科の方に目を向けた智史は何かに気付いた様子を窺わせつつ実季へと問い掛ける。


「今日、日曜日だけどおばさん、こっちに居るのか?」

「ああ、そうみたいだね。何かやらなきゃいけない事でも有るんじゃないかな?」


智史の問い掛けの通り早苗が経営する小児内科の方を見ると診察室が位置する辺りからLEDライトの光が外へ向け漏れているのが確認出来る。

察するに行わなければならない事柄が有るのだろうと判断すると実季はその意味合いを含ませつつ智史へ返答した。


「一応、挨拶した方が良いかな?」

「あ、ううん。良いよ別にそんな気にしなくて。」

「え?いや、そういうつもりじゃ・・・。」

「本当に大丈夫だよ。もしあれだったら私からお母さんに後で言っておくから。」

「そ、そうか?」


母である弥生が看護師として勤務している事も有り礼儀として『あかまつ小児内科』の代表を務める早苗に挨拶を行うべく娘である実季に確認を取る智史。

片や実季は幼馴染とはいえ結果的に年相応の異性に送ってもらう形で帰宅して来た事実を客観視してか急に恥ずかしさを覚えるあまりそれを拒む様な反応を見せると智史はやや戸惑いながらも彼女の言い分に理解を示すのだった。


「それじゃあね、智史。」

「ああ、また明日。」


些か取り乱してしまったものの気持ちを落ち着かせたのか改まった様子を見せる実季は玄関先にて智史と別れの挨拶を交わした。

そして、自宅である吉岡パンへと向かうべく歩き始める智史の後ろ姿を少しの間見詰めた後、実季は咄嗟に彼の名前を呼ぶ。


「あ、智史・・・。」

「どうした実季?」


実季により突如として呼ばれ条件反射的に足を止めた智史は続け様に後ろを振り返ると何かを伝えようとしているだろう彼女へと視線を向ける。


「ありがとうね、態々お釣りを届けに来てくれて・・・。」

「別に良いよ、そんな事。」


はにかみながら礼を言う実季に対し一瞬だけ真顔になるもすぐさま微笑を浮かべてみせた智史はこの状況に相応しいであろう受け答えをした後、再び正面を向き家路へ着くべく歩き始めるのだった。


「ただいまぁ・・・。」


玄関の戸を開け帰宅して来た事を告げる実季。

コンバースのスニーカーを脱ぎ靴箱へと仕舞い家の中へと上がると脱衣場に在る洗面台にて手洗いとうがいを行った後、キッチンへと足を運び調理スペースにレイアウトされている冷蔵庫の前に立ち徐にドアを開いた。


「わぁ、ロージー牛乳だぁ。」


公園内にて菓子パンと共にクロードへ差し出した経緯も有りドアポケット部分に1リットル入りの『ロージー牛乳』が未開封の状態で収納されているのを発見した実季は歓喜の声を上げる。


「しかも、『ロージーコーヒー』も有る!」


同じく未開封の状態で収納されている『ロージーコーヒー』という品名で販売されているコーヒー牛乳を見付けると実季はそれ等2本を冷蔵庫の中から取り出しステンレス製のシステムキッチンの天板に置きガラスコップを手にすると先ずはロージー牛乳から口にする事に決める。

そして、パックの開け口に手を掛けガラスコップへと注ぐとそのまま乾いた喉を潤すかの如く流し込んでいった。


「ああ、美味しい。」


ロージー牛乳が持つさっぱりとしながらもコクの有る風味に舌鼓を打つと実季はその余韻が冷めない内に今度はロージーコーヒーを口にする為、同様に開け口に手を掛けるとロージー牛乳を飲み干したばかりのガラスコップに注ぐとそれを左手で持った上で今度はゆっくりとしたペースで飲み始めるのだった。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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